地歌《こんかい》 Jiuta ''Konkai''

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2017年8月13日よみうり大手町ホールで開催致しました「第85回 藤本昭子地歌ライブ」より、地歌《こんかい》(歌・三弦:藤本昭子、歌・箏:澤村祐司)。
Akiko Fujimoto (voice, sangen), Yūji Sawamura (voice, koto) play Jiuta ''Konkai'' at Yomiuri Ootemachi Hall, 13 August 2017.

 《こんかい》は「吼噦」または「狐会」とも書き、狐の鳴き声を表しているそうです。地歌の芝居歌の中で最古典曲とされていますが、とてもそうは思えない斬新な三弦の手付で、古臭さは全く感じられません。この曲を得意としておりました母は、初めの歌い出し〽️痛わしやな母上は」の出来栄えいかんで、この曲の全てが決まってしまうと申しておりました。〽️いーたー…」の「い」の音程が、「三下りの調子の2のツボ」という大変取りにくく難しい出だしとなっているからです。また芝居歌ですから、ストーリーが伝わるように歌わなければなりません。油断すると字余りになってしまうほど言葉数が多く、また言葉使いに独特の世界観がある本当に難儀な曲です。
 母の病気を治すために招いた法師が、実は母に恋する狐が化けた法師。バレてしまって追い払われ、山にトボトボ帰って行くという内容です。狐が悪者にされていますが、私はこの狐をどうしても憎めず、曲中に出でくる歌詞から、山に帰る様が可哀想とすら感じてしまうのです。
 箏の手付は幾つもありますが、この演奏は宮城道雄先生の超絶の箏手付です。

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