2025年4月 愛知初の公立中高一貫校開校へ　名門高校で下からの進学は無試験 保護者も関心高く 学習塾は「ビジネスチャンス」

去年10月。名古屋市内の会議室に集まっていた多くの親子連れ。その目的は…

（説明会）
「明和高校附属中学校の普通コースからは、入学選抜なしで明和高校普通科に進学します」

これは、名古屋市東区の県立明和高校に来年併設される、附属中学校の説明会。

「明和」と言えば、江戸時代の藩校がルーツの長い歴史を持ち、難関大学に毎年多くの合格者を出す、県内有数の名門。
附属中学からはそこに全員試験なしで進学出来るとあって会場には保護者の熱気が。

来年4月、愛知県では明和をはじめ半田、刈谷、津島の4つの県立高校に附属中学校を併設し、「中高一貫校」とします。
それぞれ定員は８０人。公立のため授業料は無料です。
県立中高一貫校は愛知県初。その狙いとは…

（愛知県教育委員会　小野智之 中高一貫教育室長補佐）
「それぞれの個性や能力を発揮しながらいろんな変化を起こしていく、そんなことが今の時代には求められている。6年間ゆとりある計画的継続的な教育を通して、可能性を最大限引き出してチェンジメーカーの育成につなげていきたい」

中学に入ったらすぐ高校受験、高校に入ったら今度は大学と受験勉強に追われるのではなく、6年かけて幅広い教育を行うためともいいますが…しかし実はもっと深刻な事情が。

（愛知県教育委員会　小野智之 中高一貫教育室長補佐）
「（県立高校は）2021年度で2600人欠員が出た。県立高校を魅力的にする方策の1つとして中高一貫校を導入してみようということで」

県立を含む公立157校のうち、去年は実に75校で定員割れを起こしている現実が。昔から中高一貫を掲げる私立の希望者が増える中、学校のレベル維持のためにも、名門校に無試験で入れる中高一貫の導入に踏み切ったのです。

その反響は想像以上で…

明和附属中学の説明会には定員1500人に対して2500人を超える申し込みが。当初2回予定していた説明会を3回に増やしました。

参加した保護者や児童は…


やはり気になるのは受験の内容。受験方式は「適性検査」つまり筆記試験と、「面接」の2段階選抜。

もちろん過去問は存在せず、どう備えたらいいか手探りです。こうした中…すでに対策を始めている学習塾も。

2024年2月21日放送　CBCテレビ「チャント！」より