買っちゃダメっ！なヤツ？168型灯油コンロ　送料込み1,600円！

余りの寒さに禁断の商品に手を出してしまいました。168型中華灯油コンロ！マニアの間では有名な緑色の逸品です。何しろ価格が激安！この円安の日本でなんと1,600円（送料・税込み）ありえへん！（笑）

【168型中華灯油コンロとは？】
灯油を燃料とした調理器具。灯油を入れるタンクと燃焼部の2部品のみで構成されており、キャンプで使うアルコールストーブの大型灯油版といったところ。価格もアルコールストーブ並み。大変安い商品ではありますが、安いなりのことはあります。
〇安全装置類は一切無し。
転倒消火装置やその他一切ありません。灯油が燃えている商品と捉えると分かりやすいかと。
〇造りはチープ。
ごく薄い鉄板でできており、耐久性は皆無。ですが軽量、小型で持ち運びには便利です。
〇灯油とは言え可燃物なので細心の注意は必要。
タンク内の灯油の温度が40℃以下であれば何の問題も無いと思いますが、実際に使ってみるとみるみる内に薄い鉄板のタンクは熱くなります。弱火で使っても気温にもよりますが、余裕で40℃を超えると思われます。よって温度上昇を防ぐ何らかの手直しが必要な商品です。よくYouTubeなどで「爆発した！」「危険！」などの動画がアップされていますが、何も考えずにそのまま強火で使えば、そりゃ大変危険極まりない商品なので当然の結果と言えるでしょう。私も理系ではないのでネットで調べた情報ですが、灯油がタンク内で40℃以上になり気化し続けた場合、当然体積が増えますのでタンク内の圧力が上がります。ある程度以上になるとタンク内で収まり切れずにタンクの隙間（給油口や溶接漏れ部分）から外部に噴出するわけです。その際に火種があれば発火しますので爆発が起きるというわけです。
〇消火できない。
実際には消火できるのですが、通常の日本製ストーブの感覚で消火しても火は消えません。芯の長さにもよりますが、徐々に火が小さくなり最終的に消える、（この間５～６分位）という商品です。もし、初心者の方が何も知らずに芯を出し過ぎていたら、（最小位置にしても芯が出る状態でしたら）物理的に消えません。芯が引っ込めば酸素が供給できずに消えますが、芯が空気中に露出していたら自然に消えることはありません。（灯油が無くなるまで燃え続けます。）また、ビビッて（私のように）芯を1cm位出して使っていると長時間燃焼させると芯自体が燃えて更に短くなってしまいます。その状態で消火させようと芯を下げると最悪、タンク内に気化した灯油ガスに引火する可能性があります。芯が下がり過ぎるためにこうなるわけです。（笑）実際私も2度ばかりやらかしました。
〇安いだけあって配送も適当。
まず船便で中国から来ますので時間がかかります。更に梱包もほぼしていない状態（笑）なのでつぶれたり、部品が無かったりと適当な商品です。使える状態で届けばラッキー的な中華くじであります。

【使い方によっては魅力的な商品】
色々と書きましたが、現状、日本にはこのような超原始的な灯油ストーブはありません。自分で作るには材料費その他考えると、この価格なら当然「買った方が正解」となります。その上で安全に使うための手直しをすればいいわけです。最悪、使えなくてもこの価格ならあきらめもつくでしょう。

【実際にはストーブとしては微妙】
元々この商品はコンロですから、煮炊きをする目的の商品です。そしてその目的用としては大変優れた商品と私は思います。煮込みや焼き物、炒め物などもちろん炊飯も余裕でこなします。ですが、石油ストーブとして見た場合、かなり微妙な商品です。実際に6畳の部屋で数時間燃焼させ続けてみましたが、「おー暖かい」と部屋内で実感できるほど部屋全体を温めることはできません。もちろんコンロのそばに行けば暖かいのですが、あくまでもスポット暖房として有効だと思います。

次回は
この商品を改良？（それほど大げさではないですが）して何とか使えないか試行錯誤の動画をアップさせて頂きます。

【ご注意】
この商品は何の手も加えずにそのまま使うと必ず爆発します。ハイ。必ずです。特に1時間以上着火させ続けて使うとその可能性はさらに増大します。上でも書きましたがタンク部分が加熱されると灯油がタンク内部で気化します。その際に体積が液体の何倍にも（100倍位？）増えます。そのまま加熱が続くと更にタンク内部の気圧が高くなります。こうしてどこかに穴があれば、そこから気化した灯油ガスが噴出しますし、穴がなければフタが吹き飛びます。（笑）その際にコンロの火に引火して「ボッ！」と爆発するわけです。
爆発を防ぐにはタンク内部の温度を40℃以下に保つことです。例えば雪の上などでこのコンロを使えば爆発は避けられると思います。
海外通販の灯油バーナー2種の燃焼テストで爆発する
   • 海外通販の灯油バーナー2種の燃焼テストで爆発する  
↑こちらの動画でも何度も爆発が起こっています。


【人によってはベストな商品】
これら危険を承知の上で改良して使えばこの中華コンロは大変素晴らしい商品です。
○まず安い！激安
○灯油なので使い勝手がよい
○軽く小さい、500gしかありません。
○燃費がよい。普通に8時間位は使えます。
○炊飯、炊事は何でもできる。
○強火からトロ火まで可能。
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【編集後記】
実は私がこの商品を購入したのは8月のことでした。こういう季節ものはAmazonではシーズンオフに買うのがベスト（あるいはシーズンの終わり）と私は思っているからです。その時は1575円？位でした。それが今見たら（2022年12月22日）ジャスト1500円！もち送料・税込み、やっす！中国ではこの商品は大量に余っていてその処分に困っているのかもしれません。コメントにもありますが、タマゴの樹さんの調査では、中国国内での価格は日本円で約600円！
これは例えるなら日本ではフッ素樹脂加工のフライパンにあたるかもしれません。感覚的には1500円位で1年経たずにダメになり、また購入する。ですよね？そういう商品だったのかもしれません。
ですが…
ご存知のように中国は大変発展し豊かな国になりました。ド田舎の村にも電気やガスが通り、こんな商品誰も使わなくなったのです。さーて困ったのは中華コンロ生産者です。｢うーん｣｢困った！｣｢そうだ！Amazonで日本に売るか！｣
価格設定は以下の通り
中華原価300円
日本までの運賃（船便300円）
利益900円
合計1500円
こんなところではないでしょうか？

Amazonの商品ページを見ると同じ商品が驚くほどの高値で販売されていますが、これは日本人の（価格が高いほど品質が良い）と信じ込んでいる一部をターゲットとした戦略ですのでのってはいけません。