チェット・ベイカーが一瞬で空気を変える演奏シーン/映画『マイ・フーリッシュ・ハート』本編映像

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【1988年、アムステルダム。突如、謎の死を遂げた伝説的JAZZミュージシャンの光と影。孤高の天才チェット・ベイカーの、知られざる“最期の日々”を辿る―。『マイ・フーリッシュ・ハート』

チェットに関するリサーチに3年の歳月を費やした、オランダの新鋭、ロルフ・ヴァン・アイク監督が撮り上げた本作は、チェットの“最期の数日間”に焦点を絞った野心的な長編デビュー作。主役を務めるのはアイルランドの伝説的ロックバンド「TheWalls」「The Stunning」のボーカルとしても活躍する俳優・ミュージシャンのスティーヴ・ウォール。ジャズの歴史に輝かしい功績を残したチェット・ベイカーは、なぜ異国オランダの道ばたで無残に息絶えたのか。

この度解禁する本編映像は、名曲「アイ・キープ・ユー・クロース・トゥ・ミー」をチェット・ベイカーが演奏するシーン。

演奏予定だった「アズ・タイム・ゴーズ・バイ」ではなく「気分を挙げよう」と、スタジオミュージシャンに「アイ・キープ・ユー・クロース・トゥ・ミー」への曲変更を提案するチェット。演奏が始まった途端「何のつもりだ、葬式か?」とチェット、ドラマーには「ドラムスティックを」、ベースには「力強くウォーキングベースを」、「キーはFで」と指示。そしてチェットがトランペットを吹き始めた瞬間にスタジオの空気が一変し、録音室にいたマネージャーも言葉を失い感動している様子が見て取れる。クスリに溺れ、借金を背負い、愛する人には去られボロボロの生活を送っていたが、音楽だけは決して止めなかった晩年のチェット・ベイカーの姿を目に焼き付けてほしい。
2019年11月8日公開

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