特集「キャッチ」 巡視船の乗組員支える“海上の料理人” 若き女性海上保安官に密着

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特集「キャッチ」です。海の安全を守る海上保安官の緊迫した業務を支えるのは、船の中での食事『フナ飯』です。乗組員の胃袋を満たすため日々、厨房に立つ海の上の料理人に密着しました。

福岡海上保安部に所属する巡視船『やしま』は、北部九州を管轄する第7管区では最も大きな巡視船で、長期間、海の上で業務を行うことが可能です。

密漁などを取り締まる刑事業務や、尖閣諸島などの領海警備に日々あたっています。

そんな日本の海を守る1人の女性海上保安官に密着しました。

この日行われていたのは、船に食料を積み込む『糧食搭載』と呼ばれる作業です。出航の前に乗組員で協力し、重たい食料を船へと積み込みます。

その作業の一番後ろ、常温保存ができる食材を置く場所を整理する女性は、宿利菜々子さん(20)です。

■巡視艇『やしま』 主計課・宿利菜々子さん(20)
「たくさん量があるので、それをわーって分けるのが(大変)。」

宿利さんは、海上保安官として船に乗り始めてまだ1年ほどと、この船の中では最も若い乗組員です。船の中の事務作業などを担当する主計課に所属しています。

その主計課のもう一つの仕事が、船での食事、いわゆる『フナ飯』を作ることです。

出航してすぐ、宿利さんはこの日の夕食準備にとりかかります。

40人以上が乗船している『やしま』では、宿利さんをいれて4人で夕食の時間の2時間半以上前から調理が始まります。

宿利さんはこの日のメニュー『海鮮ちらし』に乗せる錦糸卵の担当です。

■宿利さん
「(Q. 一番の難関は)これ。薄く焼くので、ひっくり返すときに破れたり。」

宿利さんは、主計課になるまで本格的に料理をしたことがなかったといいます。

カメラが向き、緊張感がある中、1枚目の卵を焼いていきます。

■宿利さん
「あれ、ちょっと待って失敗したかも。ちょっと待って!隅っこが取れない。ちょっとこれカット。」

卵が焦げ付き、フライパンから取れなくなってしまいました。こんな時は、頼れる先輩たちがアドバイスしてくれます。

■先輩
「ちゃんと油引いた?」
■宿利さん
「引きました。」
■先輩
「最初の温めが足りんかった。」

海の上で孤立状態の船は、火事になると簡単には消火できません。火を使わない電気コンロでの調理は、陸上とは勝手が違います。

■宿利さん
「揺れるんです。激しいときは朝起きて公室を見たら、いすがぐちゃぐちゃにあっちに行ったり。」

その後は、順調に卵を焼くこと、なんと20枚以上にもなりました。錦糸卵にした後は、先輩たちと一緒に盛り付け作業です。

■宿利さん
「(先輩たちは)優しい方々です。お父さんより(年が)上です。」
■巡視船『やしま』主計課・升永洋雄さん(58)
「(宿利さんは)優しいですよ。」
■巡視船『やしま』主計課・宮崎紀杏さん(24)
「(宿利さんは)真面目ですね。」

そして、宿利さんが作った錦糸卵の上に刺身が盛りつけられ、『海鮮ちらし』が完成しました。

口にした乗組員たちに、味の感想を聞きました。

■乗組員
「船で食べるほうが家で食べるより豪華なので、特別感がありますね。楽しみの一つです。」

日々、緊張した業務が続く中、船での食事は乗組員たちの“憩いの時間”です。

長期に渡ることもある船の中での生活です。特別に、宿利さんの部屋を見せてもらいました。本来は2人部屋ですが、“コロナ禍”だったこともあり現在は1人で使っています。

■宿利さん
「これとか。次、今からきょうやらなきゃいけない仕事とかをここにペンで書いて、メモ帳代わりにしたり。(Q. 今まで予定をすっぽ抜かしたことは)はい。」

少しおっちょこちょいなところもあるという宿利さんですが、毎日続けている海上保安官らしい日課もあります。

■宿利さん
「朝起きたら、遅刻しそうって時はしないんですけど、起きたら基本たたみます。これでもしわしわ。」

船に乗る前に1年間通う海上保安学校では、訓練が厳しいだけでなく、布団や制服のしわも一切許されないなど、厳しい規律で知られています。

そんな環境を乗り越えて、宿利さんが海上保安官を目指したのには理由があります。

■宿利さん
「震災とか海難事故があった時に、人命救助に当たる海上保安官の姿を見て、自分もその一員になって働きたいなと思って。」

翌朝、朝食の片づけを終えた宿利さんは、ある場所へと向かいます。

■宿利さん
「この後は警救艇に乗って、プレジャーボートとかに乗っている人たちに安全指導をしてきます。バタバタですね。」

エプロンから救命胴衣に着替え、安全指導へと向かいます。海の上での安全を呼びかけることも、海上保安官として重要な任務の一つです。

■宿利さん
「水分取ってください。」

2時間ほど安全指導を終えると、再び厨房へ向かい昼食の準備です。

ほとんどの調理を先輩たちが終わらせていたため、宿利さんは急ピッチで食卓を準備します。

昼食のメニューは乗組員人気ナンバーワンのカレー、船長もお墨付きの味です。

■巡視艇『やしま』・本山祐一 船長
「食べ過ぎちゃいますね、おいしくて。目の前にあるから食べちゃいますよね。」
■乗組員
「(Q. 誰に辛さを合わせてる?)船長です。」

怒濤の日々を送る宿利さんの今の目標は、一人前の海上保安官になることです。

■宿利さん
「直近としては、今やっている調理のレベルアップとか安全指導とか訓練を通して経験を積んで、国民の方々に貢献できるような海上保安官になるために頑張っています。」

緊張感のある業務を日々、縁の下で支えるのは海の上の料理人たちです。宿利さんたちの作った『フナ飯』で胃袋を満たした海上保安官たちが、きょうも日本の海を守り続けます。



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