日本キリスト教団六ツ川教会　ローズンゲン釈義黙想（2024/8/5）

2024年8月5日（月）

【旧約聖書】
主があなたがたの前を行き、イスラエルの神がしんがりとなるからだ。イザ52:12（協）

【新約聖書】
（イエスは）通りがかりに、アルファイの子レビが収税所に座っているのを見て、「私に従いなさい」と言われた。彼は立ち上がってイエスに従った。マコ2:14（協）

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「ローズンゲン釈義黙想」は、日本キリスト教団六ツ川教会の会員向けのメッセージです。
日々、御言葉を聞くことができるように毎朝5時に更新します。
「公開」設定にしていますので、六ツ川教会の教会員でない方も、ご関心のある方はどうぞ自由にご活用ください。

釈義黙想の後に、呼吸と沈黙の時間があります。
ヨガのトレーニングから学んだ呼吸法のごく基本的な方法を取り入れています。
御言葉を聞き、呼吸と姿勢を整えて、良い一日の始まりとなりますように。
どうぞ今日も笑顔でお過ごしください。

使用しているテキストは『日々の聖句　Losungen2024』（ベテスダ奉仕女母の家出版部、2023年）です。全国のキリスト教書店でお求めいただくことができます。税込み1,400円です。

*ローズンゲンで指定された場所以外は、聖書協会共同訳聖書のテキストを用いています。

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　私の自宅近くには比較的大きな道があり、そこをたまに昭和の時代にいたような暴走族の方々が賑やかに走っていくことがあります。それとは異なりますが、バイクのツーリングで走っておられる一団もまた、たまに見かけることがあります。バイクが縦に一列、お行儀よく走っていきます。聞くところによると、バイクのツーリングでは、先頭を走る方が、道を熟知していて、技術も高い方が走り、一番後ろを、技術も知識も最も高いベテランの方が走ると言います。先頭と最後の方が、列の真ん中の方々の様子を見ながら走るということなのでしょう。そうであれば初心者の方も安心です。

　預言者イザヤはこのように言います。「主があなたがたの前を行き、イスラエルの神がしんがりとなるからだ。」これはバビロン捕囚から解放され、イスラエルに帰還するときに言った言葉です。「立ち去れ、立ち去れ、そこを出よ」、このようにイザヤは言い、バビロン捕囚からイスラエルへの帰還が喜ばしいことであるのは確実なのだから、安心して帰路の路につくように、イスラエルの民に促すのです。このように言わなければならないということは、バビロンの地から離れることを躊躇する民もまた、いたのでしょう。バビロンからイスラエルの戻るのも、長距離の移動となります。そんなしんどい思いをするよりも、このままここにいたいと考える民もいたかもしれません。年齢を重ねた人は、特にそう思うかもしれません。そのような民に向かって、「主があなたがたの前を行き、イスラエルの神がしんがりとなるからだ。」、神さまが先頭と最後尾についてくださり、バイクのツーリングのように守ってくださる。だから安心してイスラエルに戻りなさいとイザヤは言っているのです。

　この先頭の神さまこそ、イエスです。イエスは道案内役として、私たちをツアーの一員に加わるよう、声をかけてくださるのです。本日の新約聖書の御言葉にはこのようにありました。「（イエスは）通りがかりに、アルファイの子レビが収税所に座っているのを見て、『私に従いなさい』と言われた。彼は立ち上がってイエスに従った。」この収税所というのは、通行税徴収所のことで、高速道路の料金所のように、通るときにお金を支払います。ここで徴収させた税は、ローマ帝国ではなく、領主のヘロデに納められたようです。どちらにしても、こういった徴税人というのは、しばしば不当に高い税を徴収したり、異教徒と接触したりすることもよくありますから、ユダヤ社会では軽蔑や嫌悪の対象とされ、罪人と同一視されていました。私たちも「税金屋さん」というと、あまり良い意味では言っていないのと似ていると思います。ですか、イエスはそのような社会での嫌われ者をツアーの一員に加えてくださっている。そして今も、社会からはみ出してしまった人々に、イエスは声をかけ続けています。私たちもその姿にならって、声をかけ続けたいと思います。私たちのツアーには、先頭にイエス、最後尾に父なる神さまがついておられる、何よりも安心のツアーなのです。

日本キリスト教団六ツ川教会牧師　　桐藤　薫