【トップのセクハラ相次ぐ】“頭ポンポン”NGのワケ ハラスメントを防ぐコミュニケーション5か条【

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自治体や企業のトップによるセクハラやパワハラが相次いでいます。99のセクハラ行為が認定された岐阜県内の町長は29日、辞職届を提出しました。誰もその人に注意できない環境では、ハラスメントの危険性が高まります。気をつけるポイントを考えます。

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そこで今回の#みんなのギモンでは、「繰り返される『不適切』…どうすれば?」をテーマに、次の2つのポイントを中心に解説します。

●トップのセクハラ・パワハラ…相次ぐ
●「頭ポンポン」どこがアウト?

■町長辞職へ…「有終の美を飾れず残念」

鈴江奈々アナウンサー
「少なくとも99のセクハラ行為などを指摘されていた、岐阜・岐南町の小島英雄町長(74)が29日、辞職届を提出しました」

「『有終の美を飾れなかったのは残念ですが、今まで頑張ってやってきたことは自分でも認めていますし、支援者の人も認めておられますのでいいなと』。小島町長はこう語りました。議会にはかられ、町長は3月5日に辞職することになります」

■福岡の市長、ENEOSのトップらも

「自治体や企業のトップがセクハラやパワハラで問題になる事態が繰り返されています。この1か月を振り返ってみると、2月16日、福岡・宮若市でパワハラ発言などが問題になった塩川秀敏市長(75)に対して、議員から不信任決議案が出されました」

「この決議案は否決されましたが、『耐えきらんかったら辞めろ』とか『今日は化粧してないのか』といった発言に厳しい目が向けられています」

「石油元売り大手ENEOSでは、グループ会社JREの前会長が、飲み会で女性の体に触るといったセクハラ行為を行うなど、今年、去年、一昨年と3年連続でトップがセクハラで退くという異例の事態になっています」

■認定されたセクハラ行為の中身は?

鈴江アナウンサー
「そして29日に岐南町の小島町長が辞職届を提出しましたが、第三者委員会は少なくとも99のセクハラ行為を認定しています」

「会うたびに頭をポンポンと触られた、『赤ちゃんみたいな手してるね』などと手の甲を30秒くらいにわたってさすってきた、スカートをはいている女性職員に『その下は何かはいとるんか』と聞くなどの行為がありました」

市來玲奈アナウンサー
「本当に信じがたい行為が数々あったんだなと思いますし、被害に遭われた方を思うと、つらかっただろうなと感じますね」

■街では…「声を上げられるのは大事」

鈴江アナウンサー
「繰り返されるパワハラやセクハラについて、29日、街でも様々な声が聞かれました」

50代
「上司の脇に座ってお酌をさせられたりとか、ボディータッチなんていうのは当たり前にあることだったので。声を上げられるってことは大事だと思います」

別の50代
「(以前上司が)肩を抱くとか、抱き寄せるみたいな。今みたいに、パワハラ・セクハラっていう言葉もなかったから。(今は)頭ポンポンはおかしいよね」

30代
「10年前くらいとか、学生の頃とかはあります。職場の上司はちょっと距離感が近すぎるかな。子どもいらっしゃる方とか、それはなしかなと思います」

辻岡義堂アナウンサー
「時代に合わせてどんどんアップデートしていかなければなりませんよね」

■「頭ポンポン」への小島町長の弁明は

鈴江アナウンサー
「もしかしたら、一連の報道を見て『私は大丈夫だろうか』とか『親しい方のセクハラやパワハラが心配になった』という人もいらっしゃるかもしれません。そこで『頭ポンポン』はどこがアウトなのか、というポイントについて考えます」

「岐南町の小島町長のセクハラ問題で、第三者委員会は頭をポンポンと触る行為をセクハラに当たると認定しました」

「これに対して小島町長は28日、『今はセクハラだと思っている』としながらも『私どもの時代は頑張った子、よくできた子は頭をなでてもらった。そういうつもりでやった』と述べています」

「職場での上司からの頭ポンポンは、何がダメだと思いますか?」

忽滑谷こころアナウンサー
「どういう意図があったにせよ、体に許可なく必要以上に触るというのは、やっぱり良くないことですよね」

■「性的行動だった」…第三者委の見解

鈴江アナウンサー
「そうですね。必要以上に、というところですね。岐南町の第三者委員会は『親愛や感謝、仕事に対するねぎらいを示すために身体に接触する必要はなく、不必要な身体接触行為で、性的な行動であったと認められる』と指摘しています」

「頭を触られた女性は不快に感じ、町長を避ける行動をしていた人もいました。職場環境に重大な支障を与えていたため、これがセクハラだと認定しています」

市來玲奈アナウンサー
「『自分が』とか『時代が』ということではなくて、相手がどう思うかなということをしっかり考えなければいけないですよね」

鈴江アナウンサー
「そこが大事な点ですよね」

■パワハラも…危険性が高まる環境は?

鈴江アナウンサー
「岐南町の問題では町長のパワハラも認定されていて、多数の職員に対して『懲戒』『クビ』『降格』などの言葉を伴ったどう喝があったとされています」

「こうした点についてハラスメント防止のアドバイスをしている日本ハラスメント協会の村嵜要代表に聞きました。今回の町長のように『誰もその人に注意できない環境』は、セクハラやパワハラの危険性が高まるとしています」

刈川くるみキャスター
「今回の件は特にひどいにしても、自分がいつ加害者になってしまうか分からない状況なので、気をつけた方がいいことはあるんでしょうか?」

■コミュニケーションのコツ5選

鈴江アナウンサー
「コミュニケーションのポイントをご紹介したいと思います。自分や周囲ができる5つのチェックポイントを村嵜代表に教わりました。

「アドバイスをする時に、『これが正しい!』と絶対的な口調になっていないでしょうか? 『○○しろ!』と命令口調で会話していないでしょうか? 相手に選択肢を与えて、強要しないことが大切です」

「職場やプライベートでも、相手を『お前!』『キミ!』と呼んでいないでしょうか? 大声で相手を威圧していないでしょうか? 長々と持論を一方的に話していないでしょうか?」

「話を聞いてくれない人、威圧的な態度をとる人に、話すのを控えるようになってしまいますよね。会話のバランスが悪くなると、本音も困っていることも言えないままになり、ミスを繰り返してしまうなど、職場で悪循環となってしまいます」

「コミュニケーションのあり方をぜひ皆さまにも見直していただきたいと思います」

「職場でも家庭でも、ハラスメントを減らすためにも、『今この言葉を発したら相手はどう思うのか』と、自分の感情のまま発するのではなく、いったん立ち止まって言葉選びをすることを心がけたいですね」
(2024年3月1日放送「news every.」より)

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