「手話こそ私の言葉」聴覚障害に理解広がる 高齢化する“通訳士”の育成は急務

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聴覚に障害がある人が安心して生活できる社会を目指し、福岡県は「手話を言語」と位置づけ普及を図る条例を施行しました。理解が進む一方、課題もあります。


◆生後3か月での難聴告知「診察室から出て泣いた」
福岡市中央区に住む河原美幸さん、長男・治馬くん(8)と、次男・匠真ちゃん(5)です。匠真ちゃんは生後3か月で「先天性感音難聴」と診断されました。

河原美幸さん「『難聴です』と言われびっくりして、診察室から出て泣いて……。その日がやっぱり一番落ち込みましたかね」

生後6か月の時に、初めて補聴器をつけた時の映像です。

「たっくん。聞こえた、お耳聞こえたね。よかった」

匠真ちゃんは、補聴器と人工内耳をつけて生活しています。母親の美幸さんが苦労したのが、保育園探しでした。保育園の担当者から突き放すような言葉もあったといいます。

河原美幸さん「『前例がないので無理ですね』と言われて」

福岡県が4月に施行した「手話言語条例」。聴覚に障害のある人が安心して生活できる社会の実現を目指して、手話を「言語の一つ」と位置づけ、普及を図ることを目的としています。条例には、聴覚障害のある人や家族が乳幼児期から切れ目なく相談できる支援体制の整備も盛り込まれています。


◆過去には手話が禁止された時期も
手話で職場の同僚とコミュニケーションを取る篠塚毅さんは、生まれた時から耳が聞こえず、ろう学校に通っていました。そこで禁止されていたのは「手話を使うこと」でした。

篠塚毅さん「学校のバスで友人と手話で話していたら『手話はだめだ』と怒られたことがあります。手話を使ったために罰を受けていました」

手話の代わりに行われていたのが、口の動きから言葉を読み取り発音する「口話教育」です。

篠塚毅さん「口話の発声の練習に時間を取られていました。そのために、国語や数学や理科だとか、普通の学校と比べたらすごく遅れてしまうんです。勉強したい、一般の学校と同じように学びたいのに。私はきちんと勉強を受けられなかった。本当に苦しい、残念だなあという気持ちがあります」


◆「理解は確実に広がっている」と実感
2016年には、障害がある人の要望には負担が重すぎない範囲で「合理的配慮」が求められると定めた「障害者差別解消法」が制定されました。篠塚さんも生活の中で変化を感じているといいます。

篠塚さんが月に2回訪れる整骨院です。話したことが画面に文字となって表示されるアプリを使ったり、ジェスチャーをしたりして、意思疎通しています。

篠塚毅さん「コミュニケーションの方法を工夫していただき、アプリを使ってやり取りし、手話通訳がいなくても筆談で通じることができる。安心して来られますね」


◆仕事として認知されていない「手話通訳士」
聴覚障害者に対する理解が進む一方で、それを支える手話通訳者の数は十分とは言えません。福岡県の「手話の会連合会」に現在登録している人は142人。その多くは、日中は民間企業で働き、夜間や休日に通訳の仕事をしています。

福岡県手話通訳士会 中島奈緒事務局長「プロ意識を持って手話通訳の対応をしていますが、それで生活ができているわけではありませんので、果たして『仕事か?』と言われれば、今の段階では仕事とは言えない状況です。社会的に職業としてなかなか認知されていないんだろう。条件的に待遇がよいとは言えないと思います」

民間企業などから手話通訳の派遣依頼も増えているといいます。ただ高齢化が進んでいて、若い世代の育成が課題となっています。

福岡県手話通訳士会 中島奈緒事務局長「50代以上がおそらく8割。若い世代が少ないので、5~10年後には今のメンバーだけではとても支えられない状況になるのでは。みんな心配しています」


福岡県は手話通訳者の研修会場をもう1か所増やして、育成を進めようとしています。


福岡県障がい福祉課 町田由紀子参事「足りないながらも一生懸命回してもらっているのが実状。通訳士を増やしていかないといけない、と認識はしています」


◆「いつでもどこでも手話を安心して使える環境を」
しかし、職業としての手話通訳士の認知度は高くありません。

福岡県手話通訳士会 中島奈緒事務局長「仕事として職業として認知される手話通訳士であってほしいな、と思います。ボランティアという域を超えないことには、この先『手話通訳士を目指そう』という方が増えないんじゃないか。手話がないと情報を得にくい方はたくさんいるので、必要な職業だと思います」

篠塚毅さん「私は、手話が第一言語です。市民のみなさんに手話を理解してもらっているか、というとまだ少ない。条例が定まって、みなさんに手話を知ってもらいたい。広めていきたい。いつでもどこでも安心して手話でコミュニケーションが取れる環境が広まればいいなと思います。手話ができる人が増えてほしいし、手話通訳も増やしていきたい」

難聴のある子供たちの未来を守るために、手話通訳の育成が急務です。

河原美幸さん「たくましい子供に育ってほしい。聞こえなくても聞こえても、いろいろある。聞こえないからいろいろ諦めるんじゃなくて、親も一緒に、たくましく生きていければ」

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