日本における近代的定位の根源〉本論第四章:近代国家の青写真                第十六回:条約改正交渉の失敗と国家モデルの探索(その1)

Описание к видео 日本における近代的定位の根源〉本論第四章:近代国家の青写真                第十六回:条約改正交渉の失敗と国家モデルの探索(その1)

前野佳彦略歴:1953年 福岡県生まれ。哲学者・詩人・絵本作家。著書・訳書多数。
本講座のテクストとキーワードは、以下のわたしのHP〈絵本の森・哲学の森〉からダウンロードできます。
前野佳彦Offical Homepage〈絵本の森・哲学の森〉:
http://www.muse.or.jp/ehonnomori/phil...

さて、本論第四章:近代国家の青写真 の第十六回(その1~4)では、いよいよ明治国家がスタートした直後の明治四年末、日本政府の要人たちの約半分が、米欧回覧と称されるアメリカとヨーロッパの視察にでかけることになった、その当時の状況と経緯、そして成果についてお話しします。
近代国家日本を成立させるためには、まず集権化を実現し、それまで特権階級だった士族たちを四民平等の枠組みに組み込んでいく必要がありました。つまり士族身分を解消し国民国家の中にソフトランディングさせることが不可欠だったのです。このような近代化政策のキーパーソンとして多くのアイデアを持ち、多くの重要な政策決定に際してハブとなった人物は木戸孝允でした。彼はどちらかと言えば幕末維新史のなかでは影の薄い存在ですが、この第十六回の四回の動画ではしばしば触れることになります。
そしてまた、この米欧回覧に参加した要人たちが、すでに蘭学以来、つまり黒船来航以前から、西欧文明の科学的知識を得ていたこと、また幕末に出版された福沢諭吉の『西洋事情』など優れた啓蒙書によって西欧社会の制度面や社会習俗についてもある程度の実態を把握していたことが、彼らの視察の成果を非常に意味深いものにしました。
今回のその1では、米欧回覧の所期の目的であった条約改正は不首尾に終わったものの、彼らがその後も貪欲に西欧世界の視察を続け、その成果が明治日本の国民国家創成に大きな役割を果たしたことについて概観したいと思います。

この米欧回覧の記録として本講座をご視聴の皆さんにも是非お勧めしたいのが久米邦武著『米欧回覧実記』(岩波文庫全五冊)です。文章は少し古めかしく現代人にとっては読みにくいのですが、この記録は実に多くの示唆に富む体験と観察を記述しており、近代日本の出発点において日本が置かれていた現実的な位置とその後の明治国家の施策、そして憲政史を考える上で不可欠の史料です。

本講座へのご意見は、以下のアドレスにお寄せいただければ幸いです。
できるだけ目を通し、今後の方向づけに役立てたいと思っています。
email: [email protected]

Комментарии

Информация по комментариям в разработке