「1から10まで教えない」サッカー強豪・尚志高、仲村監督の流儀 指導者は“選手の応援団”

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様々な「教える人」にフォーカスし、その人の価値観などを通して、大切なことを未来につないでいこうというシリーズ「教える人~未来へつなぐ」。

今回は高校サッカーの強豪、福島県の尚志高校サッカー部を率いる仲村浩二監督を取り上げます。
仲村監督が大切にする指導理念は、一体どういったものなのでしょうか?
試合中の仲村監督「グーグー!グッドアイデア!」

全国高校サッカー選手権の県大会でこれまで12回もの優勝を誇り、全国の舞台でもベスト4進出が2回と、福島の高校サッカー界を牽引する尚志高校サッカー部。1998年から実に24年にわたってチームを率いるのが仲村浩二監督(50)です。
試合後の仲村監督「サッカーをなんでやっているのかというと楽しいからやっていると思うので、うちのサッカーは楽しくやらなきゃいけないというのが、楽しい=良いプレーができるかなと思うので」

指導理念は「サッカーを楽しむからこそ良いプレーが生まれる」。

合言葉は「楽しめ!楽しめ!」仲村監督は選手たちに対して前向きな言葉を多くかけます。

仲村監督・練習中の声かけ「ゲーム勘とかセンス的なものは十分あるから、あとは自分の意思でやれるかどうか、しっかりやって!良い感じだよ」
また、食の大切さを感じてもらおうと選手たちが地域の農家で農作業を手伝うなど人間性を育む試みも行っています。
山本叶多選手「監督はめっちゃ明るい人で、みんなのことを盛り上げてくれてすごい良い監督だと思います」
プロの道に進んだ卒業生からは「第二の父親」のようだと慕われています。チェイスアンリ選手「本当に親みたいな感じですね、第二の親みたいな感じ、いろいろ自分やらかしているのにトップに上げてくれて本当に感謝しています」
染野唯月選手「本当にサッカーに対して本気で取り組めなかったときもありますし、そのなかでも見捨てず、接してくれたからこそ今があると思うので、感謝していますし、自分は本当に優しい監督だったなと思います」
千葉出身の仲村監督。小学校2年生から4つ上の兄の影響でサッカーを始め、中学や高校では各年代の代表に選出。

順天堂大学を卒業後は、当時JFLの福島FCに入団し中盤のボランチというポジションで攻守にわたり活躍しました。
その後、1998年に尚志高校サッカー部の監督に就任。就任当初は部員わずか5人からのスタートでした。仲村監督が選手を指導する際、最も意識していることが・・・ 

仲村監督「考える力がないといけないと思うので、1から10教えるのではなくて、1を教えたときに2、3にできる選手になってほしいのと」

自分で考えて動ける選手になってほしい。

ただ、今年の3年生は、仲村監督が大事にする「自主性・サッカーを楽しむこと」が自分たちへの甘さに繋がってしまっていました。 自分たちへの甘さが見え始めた3年生。
県大会を間近に控えた青森山田高校2軍との公式戦で1対3で敗戦。

試合後、仲村監督は3年生に対して日頃からの緩んだ姿勢を厳しく指摘しました。
試合後の円陣・仲村監督「はるとが横パス、ミスしても誰も言わないじゃん。集中力、欠いたこと練習でやっても誰も言わないじゃん。それがこの3年生が作った環境なんだよ。」 仲村監督「10番背負って言いたいこといっぱいあると思うけど、言わなくて我慢するんだろ。我慢して後悔しない?こんなんでいいのか?特に3年生、このままどうなるか分からないけれど、お前らがこのチームを作るんだったら作ってくれよ。作れないんだったら去っていきなよ。もう無理だって」山田一景主将「普段の甘さが出たんじゃないかなと。もっと気を引き締めて練習やっていけたらいいなと思います」
時には、チームのために厳しく、自分たちで律せられる責任感のある選手になってほしい。3年生は心を入れ替え、普段の練習から選手間で厳しい声をあげるようになりました。山本叶多選手「練習を通して強度は高かったけどミスもチーム的に多いし、決めるところを決めないと勝てないと思うのでもっと決定力を上げられるようにやっていきましょう」
3年生を中心とした意識の改革が徐々に選手に浸透し、11月に行われた全国高校サッカー選手権の県大会では見事優勝。

2年連続12回目となる全国大会への切符を手にしました。
仲村監督「準決勝のハーフタイムで3年生中心に「これがこうだぞ、引き締めないとダメだぞ」って言っているんですよ、僕らがロッカールーム戻ったときに。そんな姿は見たことがなかったので、こんなに成長してくれたんだと思ったときに、このゲームは絶対、落とすわけがないと思ったし、決勝もこんなに3年生がしっかりしているんだったら絶対負けないなと思いました、本当に」
最後に聞きました。仲村監督にとって指導者とは・・・
仲村監督「私にとって指導者とは選手の応援団です。理由は選手と一緒に自分も指導者として成長していくために一緒に頑張っていくのが自分のスタイルなので、サポーターみたいな形で応援したいなと思っています」

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https://newsdig.tbs.co.jp/articles/tu...

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