地歌《磯千鳥》 Jiuta ''Iso chidori''

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2011年8月8日求道会館で開催致しました「第55回 藤本昭子地歌ライブ」より、地歌《磯千鳥》(歌・三弦:藤本昭子、歌・箏:渡辺明子)。
Akiko Fujimoto (voice, sangen), Akiko Watanabe (voice, koto) play Jiuta ''Iso chidori'' at Kyūdō Kaikan, 8 August 2011.

 地歌界のヒットメーカーとして知られる菊岡検校作品の中にも、小曲から大曲に至るまで、また、派手な曲、地味な曲などバラエティーがあります。一メリ物の《磯千鳥》は、比較的地味な曲とされています。
 追善曲でもあるこの曲は、前歌、後歌ともにしっとりと情緒的に聴かせなくてはなりません。けれども、それに比して手事は三弦、箏ともにとても技巧的で派手な手が付いています。菊岡・八重崎の名コンビ!ならではの魅力を感じます。
 母は、この《磯千鳥》と同じく一メリ物の《今小町》はとても難しく、弾きごたえのある曲と言っておりました。また、お稽古で特に注意されたのはお箏の弾き方でした。三弦先行、箏先行と入れ替わる掛け合いや合いの手など、ピタッと寄り添いながらもちゃんと主張する。「決してうるさくならず、しっかり弾きなさい」とよく言っておりました。母のお箏はいつも鮮やかで艶やかでした。

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