陽人の法話:死について考えてみる

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陽人の法話:死について考えてみる

生まれ生まれ生まれ生まれて、生の始めに暗く
死に死に死に死んで、死の終わりに冥し
(秘蔵空論)

お大師様のお言葉。人は何度生き死にを繰り返しても、なぜ生まれるのか、なぜ死ぬのか、その意味を知らない。

迷いの世界をさまよう人は、自分が迷っていることに気がつかない。自分の見ているものが全てだと思えば、生きる本当の意味は見えてこない。

生きること、死ぬこと、それぞれに向き合うことの大切さを教えてくださっているお言葉だと思います。

〇 陽人の随想録 ~ 死と向き合う ~

私は、小学生の頃、死ぬとどうなるのだろうと考えて、恐怖に苛まれたことが何度もあります。

大人になるにつれ、考えたくないからか、考える暇が無くなったからなのか分かりませんが、あまり死について考えることがなくなりました。

人間は生まれたからには、必ず死にます。例外なく死ぬのです。私たちは、やがて必ず訪れる死に向かって生きています。

しかし、その死についてあまり考えたくないのは私だけでしょうか。

釈尊は「生きることの苦しみを自覚せよ。それが悟りへの第一歩となる。」と説かれました。

生きるということは、必ず老い、病にかかり、死ぬ苦しみを味わうということです。

そのことから逃げず向き合いなさいとおっしゃっておられるのですが、元気な人には、死への切迫感がなく釈尊の声は届きません。

自分の前に、突然死が立ちはだかった時、はじめてその苦しみは身に迫ってきます。

田中雅博師は、真言宗豊山派西明寺の住職でありながら医師としても活動してこられた方です。

田中師は、境内に診療所を建て、住職としての法務と医師としての診察を行ってきました。二年前に末期の膵臓がんが発見され、余命数か月という状況の中でインタビューに答えておられる番組をみました。

田中師は自らが末期のがん患者となってから、同じ境遇である、再発や死の恐怖と向き合っているがん患者との語りの場をもってきました。

その中で、一人の女性の言葉が強く印象に残りました。

「十四年前に乳がんにかかり手術をして、なんとか今まで無事に生きてきました。最初の二、三年は、検査がすごく怖かったです。再発するのではないかとずっと不安の中で生活していました。でもある時、不安でもどうにもならないものは、どうにもならないと気づきました。自分が何事もなく今生きているのは、自分にはまだ何かやることがあるから生かされているのではないか、と思ったらすごく楽になれて、今は生きているだけで丸儲けと思えるようになりました。命があるだけで、明日楽しいことがあるかもしれない、素晴らしい出会いがあるかもしれない。そう考えたら、人間というのは生きているだけですごいことなのだなと思いました。」

このお話を聞いて、死を意識したことで、生が輝きはじめることがあるのだなと感じました。

人は皆死を遠ざけて生きています。

できることなら死を考えないで生きていたい。しかし、健康な時ほど、健康の有難さが分からないように、死を遠ざけているうちは、本当の意味で「生」の有難さを感じることはできないのかもしれません。

「生」と向き合うためには、死について丁寧に考えることが必要です。

昨年亡くなられた永六輔さんは、「大往生」という自身の著書の中で次のような言葉を残されています。

『人は死にます。必ず死にます。その時に「生まれてきてよかった。」「生きてきてよかった。」と思いながら死ぬことができるでしょうか。そう思って死ぬことを「大往生」と言います。』

つまり大往生するということは、感謝の気持ちで人生を送ることなのだなと気づかされます。人生には突然の死別があります。

その方たちが生きたくても生きることができなかった一日を我々は生きています。

朝、目が覚め、ごはんをいただき、誰かと話しをする。それらはすべて当たり前のことでなく、有難いことなのだと気づくことができれば生きることにもっと感謝し、真剣になれるはずです。

また永さんは次のような言葉も残されています。

『生きているということは、誰かに借りをつくること。生きてゆくということは、その借りを返してゆくこと。誰かに借りたら誰かに返そう。誰かにそうして貰ったように、誰かにそうしてあげよう。』

生きることの意味を考えさせられる言葉です。

我々は、誰一人として、自分だけで大きくなった人はいません。

自分では気づくことができないほど多くの人の支えの中で生きています。

そのことに気づくことができる人は、常に感謝の思いで生きてゆけるのでしょう。

四国歩き遍路の道中では、毎日たくさんのおせったいをいただきました。

もう二度と会う事ができない方にどうやって感謝を返していけばよいのか考え続けました。

そして、ある時、御恩はいただいたその人に返すことができなくても、また他の人へ返してゆけば良いのだと気づきました。

そのような感謝・御恩の循環が世界に広がっていけば、もっと素晴らしい世の中になるのでないでしょうか。

時には立ち止まり、一人静かに、いただいた御恩の返し方を考える時間を持ちたいものです。

そうすればきっと生きるべき道が見えてくるかもしれません。

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■楽曲提供:小馬崎達也
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