「日本の技術守って」“町工場”が一票に込める思い(2021年10月21日)

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衆議院選挙の投開票まであと10日。コロナ不況、原油高、技術の流出など、製造業はかつてないほどの危機に直面しています。「ものづくりの未来」はどこに向かうのか。熟練の技術者たちに1票に込める思いを聞きました。

日本の製造業を支える東京都大田区の町工場。この道67年の研磨職人、小野信太郎さん(90)は、航空機メーカーから依頼を受けてきましたが、コロナの影響で、航空機の製造が減り、売り上げは5割も減りました。周辺では廃業した工場もあります。

小野製作所・小野信太郎さん:「国として、それなりの方策を考えてやるべきだと思う。ずっとこのままで来ちゃったから、大田区の工場もなくなるはめになった」

小野さんは「この工場は自分の代で閉める」と決めています。コロナで受注の回復が見込めないからです。

小野さんが一票に込める思いとは。

小野製作所・小野信太郎さん:「ものつくりで生計を立てなければいけない。ものつくりが、つくるものがなくなったらアウトじゃない。困っている人が困らないように、手当はやるべきことはやってほしい。中小企業にちゃんと手当てをして、やるべきことをきちんとやってくれる政党に入れたい」


自動車部品の製造を行う会社では、コロナの影響で売り上げは8割減りました。さらに、厳しい状況は続きます。

日進工業・竹元盛也代表(59):「私たちはプラスチックの成形が本業。材料は石油精製物なので、原油が上がったといわれてから、早ければ2~3カ月、遅くとも半年以内には値上げラッシュがやってくるのかなと」

世界的な経済活動の再開で原油価格が高騰。その影響が直撃しています。自分でどうこうできる問題ではありません。

日進工業・竹元盛也代表:「自分にコントロールできないことばかり。日本は資源がないと言われている。そこ絞られたら、息の根が止まる」

竹元代表が一票に込める思いとは。

日進工業・竹元盛也代表:「有効かつ迅速な経済対策ができる人に一番期待したい。それと外交。これはセット。どっちかが欠けてもだめ。トップ営業を、エネルギー政策についてはするべきだと思う。大臣に任すのではなく、自分(総理)が出かけて行って、例えばアラブのトップとひざを突き合わせて話して、必要な量を確保するなり、価格交渉するなりやるべき」


鷲津製作所の伊奈勲さんは、この町で60年、精密機器などの金属加工を行ってきました。

報道ステーションでは、10年前にも伊奈さんの工場を訪ねていました。

伊奈勲さん:「自分の持っているノウハウを、日本人同士で教えるのはいいけど、海外まで行って教える気にはなれない。日本人である以上は、日本の国を守りたいから」

改めて聞いてみました。

伊奈勲さん:「人間は、お金を出してくれる所には皆行ってしまう。そうではなく、日本なら日本、個人なら個人で、技術を持っていたら、それを守り切ること」

人材流出の状況は変わっていないようです。

伊奈さんが一票に込める思いとは。

伊奈勲さん:「技術っていうのは、1年や2年で覚えることもできないし、下手すりゃ何十年ってかかる。それを国がちゃんとサポートする。研究するところには、それなりのお金を出し、国が守る」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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