トウキョウビルディングポップ

似たようなビルや歌や言葉が並ぶこの街の
203号室の窓から飛びこんできた稀有な粒
創造性の信憑性はさだかではないので
ネットに浮かぶもくずの模倣を疑っていく

定型文の羅列にせいせいした電脳世界
機械のほうが気の利いたセリフを回している
個性と多様性の境目は果たしてどこに？
目にも映らぬ怠惰な態度で今日もくらりと過ごしてく

感動してしまった昔の曲で
量産型の私は今日も心を動かされた
EQみたいなビルの下
誰にも頼らず話は進んでいく

トウキョウビルディングポップのしょうがない毎日で
偶発性を狙って放り投げられていく
動物的で原始的なリズムに乗っかって
予防的なデータの収集は今日も熱を帯びていく

いつの間にか個性は高機能のコンプが刺さってて
とがった部分はまたスレッショルドかけられてしまう
昔想像した未来都市に私たちは住んでいて
そんなにいいものでもないかもよって伝えてみる

合理的な思想の結末はきっと
結局　量産型99％のその他1％で
顔をあげてみたら　同じ顔と声と夢で
声高らかに権利だけを求めていた

頭の中に降ってくるこの埃みたいなイメージは
近々集合できる限界の堆積
びびっとマシュマロかじって伸ばして
ここぞのミネルバまどころしいのよ不安定

トウキョウビルディングポップのしょうがない毎日は
偶発性を狙って放り投げられていく
動物的で原始的なリズムに乗っかって
予防的なデータの収集は今日も熱を帯びていく

朝焼けの差す誰もいないガラスの下を
眠らない私だけが影を作る
誰も起こさないように進もうぜ
試みが見つかってしまわないように

トウキョウビルディングポップのしょうがない毎日で
偶発性を狙って放り投げられていく
動物的で原始的なリズムに乗っかって
予防的なデータの収集は今日も熱を帯びていく