第一部総論 第1章2節 病気を受け入れて暮らすのに必要な方法 

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00:00 OP
01:07 健康 - 不運 - 病気
05:02 社会(組織)が求める能力と異なる能力を持つ人たち
07:03 自尊心の低下
09:28 治療
11:23 喋る場所としての共同体

本日は「社会の森へ戻るのか? 森の外で暮らすのか?」というテーマでお話しします。

コメント欄でよく見るのは、「発達障害が治っても苦しいだけだから治らない方がいい」「うつが治ってもまた苦しい生活に戻るだけだから、治らなくてもいい」というものです。

その人たちはどういう風に考えてるかというと、「健康的」なものと「病気」の往復しかないと思っています。
ですが、本当は中間に「不運」というものがあり、森の外で暮らす自由もあります。
つまり、「マイノリティとして生きる」という生き方もあります。

でもそれがあまり想像がつかなかったり、わからなかったりするようです。
今回はそういうことを中心にお話ししようと思います。

■健康 - 不運 - 病気

精神疾患というのは健康から病気になるわけではなく、中間に「不運」とか「不幸」とか呼ばれる高ストレスの状態を挟みます。
健康的な人は、不幸な状態、不運な状態を経て病気を発症する。

なぜかというと、精神疾患というのは「遺伝子+ストレス」の二つが揃うことで発症するからです。
ですから、だいたいの人は不運な状況を経てから病気に行きます。

薬を使って症状を軽くしてあげることはできます。
妄想があれば妄想を取るとか、病的な症状を取ってあげることはできるのですが、取ってもまた不運な状況に戻るだけなのです。

確かにコメントで見るように、「発達障害はミスが減ったからといって楽になるわけじゃない。それだったら病気にいた方が楽なんじゃないか」という意見があります。
まあそうと言えばそうかなという気も確かにします。また病気になるのであれば。

でも、不幸の状態というのが不幸なのか不運なのか、そこにいると生きていけないのか?
社会や健康的な人たちの集団から外れた場所にいたときに、森の外で生活し続けることはダメなんですかということです。

たとえば、生活保護をもらいながら生活する、障害者年金をもらいながら生活する、福祉の力、家族の援助を受けながら生活するということは劣っていることなのか、不幸なことなのかということになります。

そういうことを言う人たちは、生きている意味はないんじゃないかとか、外で生きていることはダメなんじゃないかと思うみたいです。
でもそんなことはありません。

皆が皆、病気の人が健康の中に戻れば良いと僕は思っていなくて、外で生きることもとても重要だし、生きる楽しさもあります。
それを伝えたいと思っています。

僕個人だって、いわゆる「健康」の外で生きている人間です。
医療の世界でいうと、「医局」という医者の集団があります。
僕は開業医だし、何かの学会、何かの専門をやっているわけではなく、外れたところにいます。
もともと中にいましたし、中に戻ることもできますが、僕は外側で生きることをどこか選んでいます。

それが別に誇りとは思っていませんが、患者さんの治療をしていく中で、安全地帯の中から臨床していることにすごく嫌な気持ちがしてしまったというのも正直あります。

自分もお酒を飲んでいるのにアルコール依存症の治療をしているなんて、何か嫌だなと思ってしまったからずっと断酒しています。
じゃあそれまでの10年間は何だったんだという感じかもしれないですが、そう思ってしまった時があったり、性的な虐待を診ているにも関わらず、自分がそういう女遊びをしたら絶対良くないなと思ったり、そういうところはあります。

それは同じ場所、外側にいたいというか、一緒にいることでしか僕は皆さんに何かをしてあげられないんじゃないかという思いもあります。

もちろん勤務医がダメとかそういうわけではありません。
ただ僕は、外側にいてそこから患者さんたちを診ていきたいというのがあります。

■外側にいても楽しく生きられる

ただ、僕だけではなく、本当の意味での社会というか組織の中で生きていない人たちもたくさんいます。
社会や組織が求める能力と異なる能力を持つ人たちもたくさんいます。
YouTubeを見ているとそういう人たちは多いです。
時代が変われば評価される才能を持っていた人たちが、叫んでいるように感じます。

今までは本でしかそういう声は届かなかったけれど、本を書けなかった人たちが、動画を撮るということで届けられるようになってきた時代だなといろいろ考えます。

外側にいても楽しく生きている人たちはたくさんいます。
精神科の患者さんで、生活保護をもらいながら楽しく生きている人はたくさんいます。
いろいろなことを教えてくれます。時間が結構あるから図書館とかよく行くんですよね。
そういう患者さんがこの本面白かったよとか、この本にはこういうことを書いていてこうだったんですよとかいろいろ言ってくれます。

僕はあまり勉強しないし、本を読む時間がもないのですが、患者さんからいろいろなことを教わるので、いろいろ知っています。
こんな風に褒めてくれるときもあるんですよ。
「益田先生は難しい専門用語を使わずに、いろいろなものを抽象化して自分の言葉で説明しているからすごいですよね」と言ってくれるのですが、その場では言わないですが、専門用語を噛み砕いたものを結構患者さんから教えてもらっているのです。

とにかく、外側にいても結構楽しく生きられます。

■自尊心の低下

ただ、外側にいることで自分を責めてしまう人たち、自尊心が低下してしまう人たちというのがやはりいます。
何で自分は会社の中で働けないんだろうとずっと悩んでしまいます。
でも資産家の人たちは別に働いていなかったりするので、生活保護の人と資産家は何が違うんだろうとか時々思います。

何が違うのかというと、やはり多様性の欠如なんですよね。あと、想像力の欠如だったりします。
生き方のバリエーションが少なく、それを想像することができない。
「人生はこうあるべき」、これしかないんですよね。

一通りか二通り、数パターンの生き方しかないですし、幸せのパターンもそれしかないと思っています。
ですがそんなことはありませんし、生き方は多様です。

不幸の数に比べると、幸せはもっと多様です。

他の人から見たら「これの何が幸せなの?」と思うものも本人にとっては幸せ、ということはいっぱいあります。
僕もそうですよね。「益田先生大変ですよね。精神科の仕事やって、休む暇もなくて、空いた時間があったらYouTube撮って大変ですよね」と言われます。
大変と言えば大変ですが、精神科臨床も好きですし、YouTube撮ることも好きです。

YouTubeを撮ることは、おそらくテレビに出るとか、有名人と一緒に喋ったり何かを作るよりも、僕はたぶん楽しいんですよね。一人で動画を撮っている方が。
ですが、多様性があまり想像できない人にとってはそれも不幸に見えてしまうのかな、という気はします。

多様性が欠如してる人たちというのは想像力が不十分だったりするのですが、なぜ想像力が不十分かというと、発達障害の問題、もともとの想像していくとかクリエイトしていく才能というか、脳の資質能力が低い場合もありますし、あとはトラウマです。

虐待の影響や何かがあってその想像力を十分に発揮できない。
何か傷があるから想像力を動かそうとしたときに、不安になって縮こまってしまう問題があるのかなと思います。

これらが複雑に絡み合ってパーソナリティ障害が起きることもあります。

■治療

治療というのは、病気の症状を取って不運な状況に戻ったときに、ここからたとえば発達障害の人でSST(ソーシャルスキル・トレーニング)という形だったりとかコミュニケーションのトレーニングをゆっくり積んでいくことで健康に戻ることもあれば、外側で楽しく生きていくやり方、自分はこれでもいいな、こういう生き方も悪くないかもしれないなと思って外側に留まる生き方も選べます。

社会の森に戻るのか、それとも森の外で楽しく暮らすのか、どちらも選ぶことができます。

治療の中で「不運」から「健康」に戻るにしても、「外側」で暮らすにしても、想像力を鍛えてあげる必要があります。

想像力を鍛えるにはどうしたらいいのかというと、まずは内在化というか、ロールモデルをきちんと少しずつ増やしていくということです。

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一般の方向けに、わかりやすく、精神科診療に関するアレコレを幅広く解説しています。動画における、精神分析や哲学用語の使用法はあくまで益田独自のものであり、一般的(専門的)な定義とは異っているところもあります。僕がもっとも説明しやすいとたまたま感じる言葉を選んだだけなので、あまり学術的にとらないでいただけると嬉しいです。
   早稲田メンタルクリニック院長 益田裕介

【自己紹介】
益田裕介
防衛医大卒。陸上自衛隊、防衛医大病院、薫風会山田病院などを経て、2018年都内で開業。専門は仕事のうつ、大人の発達障害。といいつつ、「なんでも診る」ちょっと変人よりの町医者です。
趣味は少年ジャンプとお笑い。キャンプやスキーに行きたいです。
2020年6月5日より断酒継続中。

【参考】
厚労省みんなのメンタルヘルス https://www.mhlw.go.jp/kokoro/
カプラン 臨床精神医学テキスト第3 https://www.medsi.co.jp/products/deta...
倫理規定について https://note.com/mentalyoutubers/n/nb...

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