戦争の記憶を次世代につなぐ 舞台で受け継ぐ大空襲の経験/Air Raid Experience Passed Down on Stage

Описание к видео 戦争の記憶を次世代につなぐ 舞台で受け継ぐ大空襲の経験/Air Raid Experience Passed Down on Stage

終戦から79年を迎えます。当時を知る人が高齢となる中、戦争の記憶を次の世代につなぐことが困難になってきています。TOKYO MXでは3日間にわたって「戦争の記憶を次世代につなぐ」をテーマに特集をお伝えしています。総務省が発表している人口推計では、戦後生まれの人の割合は87.9%となり、9割近くが「戦争を知らない世代」となっています(2023年10月現在)。戦争を経験した人が年々減って記憶の伝承が課題となる中、若者たちが戦争の記憶を受け継ぐ舞台が東京・江東区で上演されました。

8月12日に江東区で上演されたのは、戦争の経験を劇や歌、朗読で伝える舞台です。語り部となったのは“戦争を経験していない中学生から大学生の若者たち”でした。学生たちが演じ語るのは、元木キサ子さん(90)が10歳の時に経験した東京大空襲の記憶です。今から79年前の3月9日から10日にかけて、アメリカ軍が現在の墨田区や台東区の一帯におびただしい数の焼夷(しょうい)弾を投下しました。爆撃と燃え広がった火災で、およそ10万人が犠牲となったとされています。元木さんはあまりの怖さに防空壕(ごう)から逃げ出し、両親と弟とは離れ離れとなり、遺体を探し出すこともできませんでした。

学生朗読「しばらく歩くと道路のあちこちに“黒いもの”が転がっています。なんだろう? はっと息をのみました。人間の真っ黒い焼死体。大人とも子どもとも分からない。苦しんだ形のまま」

舞台が上演される4日前、演じる上でのヒントになればと、学生たちと元木さんが初めて顔を合わせ、直接話を聞く場が設けられました。学生からの「他に周りに戦災孤児はいたんですか?」という問いかけに元木さんは「周りのことは全然分からなかった。他の人と楽しく話すとか、笑顔とか、(当時、自分の)笑顔は一度も見たことがなかった」と語りました。

元木さんは一夜にして家族を失い、戦後も親戚の家を転々とする生活を送りました。10歳にして親戚12人分の全ての家事を担う中「両親が亡くなった原因はおまえにある」と親戚から責められることもあったといいます。元木さんは学生たちに「きついです。つらいことをまた繰り返してお話しなければならないでしょう。だけどやっぱり私と同じような心で成長してはいけない。絶対させてはいけない。そんな気持ちでお話を続けています」と話しました。つらい過去から目をそむけず、元木さんが伝え続ける理由には、若い世代に向けた強い願いがありました。学生から「今の戦争に対する思いをお聞きしたい」と尋ねられた元木さんは「みんな、人間は地球の上に住んでいるでしょう。その地球を国々が戦争して、破壊し合って、殺し合って。なぜそういうことをするんだろうなといつも思う」と答えました。

元木さんの切なる願いを受け取った学生たちは、舞台の脚本の最後にこんなせりふを付け加えました。

学生朗読「宇宙の中のかけがえのない星である地球に住む人間。人間が作り上げてきた素晴らしい文化を壊してはなりません。310万人もの命と引き換えに、今の平和をみんなで守り続けたいと、心から願っています」

終演後、元木さんは学生たちに握手を求め「皆さんでやって、支えて、広げてくださったでしょう。私1人なのにね。きょうは本当に感動でした。ありがとうございました」と語りました。元木さんの戦争の経験を舞台の上演という形で追体験した学生たちはこれから、自らの経験として元木さんの記憶を次の世代に語り継いでいきます。舞台に参加した大学生は「元木さんの体験・壮絶な人生を聞くと、まだまだ朗読に反映できるところがあったかと思う。(今回の舞台が終わって)話を聞く機会は少なくなってしまうが、話や残してくださった文字を大事にして朗読を続けていきたい」と語りました。

Комментарии

Информация по комментариям в разработке