戦争を経て過去には反発も…“皇室外交”で取り戻した“特別な関係”両陛下訪英【報道ステーション】(2024年6月25日)

Описание к видео 戦争を経て過去には反発も…“皇室外交”で取り戻した“特別な関係”両陛下訪英【報道ステーション】(2024年6月25日)

イギリスを訪問中の天皇皇后両陛下が、国賓として公式行事に臨まれています。 

■ロンドン沿道に多くの市民

ウィリアム皇太子が、宿泊先のホテルに両陛下を迎えに行き、一緒に歓迎式典会場に向かわれました。

両陛下のパレードが行われる『ザ・マル』。開始の4時間ほど前、信号のクレーンで釣り上げられ、撤去されていました。両陛下を迎える詰めの準備が進められます。バッキンガム宮殿前には、すでにパレードを一目見ようと、日本人に限らず、多くの人々が集まっていました。

イギリスご訪問4日目の天皇皇后両陛下。この日が初めての公式行事です。体調を考慮し、休養していた雅子さまが、お姿を見せるのは初日以来です。

日本時間25日午後8時半ごろ。市内の2カ所で、それぞれ41発の礼砲が放たれました。
そして、天皇陛下は、チャールズ国王とともに馬車に乗り込まれました。雅子さまは、カミラ王妃とともに、一路、バッキンガム宮殿へ。雅子さまは、マスクをされています。イギリス側は「馬アレルギーのためマスク着用」と説明しているそうです。

両国の国旗に彩られた大通り『ザ・マル』。バッキンガム宮殿へ1キロの道のりです。陛下は、大きな歓声に笑顔で手を振り、バッキンガム宮殿に向かわれました。

当初、2020年に予定されていた公式訪問。しかし、コロナ禍で延期となり、招待してくれたエリザベス女王は、その後、亡くなりました。天皇陛下は、出発前の会見で「御存命中にうかがえなかったことが心残り」と語られています。

■天皇訪問 過去には反発も

155年に及ぶ交流の歴史を持つ日英のロイヤルファミリー。天皇皇后が国賓としてイギリスに迎えられるのは、3回目です。

昭和天皇と香淳皇后が訪問された1971年。
イギリス王室が、最大限の歓迎をするなか、ある事件が起きます。男性が、馬車に向けて、コートを投げつけました。

日本は、イギリスに対して暗い歴史を背負っています。
第2次世界大戦で戦火を交えた両国。旧日本軍は、捕虜にしたイギリス兵に強制労働をさせていました。命を落とした兵士も少なくありません。

戦後50年が過ぎた1998年。いまの上皇ご夫妻が、天皇・皇后として訪問されました。王室は、最上級の歓迎をしましたが、国民は歓迎ムード一色ではありませんでした。

パレードの車列に背を向ける元捕虜たち。

その後、エリザベス女王の主催で行われた晩餐会。
天皇陛下(当時):「戦争により人々の受けた傷を思うとき、深い心の痛みを覚えますが、この度の訪問に当たっても、私どもは、こうしたことを心にとどめ、滞在の日々を過ごしたいと思っています」

■“皇室外交”で取り戻した交流

こうしたご発言や、イギリス王室との交流が持つ意味を間近で見てきた人がいます。
恵子ホームズさんは、元捕虜を日本に招くなど、和解の活動を続けてきました。このときの晩餐会にも招かれ、上皇さまと言葉を交わしています。その後の元捕虜の反応は。

恵子ホームズさん:「天皇陛下(今の上皇さま)のことをよく言う人たちが多かったんです。(上皇さまが)心の痛みをおっしゃったんですけど、『謝ったよね』という人たちと『謝罪にはなってないよ』という人たちと両方いました。でも、多くの人たちは、陛下のお姿とかお話の仕方とか、言葉でずいぶん癒やされていったと思う」

日本の敗戦から79年。ロイヤルファミリー同士の交流は、着実に実を結んでいます。

バッキンガム宮殿に到着された両陛下。チャールズ国王主催の昼食会に臨まれました。

■笑みで約1キロ 馬車でパレード

イギリス王室などに詳しい、関東学院大学国際文化学部・君塚直隆教授に聞きます。

(Q.天皇陛下とチャールズ国王の雰囲気をどうみましたか)

君塚直隆教授
「今回、お二人とも国王・天皇になられています。本来、皇太子や王子の場合、相手が国家元首だと頭を下げなければいけませんが、今回は目を見合って握手をされて。バッキンガム宮殿までいらっしゃるパレードでもずっと馬車の中でお話になっていました。1970年に皇太子時代のチャールズ氏が訪日してから54年来のお付き合いですから、半世紀を超えるものがにじみ出ていますよね」


(Q.皇后さまとカミラ王妃はお二人とも白い服でしたね)

君塚直隆教授
「ヨーロッパの王室の場合、男性はモーニングで決まってしまっていますが、女性は自由がきくので、事前に『こういう色で出よう』ということができます。お二人とも似合ってらっしゃいましたね」


(Q.天気も良く、馬車はオープンカーでしたね)

君塚直隆教授
「イギリスは雨の国ですけども、今回は天気が一番良かったです。2019年当時、アメリカのトランプ大統領がバッキンガム宮殿に招かれた時は、セキュリティー面からヘリコプターで直接、バッキンガム宮殿の中庭に乗り込みました。その時、エリザベス女王も『芝生がめちゃくちゃだわ』と嘆かれたという話が残っています。今回そういったことがなく、皆さんに手を振られるのは良かったですよね」

■イギリス最高位“ガーター勲章”授与へ

(Q.午後8時半から晩餐会が予定されています。晩餐会の見所はどこにありますか)

君塚直隆教授
「私が個人的に注目しているのは、天皇陛下がなされる勲章です。昼食後にお互い勲章を交換し合って、贈り物を交換し合うというのが通例です。それぞれの国の最高勲章になりますが、イギリスの場合は『ガーター勲章』です。ガーター勲章は元々、キリスト教徒にのみ与えられるのが原則でしたが、19世紀ヴィクトリア時代に変更があって、20世紀になってからは非常に厳しい。エリザベス女王陛下は非常に儀礼に厳しい人でしたが、日本の場合、非常に特別な関係で結ばれていくということで、1906年に明治天皇がもらってからは、日本の天皇のみがキリスト教徒でないガーター勲章受賞者となります。明治、大正、昭和、そして今の上皇陛下。恐らく今回も、天皇陛下はガーター勲章を授与されるのではないか。一方、日本の側もおそらく今回『大勲位菊花大綬章』という最高勲章をチャールズ国王に、女性用の最高勲章『宝冠大綬章』をカミラ王妃に持って行っています。お互いの勲章をつけあって晩餐会に臨むのは、友人の証ということで、非常に重要な儀礼です」


(Q.1998年の晩餐会では、今の上皇陛下が「戦争」に触れられました。天皇陛下は今回、どのようなおことばを述べられると思いますか)

君塚直隆教授
「チャールズ国王も天皇陛下も戦後生まれですが、もちろん戦争のことは忘れないと。チャールズ国王のおことばでは戦争に触れられると思います。天皇陛下もより“未来志向”の話をするのではないかと。『今後、新たなる日英同盟を結んでいこうじゃないか』という声も最近ささやかれていますので、恐らくそういった言葉から、ご自身のオックスフォード時代の思い出や、チャールズ国王たちとの思い出などに重点が置かれると思います」

■155年の交流“特別な関係”

王室と皇室の交流を振り返ります。

昭和天皇は1971年、上皇さまは1998年に国賓としてイギリスに招かれていますが、ともに皇太子時代にもイギリスを訪れています。昭和天皇は1921年、初の外国訪問がイギリスでした。この時、国王ジョージ5世から「立憲政治の在り方について聞いたことが、終生の考えの根本にある」と後に述べています。

その後、第二次世界大戦で敵国となった日本とイギリス。戦後に即位したのが、エリザベス女王でした。当時、皇太子だった上皇さまは1953年の戴冠式に出席され、両国の交流が復活しました。

そして、現在の天皇陛下も、約2年にわたるイギリス留学中は王室メンバーとも交流されました。


(Q.日本とイギリスは民主国家ですが、伝統や威厳が大きな支えになっていることは、世界の民主国家のなかでも特徴的だと言えますか)

君塚直隆教授
「その通りだと思います。君主制は世襲的で一見すると民主主義とは矛盾するように見えますが、実はそうではなくて。今、混沌としている世界・政治のなかで、そういったものから超越している公正中立の立場。さらに、社会的弱者に手を差し伸べているのは各国の王室です。特に立憲君主制はそうです。日本やイギリスの場合もそういった存在がいてくれるから安定性・継続性が保てる。ジョージ5世は少年時代に明治天皇から歓待を受けています。そして、その孫である昭和天皇をジョージ5世が。さらには、昭和天皇側がジョージ5世の孫のエリザベス女王を。このように代々受け継がれている。これが立憲君主制の極意であって、私は“ソフトな外交”と呼んでいます。これは共和制ではハードな外交しかないので無理です。また、大統領や首相は任期があります。代々引き継いでいけるというのが、今回のイギリス訪問にも反映されています」

(Q.イギリス王室はSNS発信も盛んに行っています。日本の皇室もそこを良い意味で学ぼうとしていますが、今後どのようなことが必要になりますか)

君塚直隆教授
「イギリスの場合、ダイアナ妃事故からの教訓もありました。あるいはその前から、エリザベス女王はクリスマスメッセージを毎年、70年にわたってやってきて、今はチャールズ国王が引き継いでいます。国民にどんどん近付いて、自分たちの活動がどんなものかをSNSを通じて発信している。ヨーロッパの人たちもどんどん真似ています。ようやく日本でも今年の4月からInstagramを開始しましたが、これは重要なことです。天皇とは何か。国王とは何か。王室とは何かということを、国民にしっかり分かってもらう。それによって、より親しみも抱いてもらえますが、やっぱり理解を深められる。今回の訪問にあたって、色々とノウハウも聞いてほしいなと思います」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

Комментарии

Информация по комментариям в разработке