女性の不安障害

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#精神科医 #益田裕介 #オンライン自助会

00:00 OP
01:48 女性の脳
03:05 不安を感じやすい脳
05:15 生い立ちの問題など
07:41 質問
08:53 どうすれば良いのか

益:女性の不安障害について、どういうものかということを考えてみようかと思います。
心は脳です、いつも言う通り。
ということは、女性であるということと不安を感じやすい体質だということですね。
不安な脳というのが生まれつきの問題としてあるのではないかな、と。
こういう人だから生い立ち的な問題もあったりします。あと状況。
これらを分解して考えていく。

脳というのは、不安を感じやすい脳、女性の脳ということを考えていくと、つまり心は脳だから「DNA x 記憶 x 状況」ですよね、いつも言っている通り。
不安障害だったら、どういう風に分解していけばいいのかということを実際やってみようかなと思います。

■女性の脳

遺伝子レベルで決まっている脳の構造上、女性の脳みそはどういうものなのかということです。
女性の脳は男性の脳とどう違うのかというと、まあ当たり前ですけど、女性ホルモンが多いわけです。
女性の脳というのは、女性ホルモンの影響を受けやすい脳ということです。
当たり前と言えば当たり前です。
性周期があるということです。性周期の影響を受けるということです。

それがひどい人だとPMDDやPMS、月経前気分不快症と言ったりするんですが、あと出産前後にうつになってしまう産後うつというのもあります。
性周期によって感情が乱されやすいというのが女性の脳の特徴です。
男性にはないところでもあります。
ひどい人だとPMDDもあるし、不安障害の人もPMDDには満たないけれど、影響を受けやすい人というのも結構います。

■不安を感じやすい脳

あと、もともと不安を感じやすい脳というのもあるわけですよ、体質として。HSPみたいなね。

脳みそというのは精神科に関係あるところだけいうと、大脳皮質の前頭葉と呼ばれるものと、大脳辺縁系と呼ばれるところの近くの側坐核、扁桃体、そして海馬(記憶に関係するところ)があって、脳幹というところなんです。
本当は違うのですが、わかりやすく説明するために言いますけど、基本脳は三層構造でできてると言われています。

一番奥にあるのが脳幹と呼ばれるもので、脳幹というのは心臓の動き、お腹の動き、いわゆる生命活動に必要な情報を扱っている部分です。

その周りに一個あるのが大脳辺縁系と呼ばれるもので、感情に関係するところ。
生きるために必要な感情や快楽を感じたり、不安を感じ、不快を感じたり、記憶に関係するところ(海馬など)、それが大脳辺縁系と呼ばれるところで、脳幹に被さっています。
その上にもう一個被さっているのが大脳皮質と呼ばれているもので、いわゆる理性的なところ、人間らしい脳のところなんです。

不安を感じやすい脳とは何かというと、この不安を感じる、不快を感じるこの扁桃体というものが、普通の人よりも発達しているというか、過剰に動きやすい脳ということなんですね。
生まれつきそういう人だということです。

だから女性の不安障害とはどういうものかというと、
女性の脳ですよ、と。
女性ホルモンの影響を受ける。
生まれつきこの扁桃体が過剰に動きやすい、不安を感じやすいのということになります。

■生い立ちの問題など

こういう人たちなので、家族も不安障害だったり、学生の間で不安だからということでいじめに遭う、気が弱そうに見えるからいじめに遭う、色々なものが生い立ちの問題としてあったりします。

家族が不安を感じやすいからアルコール依存症の人がいたり、不安を感じやすい人たちだから宗教二世、宗教が深く入り込んでいた、PTSDがあった、うつがあった。
あと気が弱いのでいじめに遭ってた、嫌がらせを受けていた子も結構多かったりします。

状況としては普通に働いている人もいますけど、バイタリティが弱かったり。
疲れやすいからね、そもそも。

あとは現代だと女性の社会進出というのも結構問題となっていて、男性と同じものを求められている。
男性と同じように働かなければいけない、なのに家事や育児もやらなければいけないということで、板ばさみになっているということが多かったりする。

普通じゃなければいけないと思っている人が多いんですよね。
全て50点というか60点というか、やらなければいけない。
でも、そんなの無理じゃないですか、これもできて、あれもできて、なんて。
仕事もできて、家事育児もできて、旦那とも仲良くて、趣味もできて、美容もできて、みたいな。
全部が満点を目指したがるから、どれか一個は絶対うまくいかないわけですよ、そんなにたくさん項目があれば。
そこに対してすごく不安を感じるというのがあったりします。

あと自己責任論の社会じゃないですか。
自分が悪いと思っていることも結構多いなというのが、現代社会の観点からだとそう思います。
SNSと普通。子どもがうまくいっていないんじゃないか、普通主義というか普通信仰というか。
そういうのが女性の不安障害でよく扱うテーマかなという気がします。

■質問

こんな感じですけど、何か質問とかありますか?

池:まず、その状況というのは、先生が臨床で、やはりそういう類型というか、方々に出会われたということですよね。

益:うん、こういうのが今、女性の不安障害でよくあることだし、状況とかこういうところが精神療法としてはよく扱うテーマではあります。

池:今風という言い方は適切じゃないかもしれませんけど、やはり女性の社会進出みたいなところは結構社会問題化してるような気は何かします。
私はビジネス書の編集者というのもありますけど、すごくそこで悩んでる方というか、男性も悩んでるんですけどね。
女性も求められる立場と色んなものを両立しないといけないとか。
男性上司とか男性部下との関係とか、たぶんすごい処理しないといけないことが増えてるような感覚はありますね。

益:うんうん、まあそんな感じですね。
じゃあ、こういう人たちはどうしたらいいのかというと、休む。
まず休むのが大事です。きちんと寝るというのは大事です。
やらないことを決めるというのは大事です。丁寧な暮らしを目指さないというか、ズボラでいいというか。
そういうのが一個ある、と。

で、知識の整理が必要ですね。学びや整理が必要だったりする。
疲れにくい考え方にしていく、完璧主義をやめる。
そういうことになります。
あとマインドフルネスを身につける。
寝ててもOK。人目を気にしない。
そういうのもあったりするし、かと言って女社会というのは男の人とはちょっと違うから、完璧にそういうのを無視するというわけにもいかないし。

あとは薬物療法としてはSSRIという抗うつ薬を使ったりします。
SSRIを飲むことで、扁桃体が過活動になりにくくなるんですよ。

池:抑えるみたいな?

益:抑えていく。だから飲み続けたりするし。
あとはパニックになってしまう、過呼吸になってしまうときは、頓服としてベンゾ系の薬を使ったりします。
それが治療法だったりします。
これが悪化してうつ病になったりすると、うつ病の治療をしていく。
場合によっては手帳や障害年金を受領することを検討する。
手帳は通院から半年後。税金がちょっと安くなるんですけど。
年金は初診から1年半後に取れるので、こういうのも検討するとかあったりします。

ただ、病名が不安障害だけだと年金が取れないので、うつ病が合併しているパターンなど、そういうのを検討したりはします。

あとは不安になりやすい人ということで、現代的には発達障害と関係していたりするときがあるかな、と。そんな感じですね。

整理するときに、部屋の片付けが苦手な人は整理苦手なんですよ、頭の中の。部屋と同じなので。
部屋の片付けが苦手な人は頭の中の片付けが苦手だったりします。

あとは作文が苦手な人、レポートが苦手、自分の意見を言うのが苦手な人というのは、疲れにくい考え方にしていくというか、作り上げていくことが苦手だったりします。
ここら辺は結構リンクしていたりするかなということですかね。

何かありますか?

池:不安障害というのは基本的には、例えばいじめとかの被害者側になるものなのか、加害者側になるというケースはあまりない?

益:いや、加害者側もいるんじゃないですかね。でもよくいるのは、いじめられる側ですね。
こことここが海馬が結びつきやすいんです。
そうするとトラウマとして残ってしまって、PTSD様になることもあるし。

不安だからということで、快楽に逃げるということもあるんですよ。
不安を解消しようと思って買い物をした、不安を解消しようと思って美容整形したと言うと、快楽と結びつくので依存症になったりします。
そういうも不安障害からまた次の病気が悪化していくこともよくあったりします。

不安障害の仲間で社交不安障害があるんですけど、対人不安があるからアルコール依存症になってしまう、対人不安があるから、結局PTSDみたいな状況の方もあるんですね。
そこら辺も繋がってたりしますね。

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