どう変わる?子どもを産む選択~不妊治療の保険適用拡大へ~

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世の中の様々な問題を女性の視点から皆さんと一緒に考える新コーナー「ウーマンタイムズ」。初回は4月から保険適用が拡大する「不妊治療」について。
“毎回生理が来るたびに落ち込みまして”
“自分が不妊治療をやめようと思ったからやめたので”
不妊治療を経てそれぞれの選択をした杉山愛さん・吉田潮さんと、「子どもを産む選択」がどう変わるか考えます。

■不妊治療を経験した二人と考える“子どもを産む選択”

不妊治療を経験した元プロテニスプレイヤーの杉山愛さんとコラムニストの吉田潮さん。
吉田さんはガラス針などを使って卵子に精子を注入する「顕微授精」を行い、妊娠陽性となったものの流産。その後、不妊治療をやめて“子どもを産まない選択”をしました。

一方、杉山さんは人工授精から体外受精へと切り替えます。その決断を後押ししたのは、母親からのある言葉でした。

■「これが正解」で「これが駄目」はない 杉山愛さん

不妊治療を経て出産 杉山愛さん(46):
「人工受精から体外受精に進むそのプロセスに恐怖心を感じてたんですよ。やっぱり『これで駄目だったらもう駄目です』って言われちゃうのが怖い。ステップアップすることにすごくためらいがあって1年ぐらいゆっくりしてる間に母から私に電話があって、『愛ちゃん、やらないの?』みたいな感じで。私はすごいためらってたんですけど『何か愛ちゃんらしくないじゃない、やってみれば、駄目だったら駄目でいいじゃない』って言われた時に、そうだなって。駄目で何が悪いんだって、やってみたら、どうなるかわからないし、最後までやってみて駄目だったらそれでいいじゃん。それこそ2人で歩めばいいじゃん。それでポンとなんか押された感じで」

子どもを産まない選択 吉田潮さん(49):
「その一言がすごくいいと思います。『2人で人生を楽しめばいいじゃない』って、そこですよね。『子どもを産むことだけが幸せじゃないよ』っていうことをちゃんとお母さんは言ってくれたんですよね。そこだと思います」

小川彩佳キャスター:
「それが心を楽にしてくれた?」

不妊治療を経て出産 杉山愛さん(46):
「すごく楽になりました。でもそうだなって思ったんですよね。本当にその人がその人らしく生きていく、自分の生きたいように選択していくのがやっぱり一番素敵なことだと思うので『これが正解』で『これが駄目』はないんですよね」

■「自分が主語」になればいい 吉田潮さん

一方、吉田さんも“子供を産まない選択”に至るまでには様々な出来事があったといいます。

小川彩佳キャスター:
「吉田さんは、精神的な負担、体の負担とどう向き合って来られましたか?」

子どもを産まない選択 吉田潮さん(49):
「1回、愛さんと同じで稽留流産っていう心拍が見えないで、胎のうだけしか育たなかったっていうことで、中絶(流産)の手術をしたんですけど、それがつらすぎた。また最初からやらなきゃいけないんですよね。自分の卵子を採って精子をかけて、育てて、保管料もかかりますし、40~50万かかることをまたやろうとは思えなかった。できなかった。自分は産めない『不全感』みたいなもの。不全って嫌な言葉だなって自分で言っても思うんですけど、どこかで私の中に『女は産んで当たり前』みたいなものの思い込みとか刷り込みがあったんだなあと。今なら思えるんですけど、やっぱりその時は、『自分にできないことがある』という不全感。世の中『努力は報われる』って必ず言うじゃないですか。でもね、『できないこともある』んですよ。ある程度自分で咀嚼して、飲み込むしかなかったかなみたいなとこですかね」

小川彩佳キャスター:
「どう咀嚼できた?」

子どもを産まない選択 吉田潮さん(49):
「女性であるが故に色々と『何々すべき』とか、『こうあるべき』みたいなものが常につきまとってるなという気はしていて、もっと言うと『恋愛するべき』『結婚するべき』『介護するべき』。だから『自分が主語』になればいいんだなって考えたら、なんかこう腑に落ちるというか。不妊治療だって自分がやりたいからやって、もう自分がやめようと思ったからやめたので、誰かに言われてやったことではないから自分でも納得してるんですよね。自己完結というとすごい嫌な言い方ですけど、自分の中では何かこうすっきりしたかなみたいな部分はありますよね」

小川彩佳キャスター:
「やめるというところに至るまでですよね。なかなか振り切るのも難しいんじゃないかなと思います」

子どもを産まない選択 吉田潮さん(49):
「難しいと思います。30代後半から40を過ぎてからもまだ続けている方は結構いると思うんですけど、やめ時が分からない。自分で答えを出すしかないんですよね」

小川彩佳キャスター:
「吉田さんはそういったご自身の気持ちに折り合いをつけるまではどのくらいの時間がかかりましたか?」

子どもを産まない選択 吉田潮さん(49):
「39歳で(不妊治療)はじめて、止めて、42歳か43歳ぐらいまではモヤモヤしてたと思います。もう今年50歳ですけど、すっかりいま忘れています。久しぶりにこのお話が来て、そういえば私、泣いたりしていたんだなって懐かしく思ってます」

■不妊治療の保険適用拡大 体外受精は8万円程度の負担で収まることも

肉体的にも精神的にも負担を伴う不妊治療ですが、2022年4月から保険適用が拡大され経済的な負担は軽減されます。適用される治療法は「人工授精」「体外受精」「顕微授精」などで、これまで全て適用外だったため大きく変わります。人工授精は年齢制限なし。体外受精や顕微授精は、子ども1人につき、女性の年齢が治療を始める時点で、40歳未満なら最大6回、40歳以上43歳未満なら最大3回となります(※胚移植まで行った場合の回数制限)そして、事実婚のカップルも対象になります。

具体的な金額で言うと例えば、体外受精は1回に平均50万円ほどかかるところ、保険適用で原則3割負担、つまり15万円前後になります。さらに、年収がおよそ370万円から770万円の場合は高額療養費制度を使うことができ、8万円程度の負担で収まる収まる見込みです。

■保険適用は「光と影」「制度は整ったが理解ある社会になって欲しい」

小川彩佳キャスター:
「お2人は保険適用についてはどのようにお感じになってますか?」

子どもを産まない選択 吉田潮さん(49):
「『光と影』があるような気がしているんですけど、光というのは、安くなったので幅が広がりますよね。選択できる方が増えるということですよね。だから、そういう意味では光が当たっていいなとは思うんですが、ハードルが下がるというか、
そのことによって余計なプレッシャーがまた女の人にかからないかなとか『不妊治療が保険適用になったんだってあなたやってみなさいよ』なんていう話が、もしかしたらその人を傷つけたりしないかなとか」

小川彩佳キャスター:
「おっしゃるように陰の部分、女性へのプレッシャーというのは更にのしかかる可能性はありますよね」

不妊治療を経て出産 杉山愛さん(46):
「制度は整いましたけど社会全体のウェルカム度と言いますか『治療が始まる』『治療ができる』『治療してますよ』と皆さん言いたくはないかもしれないんですけど、言っても問題がない、少し柔軟な対応であったり、やっぱりそれだけ柔軟な対応が求められますからね、治療というのは。だからそれが社会全体が理解あるような優しい社会になって欲しいなっていうのも、これと同時に思います」

■「自分がどうしたいか」「不妊治療をやったからこそ言えるようになった」

小川彩佳キャスター:
「保険適用をきっかけにこれから妊活を始めようかなとか、不妊治療を始めようかなというふうに思う方もいらっしゃるでしょうし。どんな言葉を送りたいですか?」

不妊治療を経て出産 杉山愛さん(46):
「『自分がどうしたいか』というのが大事なところなんですよね。やっぱり『悔いなく』というのが本当にキーワードになると思うので『あの時ああしてれば良かったな』が少なければ少ないほどやっぱり良いなと思いますし、悔やまれるのは嫌ですよね」

小川彩佳キャスター:
「『自分がどうしたいか』を問いかけてきたかなって私自身も振り返って。もしかしたら、自分の母親が、父親が、友達が、世間がというところに囚われていたところがあったのかもしれない」

子どもを産まない選択 吉田潮さん(49):
「『産まない』選択肢を持っている女の人たちもちゃんと自分の意見として、それを言えるようになるといいなとは思いました。『自分』が主語で女性が何か言えない社会がまだまだあって、まだまだ『私はこう思う』ということが言いにくい世の中ではあるんです。世間が『女は子どもを産んで当たり前』と思っているからなんですよね。なんかそこの温度差みたいなものとかを不妊治療やったからこそ言えるようになったという部分もあるんですけど。『産まない生き方』を決めたということは、ガンガン言っていこうかなとは思ってます」

小川彩佳キャスター:
「本当にもっと多様であっていいと思いますし、もっと多様であることが口外できる、それを気をつかわず発信できる環境があったらいいなというふうに改めて感じますね」
(24日21:00)

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