尊大型ASD【発達障害ASDに自己愛性パーソナリティ障害合併、精神科医が13分で説明】

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0:05 (1)はじめに
0:38 (2)尊大型ASDの例
1:26 (3)尊大型ASDとは
3:19 (4)尊大型ASDの特徴
4:23 (5)尊大型ASDの長所と短所
5:54 (6)他の型からの移行
7:11 (7)尊大型ASDと自己愛性パーソナリティ障害
9:02 (8)弱点をカバーするには
10:45 (9)周りの人の関わり方
12:37 (10)まとめ

発達障害ASD(自閉症スペクトラム)の5タイプの中で「尊大型」は「他者を見下し圧をかける」タイプです。ASDに二次障害的に「自己愛性パーソナリティ障害」が合併した「重ね着症候群」の状態です。パワハラ・モラハラやカサンドラ症候群の背景になり、本来は本人の「直面」が大事ですがしばしば困難であり、社会・組織レベルでのルール整備が大事になります。
精神科医が要点を約13分の動画にまとめています。
出演:春日雄一郎(精神科医、医療法人社団Heart Station理事長)

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↓↓内容の詳細は下記になります。

(1)はじめに:尊大型ASD
発達障害の一つ「ASD(自閉症スペクトラム)」。
近年、パワハラやカサンドラ症候群の背景としての「尊大型ASD」が注目されています。
これは確かにASDの種類の1つですが、一方で、ASDの方がみな「尊大型」というわけでは決してありません。
今回は人を見下して圧をかける「尊大型ASD」について見ていきたいと思います。

(2)尊大型ASDの例
Aさんは、かつて一人が好きで、他者と関わらず生活をしていました。
独特さをからかい・いじめに遭うことがありまして、他者を信じられなくなってきました。
そして、一回強く言い返したら相手がひるむことがありました。
そこから「自分は正しい・相手は下」との価値観のもと、進学や転職・就職をして業績も出るようになりました。
しかし、部下へのパワハラ的な言動が続き、それが発覚して退職をしました。
家でも高圧的な言動が続いていまして、ある日、配偶者の方はいなくなっていました。
現実に怒りがこみ上げてきましたが、「もしかしたら自分が悪いのでは」と振り返りました。
しかし、沸き起こる「強い苦痛」に耐えることができず、再度「相手が悪い」と思うに至りました。

(3)尊大型ASDとは
尊大型ASDは「自分が特別と思い、他者を下に見るASD」。
<ASD(自閉症スペクトラム)とは>
ASDは「社会性の障害」「こだわり」の2つが目立つ生来の発達障害です。
幼少期発見は多いですが、成人後見つかる場合もあります。
「こだわりの押しつけ」等の一種の「他害性」が問題です。
<尊大型ASDとは>
「尊大型ASD」は自分が特別と思い、他者を見下すASDです。
「ASD+自己愛性パーソナリティ障害」の一種「重ね着」です。
自分より周囲に強くストレスがかかります。
<ASDの他の4タイプ>
「積極奇異型」自分ルールで動きすぎてしまう方。
「受動型」相手にあわせすぎて利用されやすい方。
「孤立型」自分の世界に入るタイプの方。
「大仰型」礼儀正しく大げさが目立つ方。
<尊大型ASDの気づかれ方>
周りからの苦情・トラブル等での発見が多いです。
成人後に問題発生し気づかれる方が多いです。
<尊大型ASDの由来>
大きくいうと以下の2つが想定されます。
①元から
「積極奇異型」類似の一つの生来からの特性。
②二次的な変化
色々な迫害経験などから二次的に「自己愛性パーソナリティ障害」を合併し、尊大型の状態になる場合もあります。

(4)尊大型ASDの特徴
「自分が上だと思い、高圧的に接する」以下の3つが特徴です。
①相手を下に見る
自分の方が相手より「上」で「正しい」と思います。
その結果、自分のルールを相手や組織のルールよりも優先します。
そして自分が相手にむしろ「してあげてる」と思うのが特徴です。
②主張が強い
「自分のこだわりやルールを相手に押し付ける」。
そして、「その意に沿わないと激高する」ことがあります。
押し付ける一方で、「相手の主張はあまり聞かない」のも特徴です。
③共感を欠く
尊大型ASDでは、相手がどう思うかはあまり気にしないのが特徴です。
そして自分の目的のために時に相手を利用する場合もあります。
逆にうまくいっている人には嫉妬することも目立ちます。

(5)尊大型ASDの長所と短所
「自分はあまり困らない、相手がつらくなる」のが特徴です。
<尊大型ASDの長所>
まずは「知的能力などは高いことが多い」。だからこそ成人後も同じ性質が続く面があります。
また「周囲に影響されず行動できる」点。結果、仕事等で力を発揮できる場合は多いです。
そして「自分はストレスはあまり感じない」。本人が悩んで二次障害になる事は少ないです。
<尊大型ASDの短所>
一番には「相手や周囲の影響・ストレスが非常に強い」こと。
その結果「相手から嫌われやすい」。
その結果「長期的には自分にも不利益が出てしまいやすい」です。
<他者がつらくなる例>
まずは「部下へのパワハラ的言動」で部下が適応障害になる話。
また「カサンドラ症候群」。高圧的な扱いで、配偶者の方が適応障害などになる話。
そして親が「尊大型」の場合の「お子さんの慢性的なうつ状態」。
<自分に跳ね返ることもある>
たとえば「パワハラした場合に訴えられてしまう」場合。
そして配偶者の方から「別居や離婚」の話が出る場合。
また「家族関係がのちのち断絶」する結果になる事があります。

(6)他の型からの移行
「二次障害的に移行することも多い」です。
<ASDの移行>
まず元からあるタイプとして「積極奇異型」「受動型」「孤立型」があります。
そして経験を経て、「大仰型」と「尊大型」に変化することがあります。
<大仰型への移行>
大仰型は、社会生活の適応を目指して意識的に改善を図った結果とも言えます。
他者やマニュアルなどを参考に「大げさに・丁寧に」を徹底した結果です。
その結果、不自然さは残る一方大きな不適応はなくなり、かつ強みを生かして適応改善を図ります。
<尊大型への移行>
いじめ等の迫害体験から「他者不信」になった場合です。
そして逆に「高圧的に行動したら逆にうまくいった」経験を積む方もいます。
これらから「自分は正しく相手は間違い」の尊大型の思考パターンに移行する事があります。

(7)尊大型ASDと自己愛性パーソナリティ障害の関係
「ASD+自己愛性パーソナリティ障害=尊大型ASD」の関係です。
<自己愛性パーソナリティ障害とは>
自己愛性パーソナリティ障害は、自分が特別だと思い他者を見下すタイプのパーソナリティ障害です。
パワハラ、モラハラなどの背景にあることが多いとされます。
自分は困らず他者が困り、自分では気付きにくくかつ気づかないと改善が困難なのが現状です。
<重ね着症候群とは>
重ね着症候群はASD(自閉症スペクトラム)に他の精神疾患が合併、いわゆる「重ね着」する状態です。
二次障害と非常に似た概念で、同様に「ストレスや逆境体験」が背景のことが多いです。
この中で自己愛性も含めた「パーソナリティ障害」も「重ね着」することがあります。
<尊大型ASDとは>
シンプルにはもとにASDがあり、そこに自己愛性パーソナリティ障害が「重ね着」の形で合併した状態です。
<ASD単独との違い>
ASD単独では必ずしも出ない「他者を下に見る価値観」が出てきます。
また「他者への強い圧力」が出てきます。
そして「意に反した時に激昂」します。
<自己愛性パーソナリティ障害単独との違い>
まずは「より直接的」、「操作」よりも「直接的なこだわりの押し付け」などが目立ちます。
そして「状況を見ての融通はむしろききにくい」面があります。
そして、ある種の世渡りは、もとがASDのため実はあまりうまくないことが多いです。

(8)弱点をカバーするには
要点は「自分の現実に直面すること」以下の3つです。
①自分の現実に直面
自分がやってきた言動の他者への様々な影響、特にその「加害者性」に直面することが一番のポイントです。
その上で関連した「現実の評価や状況」にも直面します。
そして直面時の強いストレスの反応や落ち込みに「持ちこたえ」ます。
②等身大の自分を信じる
「特別ではない自分」を受け止めて信じます。
一方で「自分の身に付けた色々な技術等」は事実なので、それもまた信じます。
そして「自分を信じる→自分達を信じる」の置き換えも方法です。
③特性への取り組み
まずは残る「ASD特性」の改善に継続して取り組む余地があります。
また「自己愛性パーソナリティ障害的な特性」も直面を続けつつ徐々に修正を図ります。
そして直面・取り組みの継続に伴う「ストレスやうつ」への対策も続けます。

(9)周りの人のかかわり方
「距離を保ちチームで対応」、以下の3つが大事です。
①巻き込まれない
まずは「なるべく距離を確保して影響を少しでも減らす」こと。
その上で原則は色々言われても「受け流していく」。
ただ、あまりに理不尽なことに対しては、冷静に相手を立てつつも、しっかり反論することも大事です。
孤立してしまうと非常に危険が高いため「孤立を避けて」相談できる相手・体制を作ることが大事です。
②チームで対応
複数の方が困ることが想定され、チームで情報を共有して状況や客観的事実を集め・把握します。
その上で必要なことに絞り、相手を立てつつも「明確にこれは困る」と「変化を促し」ます。
相手の反応が芳しくない場合は、「専門家のサポートを検討」します。
③組織ルールを整える
実際、組織の価値観として「結果や業績だけ」を偏重すると、「相手から奪って結果を出す」価値観がいいとなってしまいます。
そうすると、尊大型ASDの人のパワハラなどのリスクが非常に上がってしまいます。
なので組織として価値観を整えることが大事です。
業績は大事でも、それ以上に搾取をしない「フェアトレード」を最優先とすることが重要です。
そして、明確なもの以外に「隠れた業績偏重など」もありうるため、それも合わせて見つけ、必要時修正することが大事です。

(10)まとめ
今回はASDセルフチェック「尊大型ASD」について見てきました。
「尊大型ASD」は、自分が上だと思い圧をかけるASDです。自分よりも周りが強い影響を受けます。
ASDに自己愛性パーソナリティ障害が一種「重ね着」した状態で、パワハラやカサンドラ症候群の背景になることが多いです。
対策は「直面」ですが、困難も大きいです。組織や社会がパワハラを許さない「フェアトレード」を重視する事が現実的な対策と思われます。

こころ診療所グループ(医療法人社団Heart Station)
府中こころ診療所(東京都府中市宮西町1-1-3三和ビル2階、☎042-319-7887)
こころ診療所吉祥寺駅前(東京都武蔵野市吉祥寺南町1-4-3ニューセンタービル6階、☎0422-26-5695)

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【解説者】
医療法人社団Heart Station 理事長 府中こころ診療所院長 春日雄一郎
精神科医(精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医)
2005年東京大学医学部卒業、NCNP病院、永寿会恩方病院等を経て、2014年に府中こころ診療所を開設、その後医療法人化し理事長に就任、2021年8月に分院「こころ診療所吉祥寺駅前」を開業。メンタルクリニックの現場で、心療内科・精神科の臨床に取り組み続けている。

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