眠れない精神疾患5つ【精神科医が8.5分で説明】うつ病|不安障害|統合失調症|不眠症|ADHD

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0:05 (1)はじめに
0:32 (2)「眠れない」とその影響
2:29 (3)眠れない精神疾患5つ
2:35 ①うつ病
3:40 ②不安障害
4:39 ③統合失調症
5:35 ④急性のストレス反応
6:35 ⑤ADHD
7:45 (4)まとめ

人はストレスで眠れなくなる事も多いですが、時にうつ病やADHDなどの精神疾患が背景にある場合があります。
「眠れない精神疾患5つ」につき、精神科医が要点を約8.5分の動画にまとめています。
出演:春日雄一郎(精神科医、医療法人社団Heart Station理事長)

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↓↓内容の詳細は下記になります。

(1)はじめに
精神疾患セルフチェック。今回は「眠れない精神疾患5つ」を見ていきたいと思います。よろしくお願いします。
ストレスがあると「眠れない」こと。これは多くの方が経験しますけれども、時に精神疾患が眠れない背景にあることもあります。
そして、不眠が続くと精神疾患はしばしば悪化するため、早めの対策が必要です。
今回は「眠れない精神疾患5つ」を見ていきます。

(2)「眠れない」と、その影響
眠れないことは「精神不調の悪化要因」にもなります。
<眠れない>
これはいわゆる「不眠症」の状態です。
ストレスなどで発生しますが、精神疾患が背景のことも少なくありません。
そして、続くと心身の不調の原因にもなるため、対策は早目に必要です。
<眠れない(不眠症)の4つのタイプ>
まずは「入眠困難」寝付きが悪い方がいます。
そして「中途覚醒」途中で目が覚める方がいます。
また「早朝覚醒」朝早く目が覚めてしまう方がいます。
そして「熟眠障害」眠りが浅い・寝た気がしない方がいます。
<眠れない背景>
まずは「ストレスや心配事」があって、考えすぎて寝られない方がいます。
続いて「睡眠環境」。生活リズム・睡眠環境・カフェインなど様々な環境面のことです。
そして、もう一つが「精神疾患の影響」です。
<眠れないことでの影響>
まずは「次の日の認知障害」眠気等を背景に集中できないことなどがあります。
そして長い目ではまず「精神疾患の発症と悪化のリスク」が上がります。
そしてメンタル以外に身体面で「生活習慣病」高血圧や糖尿病などの悪化のリスクにもなります。
<「眠れない」への対策3段階>
まず1段階目は「薬以外の対策」をいろいろとっていきます。
それでは困難な場合は「依存がない睡眠薬」を使います。
それでも厳しい場合「一般の睡眠薬」を使います。基本的にはこの3段階です。
<薬以外の対策の例>
まずは「生活リズムや生活習慣を見直していく」こと。
そして「寝る環境(睡眠環境)の見直し」を行います。
3つ目は「考え方の調整」。「寝なくても何とかなる」と思うことで、プレッシャーを減らすなどがあります。

(3)眠れない精神疾患5つ
「悪化の危険」があるため、「早めの対策」を取ることが大事です。
①うつ病
「早期の症状」でもあ、「悪化のリスク」でもあります。
<うつ病>
うつ病は、落ち込みなどの症状が続く脳の不調です。
症状の一つに「不眠」があり、早目に気づくきっかけにもなります。
一方で、不眠が続くとうつ病が非常に悪化しやすいので注意が必要です。
<眠れない場面>
まずは前の失敗や後悔、それを考えて眠れないという場合があります。
そして、明日や未来の心配が不安になって寝れない場合があります。
また、人によっては日中あまり動かないことによって、生活リズムが不安定になり寝れない方もいます。
<治療や対策>
まず一般的には休養・薬物療法・精神療法が治療の3本柱になります。
そして、悪化傾向の場合はセルフケアだけは難しいので、受診して治療することが必要です。
身近にできることとして「考え方や生活パターンなどを見直す」のも一つのやり方です。
②不安障害
「夜も不安で眠りにくい」という話。
<不安障害>
不安障害は、慢性的に不安が強い状態の総称です。
細かくはパニック障害・全般性不安障害など数種類に分かれます。
不安は夜も続き、眠りにくくなることがあります。
<眠れない場面>
まずは夜も緊張が続いてリラックスできず寝にくい人がいます。
人によっては不安なことを考えすぎて寝られない方がいます。
またパニック障害的に「急な不安発作」が起きて、その予期不安もあり寝られなくなる方がいます。
<治療や対策>
まずは「夕方以降に意識的になるべくリラックスを図る」緊張を和らげることがあります。
そして「寝なければいけない」という不安から自分を追い詰めない事。「最悪寝なくても何とかなる」と思うのも一つの方法です。
その上でそれらの方法のみでは厳しい場合に「抗うつ薬SSRI」などを使うのも選択肢です。
③統合失調症
「不眠が続くと混乱してしまうリスク」があります。
<統合失調症>
統合失調症は、悪化した時に幻聴や妄想などが目立つ脳の不調です。
初期症状で「不眠」眠れないことが結構出やすいです。
そして、不眠が続くと「急性期の混乱した状態」に至るリスクがあり注意が必要です。
<眠れない場面>
まずは「緊張が続いて」、いわゆる前触れの時期に出やすいです。
そして「幻聴に影響されて」幻聴がやまず寝れない方もいます。
そして「被害妄想に影響されて」見られている等の感覚から緊張が続き眠れないことがあります。
<治療や対策>
統合失調症は「脳の不調」のため受診と治療が必要になります。
いわゆる「抗精神病薬」を主に使い、時に悪循環を防ぐため「睡眠薬」を一緒に使います。
混乱が強くなってしまった場合は、入院が必要なこともあります。
④急性のストレス反応
ストレスからのいわゆる「過覚醒」の状態です。
<急性のストレス反応>
強いストレスがあると反応して、不安や緊張を生じます。
その結果、不眠になることは少なくありません。
これは「一過性」数日すると良くなることも多いですが、続く時は精神的な混乱などに注意が必要です。
<眠れない場面>
まずは「過覚醒」緊張が強まって覚醒し過ぎている状態の場合があります。
人によっては、ストレスのことを繰り返し考えて寝られなくなります。
そして、不安や緊張が続くことで寝られない方もいます。
<治療や対策>
ストレス反応は一過性のことが多いんですが、不眠が続くと逆に一過性から長引きやすいため注意が必要です。
そのため、必要時は一時的に睡眠薬を使い十分に寝ることで全体的な改善を図る場合もあります。
長く続いてしまう場合は、より専門的な診断や対応が必要なことがあります。
⑤ADHD
睡眠の不調を持つ人はADHDでは多いです。
<ADHD>
ADHDは不注意・多動・衝動性の3つが特徴の発達障害です。
その中で、睡眠の不調を持つ人は多いです。
中には日中眠気が出ることも多く、時に悪循環になってしまう場合があります。
<眠れない場面>
まずは昼眠くなるなど不規則な生活リズムから眠くなる方がいます。
そしてADHDでは覚醒水準が高い方が多いため、リラックスが困難で寝にくい方がいます。
また聴覚過敏のような「感覚過敏」の影響から緊張が続き寝られない方もいます。
<治療や対策>
まずは生活リズムの一定化であったり、感覚過敏へのいろいろ対策を取ることがあります。
そして「意識的にリラックスを図る」無意識ではリラックスしづらいので、意識的にリラックスを図る練習をします。
その中で睡眠薬を使うこともあります。また「ADHD治療薬」で特性を改善し、結果リラックスして寝られる場合もあります。

(4)まとめ
今回は精神疾患セルフチェック「眠れない精神疾患5つ」を見てきました。
眠れないことが続く時、背景に精神疾患があることも多く、背景の精神疾患の例は、次の5つです。
①うつ病
②不安障害
③統合失調症
④急性のストレス反応
⑤ADHDです。
不眠が続くと精神疾患などの悪化につながるため、受診も含め早めの対策が大事です。

こころ診療所グループ(医療法人社団Heart Station)
府中こころ診療所(東京都府中市宮西町1-1-3三和ビル2階、☎042-319-7887)
こころ診療所吉祥寺駅前(東京都武蔵野市吉祥寺南町1-4-3ニューセンタービル6階、☎0422-26-5695)

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【解説者】
医療法人社団Heart Station 理事長 府中こころ診療所院長 春日雄一郎
精神科医(精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医)
2005年東京大学医学部卒業、NCNP病院、永寿会恩方病院等を経て、2014年に府中こころ診療所を開設、その後医療法人化し理事長に就任、2021年8月に分院「こころ診療所吉祥寺駅前」を開業。メンタルクリニックの現場で、心療内科・精神科の臨床に取り組み続けている。

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