アウラングゼーブは何をした人？～宗教に熱心でアクバル大帝の政策をひっくり返した結果…【わかりやすく解説世界史】

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音声：AquesTalk

【概要】
見る人によって正反対の評価を受けるアウラングゼーブは、17世紀後半から18世紀初めのムガル帝国の君主で、彼の政策は歴史的に議論を呼んでいます。
彼は1618年に第5代シャー・ジャハーンとムムターズ・マハルの三男として生まれ、少年時代には象との戦いで勇敢さを示し、父から「バハードゥル（勇者）」の称号を与えられました。
しかし、彼は父の宗教寛容政策を手ぬるいと感じ、さらに父が長男ダーラーシコーばかりを寵愛することに不満を抱いていました。
17歳でデカン総督に任命されたアウラングゼーブは、その後も数々の任務をこなしましたが、1658年に父を幽閉し、デリーで「アーラムギール（世界を奪った者）」の称号を名乗り即位しました。
即位後、次兄シャー・シュジャーや長兄ダーラー・シコーを倒し、弟ムラード・バフシュも処刑することで内部の敵を排除しました。
その後、南インドのシヴァージー率いるマラーター王国との戦いに挑みましたが、シヴァージーとの対立は深まりました。
アウラングゼーブは厳格なイスラム教徒であり、イスラム法に基づく統治を行い、ヒンドゥー教徒やシク教徒に対して厳しい政策をとりました。これに対して国内では反乱が頻発し、財政の悪化や権威の低下を招きました。
アウラングゼーブはムガル帝国の領土を一時的に拡大しましたが、反乱や内紛に苦しみ、最終的には健康を崩し、1707年に亡くなりました。
彼の死後、ムガル帝国は急速に衰退し、18世紀から19世紀にかけてイギリスがインドで勢力を拡大していきました。