「春だったね」吉田拓郎（広瀬すず）

1972年7月21日発売の3rdオリジナルアルバム「元気です。」の一曲目に収録された。
吉田拓郎のアルバムとしては最高のセールスを記録している。
オリコン・アルバムチャートで14週連続（通算15週）1位を獲得する。

作詞：田口淑子
作曲：吉田拓郎（当時は よしだたくろう）

「春だったね」は名盤「元気です。」の第一曲目として発表され、翌年、これまた名盤「よしだたくろう LIVE’73」の歴史的オープニングを飾る。

LIVE’73の「春だったね '73」は、もはや神曲そのものだ。これを聴く時の胸の高鳴りは、あの時も今も変わらない。音楽の神様と吉田拓郎と高中正義たちが、しっかり手を携えて結縁しているとしか考えられない素晴らしさだ。
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その後のライブでは、このLIVE’73のロックバージョン「春だったね ’73」をベースに、数多くのステージの一曲目を飾ってきた。

歌詞の言葉がホップするようなときめき感あるメロディー。フライパンの上のポップコーンが弾けていっぱいになり、フライパンの外にぴょんぴょん飛び出していくような躍動感。
音符♪から溢れ出た言葉も、本体のメロディーとともに跳ね回る。ただ溢れ落ちたのではなく、溢れた言葉たちにも音楽の魂がみずみずしく宿っているのである。こぼれ落ちた言葉たちもメロディーに寄り添い音楽と一体になっている。

「字余りソング」と一括されるが、「字余りソング」と言う言葉には、どこかメロディーに言葉を収められなかっただけじゃないかという揶揄が含まれている気がする。これは激しく違う。
ただ字が余っているのではなく、天才的な音楽的才能に裏打ちされたればこそ、初めてできる技なのだと思う。

まだボブ・ディランなんて名前すら知らなかった頃、わたしはこの歌に衝撃を受けた。
彼の音楽はあまりにも自由で、カッコ良く聴こえたのだ。

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