「街行く路面電車」函館市電

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坂の街・函館を走る路面電車、函館市電には坂道を上り詰めた場所の停留所「青柳町」がある。ここで待っていると夏の青空を背景に、赤茶色の電車がゆっくり下からフレームイン。乗客が降りると、電車と人が浮かび上がってみえた。辺りには津軽海峡からの潮風が吹いていた。
 路線の東端にあたる温泉街「湯の川」で待つと「函館どつく前」との表示の電車がやってきた。造船所の「ドック」のことで、決して、ど突く訳ではない。港町らしい駅名だ。
 乗ってみることにする。函館駅前を過ぎベイエリアに入ると、欧風建築の建物が目立ちはじめた。貿易港として横浜、長崎とともに日本で最初に開港した函館らしい街並みだ。
 終点で電車を降りると「いか、いか、いか、いか、いか踊り」と軽快で陽気な歌声が。周りを見回すと、街の風景や黒船に装飾された3つの車両がやってきた。コロナ禍で休止が続き、3年ぶり開催の「函館港まつり」(1~4日)をPRする花電車だ。乗務した寺本慎吾さんは「沿道はもちろん、家からも窓を開けて手を振ってくれます。待っていてくれたんですね。本当にありがたいです」と話してくれた。
 夜になると、花電車の電飾は輝き、華やかさを増した。街を照らし行き交う車両を眺めていると、心が少し浮き立った。
#Hakodate#函館#Hokkaido#北海道#青柳町

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