朗読:山本周五郎「中央銀行三十万円紛失事件」

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朗読:山本周五郎「中央銀行三十万円紛失事件」
その人物が話し始めた話は、居眠りばかりしている警察署長の思い出話でした。その管轄下で起こった、とある銀行の大事件は、「寝ぼけ署長」と揶揄されている署長の、人柄と眼力とを窺い知ることのできる格好のエピソードなのでした。

※本作の登場人物
五道三省:「寝ぼけ署長」と渾名される某市警察署長
私:署長の秘書役を務める職員
太田:司法主任
宮田:腕利きの刑事
茂木礼三郎:中央銀行の支店長
貝塚:中央銀行の支店長代理
中村勇吉:中央銀行の出納係
渋谷時市郎:中央銀行の収入係
角田良助:中央銀行の貸付係
渋谷昌子:渋谷時市郎の娘

◎用語の補足
コンビネーション:数字や文字を組み合わせて開錠する仕組み
孫子 軍争篇より:
「軍政に曰く、云うこと聞こえず、故に金鼓を用いる、視ること相見えず、故に旌旗を用いると、それ金鼓旌旗は、人の耳目を一にする所以なり」

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