もしクマに遭遇したら…最後の手段は「撃退スプレー」全国で相次ぐクマ被害 2007年度以降で最悪ペース (2023/10/31

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全国で、クマによる被害が連日報告されています。
関西でも出没が相次いでいます。クマによる被害に遭わないために、私たちはどうすれば良いのでしょうか?

■全国で相次ぐクマの目撃情報

10月29日、北海道で目撃されたクマはカメラに気づいても逃げません。私たちが生活するすぐそばでクマは相次いで目撃されています。

10月30日、午後11時25分頃には、富良野行きの1両編成の普通列車がクマと衝突しました。クマの生死がわからず、乗客5人は夜が明けて、クマが死んでいるのが確認されるまで、約7時間にわたり車内で過ごしました。

北海道では66頭ものウシを襲ってきたヒグマOSO18が駆除されるなど、クマの被害は住民を恐怖に陥れてきました。

環境省によりますと、クマによる被害にあった人は今年9月までに全国で109人にのぼります。

これは記録が残る2007年度以降で、過去最悪のペースです。

秋田県では取材班がクマの親子に遭遇しました。

さらに、長野県の柿畑で撮影された映像には、柿を目当てに集まったとみられる複数のクマの姿が映っていました。クマが立ち去った後には肉球の跡がくっきりと残っていました。

死亡事故などもあり緊急点検を行うなど対策が行われています。

■関西でもクマが身近に表れている

クマの目撃は関西でも…

【記者リポート】
「昨日夜、滋賀県大津市の民家の目の前でもクマが目撃されたということです」

【クマを目撃した住民】
「すぐ目の前にいたんです。目があったんです、ぱ~ってあっちに逃げていって。ほんとにびっくりして。体長1メートルぐらいでまんまるでした」

■クマの対策グッズも売り上げを伸ばしている

クマの対策グッズも売り上げを伸ばしているといいます。

【記者リポート】
「アウトドア用品店にやってきました、ここで人気のクマ対策グッズが笛と鈴だということで、種類もたくさん並んでいます」

人の気配を感じさせるために音が鳴る鈴や、鈴よりもさらに大きな音を出すことができるグッズなど、そもそもクマを寄せ付けないためのアイテムが取りそろえられています。

それでも、もしクマに遭遇してしまった時は…

【モンベル広報部 渡辺賢二さん】
「こちらが熊スプレーです、10メートル以内に近づいた時に発射するものです。トウガラシのかなり濃い強い成分なので、肌についたらかなり痛いものですので、嫌がって一目散に退散する。最後の手段として撃退するスプレーです」

最後の手段ということあって、値段も高価ですが、こちらも、一時在庫がなくなるほどの売れ行きだそうです。

【モンベル広報部 渡辺賢二さん】
「最近だと通学路とかにクマが出没するということで、学校単位で購入されることにまでなっています。特に今年は被害に伴って、2022年の1.2倍近く売れている」

■今年は比叡山での目撃が増えていて被害も

関西でも今年クマが人に危害を加えるケースが…

15年前から比叡山に登っている鎌田東二さん(72)は、今年の山の日に京都市左京区の比叡山でクマに襲われ大けがをした女性を助けました。

いつものように登山口から登り、30分ほど歩いた辺りで…

【鎌田東二さん(72)】
「尾根の向こうから助けてって声が3度聞こえてきて、『クマに襲われた』っていうやりとりを尾根越しにしましたので。(目撃情報はあっても)襲われたってのは聞いた事ありませんから、”まさか”という思いはしましたね」

15分から20分かけて、沢を3つ越えて登った尾根で、叫びながら下ってきた青ざめた女性を見つけたということです。

【鎌田東二さん(72)】
「ものすごい緊張感がありました。血が出てますからね、3カ所から。指をかまれて。耳はひっかき傷が、かなり血がタレ落ちていて…」

血が流れる腕には、クマが爪を刺した跡がはっきり見てとれたそうです。

京都府などによると、女性を襲ったのは子グマを連れた体長150センチほどのツキノワグマだったそうです。トレイルラン中に登山道から外れた道を走っていたところで襲われました。女性は幸い、意識はハッキリしていて鎌田さんは救急隊に引き渡したということです。

この山道はトレイルランやハイキングだけでなく観光で来る外国人も多いそうで、鎌田さんは府などに頼み、4カ国語で注意を促す看板を設置してもらいました。

■クマ対策はクマに存在を知らせること

登山客も対策しているようで…

【毎週登っている人】
「鈴と笛持ってます。“(クマに)これから通りますよ~”言うて、笛を吹いたりしてるんですけど」

京都府では20年前より3倍以上クマが増えたとして、2021年から保護対象だったクマに対し、狩猟による捕獲を解禁しました。

京都府内の今年度の出没情報を見ると、山だけでなく、住宅地での目撃情報も出ています。

【京都府農村振興課 藤井伊参事】
「今年は目撃が多いですね。今年の状況を見ると、過去と比べて比叡山の所ではちょっと出没情報が多いですね」

京都府全体の数は例年と変わりませんが、今年は、かつて出没しなかった比叡山エリアに出てくるようになったそうです。

【京都府農村振興課 藤井伊参事】
「寒くなれば減るんですけど、今1年の中で1番多い月ですね。クマがいる可能性があるという前提で鈴をつけたり、ラジオ鳴らすとか、自分の存在をクマに知らせていただくと」

10月31日、国の対策会議が開かれました。

【環境省の担当者】
「今シーズンはクマの出没を踏まえて、クマ対策の専門家をクマ出没地域に派遣して、出没対策の指導・助言を行っていただきます」

トレッキングやハイキングに最適な今の季節。クマが出没するかもしれないと思って、まずは個人でできる対策を行ってください。

(関西テレビ「newsランナー」2023年10月31日放送)

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