鈴木巌/組曲「田園風物詩」 Iwao Suzuki/Idyllic Suite (Oct.1954)

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00:00 農夫の唄
02:33 遠い山脈
06:09 小川にて
08:50 種播き唄
10:32 わらへ唄
13:07 秋祭り
演奏:羽鳥彰(録音:2002年)

** ギター作品集の解説より **
6曲で構成されたこの組曲は全体に静かな感じのものが多いですから、特に音色の変化を考えてください。まずそれでは第一曲の農夫の唄ですが、初め3/4からの16小節は序奏で、ここですでに音質的に日本を表現するようにしてください。3/8の所からの1弦のハーモニックスとその後のリズムは正確に決してテンポをくずさぬようにすることを望みます。なお、このハーモニックスは8Octavとあって、これは右1の指が、左指で押さえた弦のオクターブ上に軽くさわり、右aの指で弾弦するのです。更に3/8から数えて11小節目からは、右mの指で2弦も同時に弾きます。また1,2弦のリズムは音を切らず、アクセントも付けずに美しい音でたんたんと弾くこと、そのリズムとは別に低音弦の旋律は深く洋々と歌わせてください。

二番目の遠い山脈はトレモロの曲ですが旋律はP指で弾かれる低音部にあります。従ってトレモロのバランスはもちろんのことですが、低音部は絶対に音を切って弾かぬことです。また8小節目からトレモロの音より旋律部が上声部に移りますが、タップリとした音を出すようにP指タッチに気を付けることを望みます。中間部は追分節風に自分で歌うつもりで弾いてください。特にad libの所のスラーは左指に力が入りすきぬよう、それに、ここは次第にスラーを速くするようにしてください。1弦の開放弦のナマの音を出さぬように気を付けてください。

第三曲目小川にて、この曲はハーモニックスでアルベジオをするために相当難しいですが、これを克服するにはまず、左指を目で見ないで正確に所定の場所に移る練習をしてからでないと、いくら練習しても上手には弾けません。そしてその後、右指でハーモニックスのアルペジオ運動を練習してください。まず左指のおさえ方の形を覚え、その形のオクターブ上の形を頭に入れて、右i指でその形をとらえて弾くのです。またこの曲の終わりと前の農夫の唄に出てくるNat.はNaturalの略で普通の弾き方の意味です。

四曲目、種播き唄は特に何もありませんがタっっタっタっタのリズムは音を切る、延ばすということではなく、その後のタっっタタっタっでも判るようにリズミカルに弾んだ感じということです。また、タっっタは3対1のリズムを正確にしてください。最後の四小節は左指を拡張しないと、届かないです。4と2の指をうんと開いてください。

わらべ唄は技術的にはそれほど難しいものではありません。楽しく弾いてください。ハーモニックスのところは江戸子守唄ですが、最近この歌を少しも聴きません。海外から来日する演奏家は、皆この子守唄を素晴らしい歌だといますが、日本人が日本の歌の良さを知らぬのは恥ですし、私はどうしてもこの歌をこの組曲に入れたかったのです。静かに心洗われるように美しいハーモニックスで弾いてください。

最後の秋祭りはこの組曲の中の唯一のアレグロです。譜面から見てギターの曲とは言えないかと思いますが、音符はひとつ目安ですので適当に音を省略または増加して弾かれてよいと思います。ただ、旋律だけは絶対にくずさないでください。それから所々にあるアクセントの記号はその場所だけはっきりアクセントを付けてください。

以上全6曲のこの組曲は、私の今までのコンサートで、延べ400回ばかり弾いてきましたが、どこでも譜面を欲しがられ、この度のこの出版でやっと目的を達することが出来ました。なお、この曲は、古典舞曲と共に、アルゼンチンの世界的女流ギタリスト、マリア・ルイサ・アニード女史に献曲されたもので、女史の手により、東洋のギター曲として欧米に紹介演奏されています。

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