新しい教育の形 かごしま探究プロジェクト「かごたん」とは? 鹿児島 (24/10/31

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小・中学校で必須の授業となっている【総合的な学習(探究)の時間】。

これは変化の激しい社会に対応するための課題解決能力や、自己の生き方を考えていくための力を養うことが目的とされています。

例えば、鹿児島県南九州市の小学校ではお茶を種から作ったり、桜島の中学校では防災について学んだり。
学校や地域の実情に応じた様々な授業が行われています。

その中に、中学校の総合的な学習の時間を使った「かごしま探究プロジェクト」という取り組みがあります。

発足から3年。
一体どのような学習なのか?

県内でも広がりを見せる新しい教育の形を取材しました。


2024年8月。

鹿児島市で行われた研修に、県内15の企業と中学校教員約160人が集まりました。
大人たちが何をしているのかと言うとー

「晴れて周りが明るくなる。明るくなると部屋のカーテンが開く」

何やら新しいアイデアを考えているようです。

「いろんな場面で『いやだな、不便だな』って思うことを解決できないかという発想です」

この研修は、かごしま探究プロジェクト=通称『かごたん』の取り組みの一環で、開催されました。

かごしま探究プロジェクト・手嶋州平代表
「地域の企業の方々とコラボレーションをして、生徒たちは地域の企業の探究、自分たちの住む地域の探究を行う。それらを組み合わせた時に新しい可能性がないか、わくわくする未来を創れないかを探究する取り組み」

企業の担当者が中学生にアドバイスを行いながら、新しいアイデアを生み出す「かごたん」。

例えば、2023年KTSとコラボした中学校では、「テレビ局の発信力」と鹿児島特有の「火山灰」を組み合わせて「火山灰を楽しむイベント」という、地域を盛り上げる企画を考えました。


研修の参加者は子どもへの授業を前に実践してみることで、どんなアドバイスが必要か学びます。


研修参加者(企業担当者)
「みんなで、『これいいよね、あれいいよね』って、どんどん膨らんできたのが楽しくて」

研修参加者(中学校教員)
「『そうだね、でもさ…』って言われると、シュン…となる。みんながポジティブトークだったので、ここまで(アイデアが)出たかな」


研修を経て迎えた中学校での授業。
長田中学校2年3組の教壇に立つのは南九州ファミリーマートの担当者たち。

授業では企業が持つ商品や技術、人材などのリソースについて学んだあと、それと組み合わせる食や自然、文化といった、地域のリソースを探し新たなアイデアを考えていきます。

この日はアイデアの元になる「企業のリソース」を見つけることが目標です。

「ファミリーマートっていっぱいあるじゃないですか。そこに(トラックが)何回も行き来してるのかなーって思って」
「おむすびは1日何回来ると思う?」
「2回」
「15!」
「15!?(笑)」

別の教室で生徒たちから質問攻めにあっていたのは、ビルメンテナンスを行う、南日本総合サービスやインフラ設備の九電工の担当者です。
生徒たちは地元企業についてプレゼンを聞き、直接質問することで探究を深めます。

南九州ファミリーマートとコラボ・長田中学校の生徒
「地域の取り組みで、子ども食堂をやっているのを初めて知った」
「色んな場所にイートインスペースができたら活用できるのではと思った」

2024年で3年目となる「かごたん」は、県内8つの中学校で行われています。

2年生の3クラスが参加している長田中学校は校長が熱望し、2024年から「かごたん」に初めて参加しました。

長田中学校・奥山茂樹校長
「希望するなら申請をするが、そんなことだけしててもとれないだろうと。直接行くから説明させてくれと」

プレゼン資料を自作して市教委に直談判!

生徒の成長はもちろん、「教員」育成の場としても期待しています。

長田中学校・奥山茂樹校長
「企業の人たちがキラキラしながら仕事をしている。その中に先生達が入ったら、『新しいことを知りたい』とか『何かを試してみたい』とか、また新たに火がつくんじゃないか、そんな気がして」

生徒と共に、大人も学べる側面があるー
それは企業側にとっても同じ様です。

南日本総合サービス・仮屋晶行取締役
「人材育成と言ったら堅苦しいけど、子供たちに接するのはなかなかない機会なので、かなり得るものがあるのではないか」

南九州ファミリーマート・北園如菜さん
「考えていなかったことにも質問をもらったので、改めて会社のことを考えるきっかけになった。面白かった」

まだまだ始まったばかりの2024年の「かごたん」。

その目指す先は?

かごしま探究プロジェクト・手嶋州平代表
「大人達も一緒に学び合えるプラットフォームを作っていけるんじゃないか。地域全体で次世代を育てていくことが鹿児島では当たり前、という未来を想像したい」

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