「こんなに楽しいなんて思わなかった」400年以上続く伝統産業の担い手目指すドイツ人女性の思い

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石川県が世界に誇る伝統工芸・山中漆器。しかし今、職人の高齢化などを理由に深刻な後継者不足に悩まされています。その新たな担い手として名乗りを上げたのは、日本の伝統文化をこよなく愛する1人のドイツ人女性でした。その思いに迫ります。

「ちょっと驚いたこともあったけど、こんな楽しいとは思わなかった」
「めっちゃハッピーです」
木目の美しさや温もりを残しつつ、素朴でいながら凛とした佇まいを感じさせる山中漆器。全国を渡り歩いて生活していた木地師たちがこの地に移り住み、技術を伝えたのは今からおよそ400年前のことです。

山中漆器に、九谷焼。そんな伝統文化が息づく石川・加賀市で去年の春、1人の外国人女性が新たな人生をスタートさせました。「あやとり橋は古い感じと現代的な感じの、コントラストが良い。自然も好きです。温泉も皆で一緒に行くのが好き」

ドイツ出身のラベア・ゲバラさん(24)。
この場所に移住した目的は、漆器の技術を学ぶためです。ラベアさんは、石川県立山中漆器産業技術センターの基礎コースに通う1年生。ヨーロッパ出身者としては初めてです。「ちょっと刃見せて?切れ味がちょっと悪いかな。研いでみて。もうちょっと…研ぐスピードが速すぎる。もっとゆっくりゆっくりだよ」
大学ではデザインを学び、アーティストとしても活動していたラベアさんが日本に来たのは2年前。東京藝術大学で陶芸を専攻する夫・イドさんの来日に合わせてのことでしたが、そのとき出会った知人に教えてもらったのが、山中漆器の存在です。ラベア・ゲバラさん
「大学では全てパソコンでデザインをしていたが、本来の形とか質感をよく知らないままデザインしなきゃいけないから難しいんです。初めてスプーンを作ったときに「自分の手で作るのは良い」と気づいて。それで伝統工芸って面白いなと思いました」
1年生たちが熱心に取り組んでいるのは、「仙才椀」の仕上げ挽きです。丸みを帯びたシルエットに、それぞれの木が持つ木目の模様が綺麗に見える仕上げは、シンプルゆえにごまかしが効きません。ラベアさんを指導・川北浩彦先生
「1つもムラがあったり木が欠けていたり、傷があったり。そういうものがない完璧な仕上げが出来るように皆さん今頑張っています。ラベアさんの性格なんでしょうかね?本当に上手になりたい、綺麗なものを作りたい。本当にそういう姿勢や思いが伝わってくるような作業をしてくれる」
ラベアさんが大変だと感じていること、それは言葉の壁です。授業は専門用語も含めすべて日本語で行われるため、「理解度は50パーセント」と評価します。そんな時に支えてくれるのが、4人の同級生たち。北海道や山梨、愛知など出身地は様々ですが、そのほとんどがラベアさんと同じ20代です。ラベアさん
「最初は皆どこへ行くのか、何していいのか分からなかった。休憩の時は学校で大変なことを話したり自分の道具についてお互いにアドバイスしあったりします。あとは山中温泉での生活についても話し合ったりします」
同級生・田村伊吹さん(23)
「この間はオススメの旅行先の話で盛り上がりました。彼女はセンスも技術も凄いなと。見ていていつも勉強になるし、すごく尊敬してます」

県内の漆器の3大産地として、「塗りの輪島」、「蒔絵の金沢」に並び「木地(きじ)の山中」と称されるほど、木地の生産量や加工技術で国内トップレベルを誇る山中漆器。一方で、職人の高齢化や生活スタイルの変化などを理由に、業界は深刻な担い手不足に陥っています。
山中漆器連合協同組合によりますと、1990年代におよそ700軒あった事業者はこの30年で減少の一途をたどり、今ではわずか260軒に。センターの関係者は「若い力が必要だ」と口を揃えます。
県立山中漆器産業技術センター・呉藤安宏専門員
「材料というのは一つひとつ個体差があるので、それを同じ形で早く作るとなると本当に失敗するし結構なトレーニングが必要で。それくらい簡単にできる仕事ではないんです。山中漆器の良さを理解して、センターに来てくれるのはすごく嬉しいことです」
東京に住む家族の元を離れ、現在加賀市内で一人暮らしをしているラベアさんですが、授業がない日は自宅でも制作活動を行っています。冷凍庫に大量に保管されていたのは…。

ラベアさん
「木です。これはスプーンにします。(Q冷蔵庫にたい焼きが入っていますが?)ハハハ!たい焼き。めっちゃ美味しい、好きなんです」
漆を塗ったお椀の表面のざらつきを無くすため、炭を使って何度も研ぎます。慎重さと忍耐力が必要な作業ですが、ラベアさんにとっては幸せなひととき。ヨーロッパにはない、新鮮さがあるといいます。

ラベアさん
「ヨーロッパの人は漆を知らないし漆が取れる木もない。可愛らしくて美しいし、とても面白い素材だと思う。それに木と一緒なら相性は完璧じゃないかと思います」五感を研ぎ澄ませ、週に3日は轆轤に向かい、ときには自宅で作業に没頭する日々。そんな生活が始まって、まもなく1年が経とうとしています。ラベアさんの夢は、職人として山中漆器の魅力を世界に伝えることです。

ラベアさん
「日本は工芸文化が最も強い国。山中漆器の強みは最高品質の木を使っていることで、先生達はそれらの良い所や扱い方を熟知しているから、私はそれをもっと学びたいんです」「卒業したら地元の職人さんのもとで、インターンシップのような感じで働こうかな。それからポルトガルへ行って、山中漆器のワークショップを開きたい。教えたいんです」
「日本の伝統文化は世界一」

山中漆器に魅せられ新たな世界に飛び込んだドイツ人女性は、400年以上続く伝統の灯を絶やすまいと、奮闘を続けています。

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