避難誘導・救出救護を被災した高齢者に課せられるか 地域防災の課題・高齢化 新たなルールの必要性 (23/12/23

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災害から命を守るためには、自治体の対策だけでなく住民の取り組みも重要になる。一人一人の行動だけでなく、地域をあげての防災行動が求められるが、高齢化により地域防災の取り組みが困難な地域も出てきている。

<復旧に4年かかるほどの被害>
福島県伊達市梁川町の山舟生地区を流れる山舟生川。この日は穏やかな流れだったが、2019年の東日本台風では地域に牙をむいた。この被害を受けて、大規模な改修工事が進められている。
「ある程度できた姿を見るとごく自然に見えますが、この周りの農地については洗堀されて」と自治振興会長をつとめる八巻克男さんは話す。

<経験したことない恐怖>
周囲を山に囲まれているため大雨が降ると川に水が流れ込み一気に増水するエリアだという山舟生地区。東日本台風の時の状況を八巻さんは「めちゃくちゃというような状態で。今後、この場所で農業を続けられないのでというような、ひどい状況。今までに経験したことが無いような怖さで、水が引いたあと、水がここまで上がったっていうのを見て、みんなびっくりした」と語る。

<地域のために…被災者支援>
八巻さんの自宅は川から離れていたため被害はなかったが、当時「まちの駅やながわ」の駅長を務め、被災者を支援するために奔走した。
八巻さんは「まちの駅やながわは被災地に一番近いので、なんとか早く掃除をして、皆の力になるまちの駅にしたいなと考えて」と当時を振り返る。

<地域防災の新たな課題 高齢化>
八巻さんに地域の課題を伺うと「やはり少子高齢化。少子と言えば子どもがいるようだが、まるっきり子どもがいない」と答えた。
山舟生地区は約600人の住民のうち65才以上の高齢者が半数を超える。防災の基本となる「自助」「共助」「公助」のうち、互いに助け合う「共助」に難しさを感じていた。「皆さんで助け合って避難するのが理想なんですが、高齢化が進むと自分の命を守るのに精一杯で」と八巻さんはいう。

<現実的ではない今の規約>
地区の防災規約には「避難誘導」「救出救護」など、被災した高齢者にとって現実的ではない役割もあり「命を守るためにどうすればよいか」と頭を悩ませている。
八巻さんは「いま移住者がどんどん増えて、人口が増えてくる、子どもが増えてくるということが期待される地区ではない。地区で手が回らないということであれば、子どもとか、きょうだいとか、親戚のお手伝いを願うほかないのかなと。その辺のルール作りを、こういったシステムがあるんですよということを先駆けて伊達市で作れればいい」と話した。

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