まだらの紐

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まだらの紐, by Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki?curid=6... / CC BY SA 3.0

#シャーロック・ホームズシリーズの短編小説
#1890年代の小説
#イギリスの戯曲
#1910年代の戯曲
まだらの紐

「まだらの紐」(まだらのひも、"The Adventure of the Speckled Band")は、イギリスの小説家、アーサー・コナン・ドイルによる短編小説。シャーロック・ホームズシリーズの一つで、56ある短編小説のうち8番目に発表された作品である。『ストランド・マガジン』1892年2月号初出。同年発行の短編集『シャーロック・ホームズの冒険』("The Adventures of Sherlock Holmes") に収録された。

1927年3月号の『ストランド・マガジン』で、ドイルはこの作品をホームズの短編の中で第1位に置いている。また、『オブザーヴァー』誌の読者による順位付けでもこの作品が第1位に置かれている。

物語は、1883年4月初めの事件と正典中に記載がある他、この事件の詳細を秘密にすることを約束した依頼人のヘレン・ストーナーが亡くなったために発表できるようになったとされ、依頼人のヘレン・ストーナーが事件の究明を依頼するため、朝早くにホームズの住居へ来たところから始まっている。

ホームズのもとへやってきたヘレンは不安と恐怖に支配され、依頼に来るまでの経緯として、家族のことを含む次のことをホームズに話した。

ヘレンの話を聞いたホームズは依頼を引き受け、亡きヘレンの母が遺した遺産について調べた後、友人のワトスンと共にロイロット博士の屋敷へ調査に赴き(博士は外出中だった)、現在ヘレンが使っている部屋と隣のロイロット博士の部屋を調査したホームズは、次の内容を始めとするいくつかの不審な点を目にする。
調査で何かを感じていたホームズは、ヘレンに一刻の猶予も許さない命の危険があることを言い含めた上で、その部屋で何が起こるのかを確かめるべく、密かにヘレンとホームズが入れ替わって寝ずの番で調査することを約束する。

約束通り、ヘレンと入れ替わって寝ずの番をしていたホームズとワトスンは、すっかり夜がふけた頃、ヘレンの話にあった口笛の音を聞く。さらに妙な音を聞いたホームズは、突如マッチに着火するなり、ステッキで呼び鈴の引き綱を打ち付ける。すると、その少し後に隣のロイロット博士の部屋から、この世のものとも思えぬ断末魔の叫び声が聞こえて来た。ホームズとワトスンが博士の部屋に入ると、博士の頭にはまだら模様の毒蛇が巻き付いており、博士はその毒蛇に咬まれて絶命していた。

全ては、ストーナー姉妹が結婚する際に渡されるべき母の相続財産を独占するために、姉妹を殺そうとしたロイロット博士の計略であった。凶器は、博士が密かにインドから取り寄せた「インドで最も危険な毒蛇」。それがジュリアが死に際に言い遺した「まだらの紐」の正体であった。博士はこの毒蛇を金庫の中に隠して密かに飼っており、通風孔から呼び鈴の紐を伝って蛇を隣室へ入り込ませ、ベッドの人間に咬み付くように訓練していたのである。さらに、博士はこの犯行を他人に気付かれないよう、口笛の音を合図に蛇が再び博士の部屋へ戻るようにも訓練していた。無論、この殺害方法は1度で成功するとは限らないが、それでも何度か繰り返せばいずれ被害者が蛇に咬まれることは確実である(2年前にジュリアが聞いたという口笛の音は犯行に失敗した時のものだった)。2年前、ベッドが床に固定されていて呼び鈴の紐の真下で眠らざるを得ないジュリアは、ロイロット博士が夜中に通風孔から送り込んだ毒蛇によって殺されたのであった。それに続いて博士はヘレンも同じ方法で殺すため、ヘレンの結婚が決まった際にわざと屋敷の改築工事を始め、ヘレンが問題のベッドで眠らざるを得ないように仕向けたのである。しかし、密かにヘレンと入れ替わったホームズにステッキで打たれた蛇は、驚いて博士の部屋に逃げ戻り、相手かまわず飼い主の博士に咬み付いたのである。皿のミルクは蛇を手なずけるための餌であり、先の部分が輪の形になった鞭は蛇を安全に捕まえるための道具であった。

原題は『The Adventure of the Speckled Band』である。英語のbandには大別して「一団・群れ・楽団」などの意味と、「ひも・帯・ベルト」などの意味の二つの系統がある。タイトルを読んだだけでは、イギリス人の読者にはこのbandがどちらの意味を持っているのか判断できない。作中では露営しているジプシーの一団が登場し、被害者のダイイング・メッセージが「band」であったため、この「ジプシーの一団 (band of gy...

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