“闇バイト”加担した少年…やめようとしたら「体中にアザ」“非行歴なし”増加の理由【Jの追跡】(2023年9月23日)

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“闇バイト”をきっかけに、少年院に収容された少年たちが激白。非行歴がなかったにもかかわらず、いきなり闇バイトに手を染める“あるタイプ”の少年たちが増えている現実がありました。

■“楽に稼ぎたい”理由から…“出し子”に

東京・八王子市にある「多摩少年院」。日本で最初に作られた少年院で、今年で100年になります。現在、収容されている少年は83人です。

設立当時の大正12年と比べると、少年たちの非行内容も様変わりしました。かつては生活苦からの窃盗などが中心でしたが、ここ数年、特殊詐欺事件に関わる少年たちが増えています。

多摩少年院 池田一院長:「他人にうまく自分のことを表現できないがゆえに、犯罪組織に取り込まれてしまったという子も、このところ目立ってきたかなというふうには感じております」

法務省ではおととし、「特殊詐欺非行防止指導」と題した専用の教本、DVDなどを新たに作成し、再犯防止に力を入れています。

多摩少年院では、最近増えています詐欺事件を起こした少年に対する指導に力を入れています。これから担任の教官によるフォローアップの指導が始まるところです。

法務教官:「本件非行を振り返る中で、どういうことがきっかけで今回の詐欺事件に?」

少年A(19):「お金を得たい…楽に稼ぎたいという考えが…」

“楽に稼ぎたい”との理由から、高校在学中に特殊詐欺の“出し子”をしたという19歳の少年。人付き合いが苦手で、SNSに依存気味だったという彼が犯罪組織と関わったきっかけは、ネットで見つけた“高額バイト”でした。

■自宅住所が知られ…後戻りできない思い込み

少年(少年の証言による再現):「(少年)仕事の内容はホワイトですか?」

相手:「ホワイトです」 

“ホワイト”とはネットの隠語で、いわゆる闇バイトではないという意味。今まで非行歴がなく、不安を感じていた少年は、その言葉を信じて、安心したといいます。

少年A:「ネット依存で、ネットの情報を鵜呑(うの)みにするところがあった」

少年が、個人情報として保険証と顔の写真を送ると、初めて仕事内容が告げられました。

少年A:「1日3万から5万円くらい。“自分たちが管理している口座からお金をおろすだけだから”みたいに言われて」

法務教官:「この時点で、何か特に疑問だとか?」

少年A:「今の人たち、結構いろんな銀行にいろんな口座を持っていても珍しくないから、別に変じゃないかなって思って」

やりとりをした次の日。早速、具体的な指示が来ました。

相手(少年の証言による再現):「朝9時に東京の〇〇駅に来てください」

少年A:「逐一メッセージアプリで指示が来てて、住宅の番地とかまで指定されて。“少し待ってろ”みたいに言われて」

指定された場所は、東京23区内の閑静な住宅街。そこに、半そで短パン姿の20代前半とみられる男性が現れたといいます。

少年A:「封筒を渡されて、中に外国人名義のキャッシュカードが入っていて、そこで自分はヤバい仕事かなって気が付いた」

キャッシュカードは全部で11枚。名義は全部別人で、ほとんどが外国人でした。

少年A:「なんか特殊詐欺のこと…それ関係かなと思ったんで…」

法務教官:「もうこの時に、ヤバい犯罪で特殊詐欺に関係しているんじゃないかと?」

少年A:「駅の近くで交番とかもあるんですけど、個人情報を渡していて…もし、ここで逃げたりしても、家まで来られたら…」

個人情報を安易に渡し、自宅の住所が知られてしまっているため、少年はこの時点でもう後戻りはできないと思い込んでしまいました。

法務教官:「実際、どうだったのかな?ここで警察に行っていれば、警察の人はもちろん疑いはするだろうけど、たぶんギリギリセーフだね」

少年A:「そこが分からなくて…」

■「生活全般低調タイプ」特殊詐欺に関わるケース増

この日、渡された11枚のキャッシュカードから合わせて450万円もの現金を数回に分けて引き出し、報酬として、5万円を受け取ったといいます。

こうした行為を1週間ほど繰り返した少年はその後、防犯カメラの映像などから逮捕され、この少年院に送致されたのです。

特殊詐欺再非行防止担当 岡田法務教官:「(特殊詐欺事件は)他の例えば窃盗、傷害等の事件と違ってですね、被害者がどれだけ苦しんでいるのか、今どんな思いで生活しているのか、(加害少年が)具体的にイメージできない。反省とか謝罪っていった時に、他の罪名の子とは違うので、そこはちょっと工夫してやっていかないとなっていうのは感じています」

すでに1年近くをこの少年院で過ごしているという少年。今、どう思っているのでしょうか?

少年A:「楽して稼ぐ方法っていうのはないというのをやっぱり、すごく感じました」「(Q.SNSの危険性みたいなものはどうですか?)自分みたいに、コミュニケーションが苦手でリアルで友達作りづらいという人は、やっぱりSNSで繋(つな)がりを求めてしまう。やっぱり距離の取り方とかは、考えていかなければいけないかなと」

重大な犯罪に加担した現実と反して、どこか他人事のようにも感じられる少年の言葉。法務省の調査によると、今まで非行の前歴はないものの、自立性や主体性が乏しい「生活全般低調タイプ」と区分される少年が最近、特殊詐欺に関わるケースが増えているというのです。

■携帯ゲーム月8万円…追いつかず“闇バイト”に

茨城県牛久市にある「茨城農芸学院」。この少年院にも非行の前歴がないにもかかわらず、ある日突然、極めて悪質な手口の特殊詐欺で逮捕されたという少年がいました。

事件当時は、不登校の高校生だったという19歳の少年。闇バイトに手を染めたきっかけは、携帯ゲームへの依存だったといいます。

少年B(19):「なんか自分、結構ゲームにのめり込んじゃうタイプで。お金を得て、携帯ゲームでネットの人とかとも僕、つながりたいタイプなんで、そういったところで寂しさを埋める」

少年は対人関係の希薄さを埋めるように、携帯ゲームにのめりこみ、毎月およそ8万円も費やしていたといいます。

高校にも通わなくなり、アルバイトで稼いでいましたが、追いつかず…。闇バイトと知りながらも、携帯ゲームをするための、お金が欲しかったのだといいます。

少年B:「朝、指定された駅着いて、そこから住所を送られて。喋る内容とかも、全部送られてくる」「(Q.台本みたいなのが?)はい。あと(訪問時は)電話をつなげているので、どうしたらいいか分からなくなった時に、こう言えっていうのは、耳元(のイヤホン)で言われます」

「キャッシュカードが悪用されているから確認させてほしい」と、若い銀行員を装って、指示された家を訪ねた少年は“電話をした担当者の代わりに来た”と高齢者からキャッシュカードを預かった後、“かけ子”が事前に電話で聞き出した暗証番号を使って、口座から現金を引き出すという手口でした。

少年B:「報酬は下ろした額、一日で300万円を下したら、10%で30万円ぐらいは、そこから抜き取って、もらっていました」

そして、現金の受け渡しは…。

少年B:「駅とかにコインロッカーがあるじゃないですか、あそこに入れたら、僕が知らないうちに運びの人が持っていく」

手にしたお金は11回の犯行で合計90万円ほど。しかし、10日もしないうちに高齢者の家族に取り押さえられ、逮捕されることになったのです。

少年B:「(Q.逮捕当時18歳ですか?)はい」「(Q.実際少年院送致になって、刑務所ではなかったが、今どういう気持ち?)今ですか?なんか、こんなこと言ったらすごく失礼なんですけど、チャンスをもらったのかなと正直思います」

■成績告知…担任教官による個別指導も

対人関係が苦手など、問題点を抱えた少年たちに教育を通じて更生を促すのが少年院の役割です。

月に1度、どこまで更生が進んでいるのか、成績告知という形で担任教官による個別指導が行われます。

桜井法務教官:「8月16日付の告知を行いたいと思います。成績については、前回の成績と変わらずに、現状維持という形になりました。それについては、どう思う?」

少年B:「悔しいかなと」

少年院の在院期間は概ね11カ月。成績がよければ、少年院にいる期間も短くなりますが、少年は今回、該当しませんでした。

桜井法務教官:「規範意識を持ってもらうのと、絶対不正だけはするな。 社会でルール破っているんだから、ここでもルール破ったらクセになる」

■やめたいと言ったら…「体中アザになるぐらいまで」

SNSとしか向き合わず、対人関係が苦手という少年たちが増えているなかで、施設では“ある取り組み”を行いました。

社会復帰間近の少年たちは、施設の外にある農園で地ワイン用のブドウ栽培をしているのです。この日は、その収穫日。今回、初めてワインになります。

少年C(18):「きれいにできて、うれしいですね。(成長を促すため枝の)分け目を切るのは面倒くさいんですけど。ちゃんとやっていて良かったなって」

この少年も暴力団の手先として特殊詐欺の受け子を続け、少年院送致となりました。

少年C:「簡単に稼げる仕事って言われて。いざやってみたら、詐欺で。やめたいと言ったら、そんなやめられるわけないでしょうって。体中アザになるぐらいまで、やられちゃって」

彼もまた簡単にお金を稼げるという言葉に誘われて、特殊詐欺グループに加担することになったというのです。

施設では、この作業を通じて少年たちに地道に働く大切さを知ってもらいたいと言います。

茨城農芸学院(少年院) 山田毅統括専門官:「今まで地道にやってきたものが成果として表れると、社会復帰においても、大事なことだと思います。特に何か楽して、すぐにお金を手に入れようという形で、よく罪を犯しますけども、地道に働くことの意義っていうのは、こういう体験を通して身に付いていくんじゃないかなと」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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