日本キリスト教団六ツ川教会 ローズンゲン釈義黙想(2024/9/12)

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2024年9月12日(木)

【旧約聖書】
苦しむ人や乏しい人を義とせよ。詩82:3(協)

【新約聖書】
主があなたがたを、互いの愛とすべての人への愛とで、豊かに満ち溢れてくださいますように。Iテサ3:12(協)

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「ローズンゲン釈義黙想」は、日本キリスト教団六ツ川教会の会員向けのメッセージです。
日々、御言葉を聞くことができるように毎朝5時に更新します。
「公開」設定にしていますので、六ツ川教会の教会員でない方も、ご関心のある方はどうぞ自由にご活用ください。

釈義黙想の後に、呼吸と沈黙の時間があります。
ヨガのトレーニングから学んだ呼吸法のごく基本的な方法を取り入れています。
御言葉を聞き、呼吸と姿勢を整えて、良い一日の始まりとなりますように。
どうぞ今日も笑顔でお過ごしください。

使用しているテキストは『日々の聖句 Losungen2024』(ベテスダ奉仕女母の家出版部、2023年)です。全国のキリスト教書店でお求めいただくことができます。税込み1,400円です。

*ローズンゲンで指定された場所以外は、聖書協会共同訳聖書のテキストを用いています。

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 2000年に公開された、レオナルド・デカプリオ主演の「ザ・ビーチ」という映画では、あるグループが自分たちだけの理想郷を作るために、誰も知られない場所で、外から人はいれず、自分たちだけのコミュニティを作ります。それでしばらく自分たちの理想郷ができたと喜んでいたのですが、仲間の一人が病院に行く必要が出てきます。しかし病院に連れていくと、自分たちのコミュニティが外部の人間にバレてしまいます。それでこの理想郷を維持するために仲間を病院に連れていくことに反対する者と、病院に連れていくべきだと言う者で分裂し、そこから理想郷が崩壊していきます。自分たちだけの理想郷を作ろうとして、閉じたコミュニティを形成しても、決してうまくいかないことを、よく表しています。

 歴史を見ますと、これまでの革命運動も、カルト宗教と言われる宗教も、設立当初は自分たちの理想を純粋に追求したグルーブだったのかもしれません。しかし、閉じたコミュニティを作ると、外の情報はすべて嘘と決めつけ、どんどん極端な考え方になり、また外からの目が入らないため、内部ではとても信じられないようなことも起こります。それで、どんどん奇妙なルールがまかりとおる集団になっていくのでしょう。コミュニティは開かれることで、健全さを保つことができるということです。

 パウロは、テサロニケの信徒たちに、「主があなたがたを、互いの愛とすべての人への愛とで、豊かに満ち溢れてくださいますように。」と祈ります。「互いの愛」とは、キリスト者同士の兄弟愛ですが、「すべての人への愛」は、教会外の人々への愛です。当時の教会が、苦しい状況に陥って、閉鎖的な集団になり、苦境を乗り越えるために、内部の兄弟愛を重視したのは当然のことです。それを非難することはありません。ただパウロは、その閉鎖的な傾向が、独善的な状態に陥らないように、外向きの開放的な隣人愛を強調する必要を感じていたのでしょう。教会が現在まで続くことができたのは、また健全な状態を保つことができたのは、この開放的な性格なのかもしれません。閉じたコミュニティになった途端、カルト化していき、消滅していったでしょう。
 旧約の詩人は歌います。「苦しむ人や乏しい人を義とせよ。」教会のなかに苦しむ人、乏しい人がいると助けるのは当然です。ですが、教会の外にそのような人がいれば、やはり同じように関心を持ち、できる範囲で助けるように言うのです。それこそ「すべての人への愛」の実践となります。外に開かれた教会を作る。それによって、私たちの教会は健全な状態となり、この地で続いていくことができるのです。

日本キリスト教団六ツ川教会牧師  桐藤 薫

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