【朗読】土田耕平:大寒小寒  おほ寒こ寒 山から 小僧がとんでくる……

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【土田耕平:大寒小寒】

おほ寒こ寒
山から小僧が
とんでくる……

 冬のさむい晩のこと、三郎はおばあさんと二人で、奥座敷のこたつにあたつてゐました。庭の竹やぶが、とき/″\風に吹きたわむ音がして、そのあとは、しんとしづかになります。そして、遠くの方で犬の吠える声がきこえたりするのも、山家(さんけ)の冬らしい気もちであります。大寒小寒の唄は、さういふさむい晩など、おばあさんが口癖のやうに、三郎にうたつてきかせる唄でありました。
ーー以下省略ーー

このお話と出会うまで土田耕平さんのことを知りませんでした。土田さんは明治28年長野県諏訪の生まれで、若くして両親と死別。身体が弱く伊豆で療養生活を送ったあと、長野に戻って各地を転々としながら短歌、童話の創作活動をし、昭和15年に44歳の若さで亡くなったそうです。

「大寒小寒」ほんわかと心が暖かくなるいいお話ですね。読んでいて自分もおばあさんのことが懐かしく思い出されました☺️

毎度、代わり映えのしない朗読ですが聴いていただけたら嬉しいです🙇‍♂️

朗読:佐藤範夫

背景、イラスト:illustAC

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