ビッグモーターをパワハラで提訴 「店長おりろタコ」元店長うつ病に “実権握った”前副社長「損保ジャパン」とのつながりも【news23】|TBS NEWS DIG

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保険金の不正請求が明らかになったビッグーモーター。「店長降りろ、タコ」「稼がないと価値がない」など、社内のLINEグループで暴言を吐かれた元店長はパワハラがあったなどとして会社を訴えていました。

■「店長おりろタコ」パワハラで提訴も…

井川翔馬(いがわ・しょうま)さんは、2019年から約2年間、岐阜県の各務原店で店長を務めていました。

店長就任を喜ぶ井川さんが父親に送ったメッセージ(2019年6月26日)
「岐阜県各務原店の店長に昇格しました!」

ところが、仕事が原因でうつ病を発症し2021年6月に解雇。その後、2022年9月24日に交通事故で亡くなりました。29歳でした。

井川さんの父親
「翔馬がうつ病になって休職にならずに、健康なまま各務原店で能力を発揮していたとするならば9月24日というのは、私たち夫婦の結婚記念日なんですけど、そのタイミングでああいう死に方はしなかっただろうと。そう思うと悔しいです」

解雇されたあと、パワハラや残業代の未払いがあったとしてビッグモーター側に約2000万円の支払いを求める訴えを起こしていた井川さん。

LINEグループでは営業成績をめぐりこんな暴言をはかれていました。

「ふざけてんじゃねーよ」
「日本語大丈夫?」
「会話すら成立しないなら店長下りろタコが」

さらに他の社員に対しても…

「適当な仕事すんなクソタコ!!!!!!」
「マジでクソすぎる!!!ポンコツ!!!!!!」

井川さんの父親
「どう考えても常識的な言葉遣いではないし、あれを指導というのであれば、何が暴言なんだという話ですよね。苛烈なプレッシャーがあったんだろうなと感じています」

またLINEには兼重前社長のものと見られるメッセージも。

兼重宏行社長のLINEメッセージ
「井川さん、利10万円では端から商売にならない!!目標は@50万だけど、最低でも30万円稼がないと価値がない!」

こうしたプレッシャーの中で、井川さんは一定の成果が出るまで残業を強要されていたといいます。

父親はビッグモーターに対し…

井川さんの父親
「親の気持ちとしては『つぶれてしまえ』と思いますよ。株式をしっかり押さえたまま辞任会見して、どうなのかと憤りも覚えましたけれども、ただ、翔馬のことを思うと従業員を大切にする、お客さんを大切にする。そういう会社に生まれ変わって、立ち直ってほしいと思うようにしています」

■前副社長が一時在籍 損保ジャパンとの関係は?

社員に“厳しいノルマ”の課し、不正を繰り返してきたビッグモーター。

とりわけ、降格処分を連発するなど現場に強い圧力をかけていたとされるのが…

ビッグモーター現役社員
「実態(実権)を握っていたのが副社長をトップとするもう1つの派閥のような形だったので」

兼重前社長の息子で副社長を務めていた宏一氏です。経営に深く関与していたとされる宏一氏から未だ説明がないことには憤りの声も上がっています。

ビッグモーター 元整備部門責任者
「率直に言うと呆れですよね。当時、実質社長をしていた副社長が会見に出てこないと…」

その宏一氏をめぐっては、「損保ジャパン」との“深い”繋がりも明らかになっています。

宏一氏は2011年4月から2012年6月にかけ、「損保ジャパン」の前身企業である「日本興亜損保」に在籍。

損保ジャパンからビッグモーターにはこれまで37人が出向していますが、出向は宏一氏が在籍していた2011年から始まったと言うことです。

損保ジャパンは一連の対応を検討するため、外部の弁護士による調査委員会を設置したと言うことです。

■“いびつな企業風土” ビッグモーター問題相次ぐ

小川彩佳キャスター:
松谷さんは企業のデジタル化を支援される中で、日米の多くの企業をご覧になってきましたけれども、その中でこのビッグモーターについて思われることありますか。

D Capital取締役 松谷恵さん:
いろいろな問題が報じられていますが、こういった状況になるまで大きく露見しないという体制・組織が非常に問題だろうなと思います。

小川キャスター:
明らかになるまでに、まず時間がかかりすぎですよね。

D Capital取締役 松谷さん:
こんな状況になるまで明らかにならない。それは組織とか体制が非常に問題であることが多くて、北米と比べて一般的に日本の企業では、いわゆるコーポレートガバナンス(企業統治)と言われるものが整っていない割合が多いと言えるかと思います。

でも、昨今は本当にいろいろなデジタルツールがありまして、企業の中で起きているあらゆることをデジタル化、データ化して、経営陣もより細かく現場で何が起きているかというのを把握しやすくなっているこの時代において、逆行しているというか、本当に経営陣が現場を理解していないというのはあり得ないと考えております。

小川キャスター:
ビッグモーターは深刻な問題に至ってしまいましたけれども、ここから日本の企業が抱える基本的な課題も浮かび上がってくるということになりますね。

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