【特集】スプリントの夢を追い続けて：51歳の挑戦 世界マスターズ陸上へ【新潟･長岡市】スーパーJにいがた8月13日OA

長岡市に51歳で陸上の短距離走に取り組む男性がいます。高校時代から36年にわたって自らを鍛え、13日スウェーデンで開幕する「世界マスターズ陸上」にも出場します。シニアアスリートが走り続ける理由を、取材しました。

長岡市の佐藤政志さん、51歳のスプリンターです。50代に入ってからの100mの自己ベストは･･･なんと11秒54。
■佐藤政志さん
「10秒台工夫すれば、まだ工夫すれば出せるのではというところを希望を持ち続けてる。」

佐藤さんの挑戦の舞台・マスターズ陸上は、5歳ごとに年齢を区切り、同じ世代で競いあいます。2018年の世界大会。佐藤さんは、北京オリンピック銀メダリストの朝原宣治さん、タレントの武井壮さんらとともに、45歳から49歳クラスの400mリレーに出場。金メダルを獲得しました。
■佐藤政志さん
「生まれて初めて、世界一になった。(仕事で)いろいろ私にオファーをいただいたり、そういうきっかけになったり、人生の転機になったと思う。」

13日開幕した世界マスターズ陸上。佐藤さんは50歳から54歳クラスの100mに出場します。大会前、最後の調整練習では入念にウォーミングアップを行いました。
■佐藤政志さん
「足の接地感覚って大事なので、ここががちっと固まってしまうとどうしても地面からの入力に対して足が追従してくれないので、ここはしっかりと動くようにほぐしてあげて。始まる前にしっかり念入りに調整をやってます。」

トップスピードを鍛える加速走。疲労を残さないよう、走る本数を限定します。
■佐藤政志さん
「(メニューは)身体の状態と対話したりとか必要なものを拾って拾ってミックスしてベストな選択ができるよう組み立てています。」

柿木記者も並走を試みますが･･･あっという間に抜かれてしまいます。練習のしめは、50m走。そのタイムは･･･
■佐藤政志さんと柿木記者のやりとり
「佐藤さん：どうだ！」「柿木：タイムが6.29です！」「佐藤さん：お、よかった！6秒前半でよかった！」

■佐藤政志さん
「大体イメージしていた動きに近づけた。調子はあがってきていると思うので、100mのスタートまで1週間ほど、そこにあわせていくだけ。」

佐藤さんは、子供を対象とした体操教室や陸上クラブを運営し、自らもコーチを務めています。
■佐藤政志さん
「仕事自体がトレーニングになっていることもあるし、教えながら自分で気づくこともあるし、それ(指導)がヒントになってトレーニングをしたりっていうのもありますので。お互いがリンクしあって今の自分を作っている。」

仕事の合間のわずかな時間もトレーニング。
■佐藤政志さん
「お腹周りは大学生から体型は変わってない、体脂肪率もいま8％とかくらい。日常生活の中にトレーニングがあるという感じなので、あまり特別なことだとは思っていない。」

食事制限はしていません。
■佐藤政志さん
「長く続けるためにはあまりストレスを感じたくなくて、食べたいときに食べたいものを食べるというスタンスは自分の中では崩さないでやってる。」

高校1年生のころ、先輩の誘いで陸上を始めた佐藤さん。29歳の時にアキレス腱を断裂し、競技生活をあきらめかけた時に「マスターズ」と出会いました。
■佐藤政志さん
「前日本選手権に出た方がマスターズ頑張っているとか一生懸命の姿を目の当たりにして、まだ自分もやれるんじゃないかとスイッチが入った。」

ケガや不調に見舞われながらも36年にわたり陸上に打ち込んできました。佐藤さんが、走り続ける理由とは…
■佐藤政志さん
「思いどおりにいかないときは苦しいんだけど、それをのりこえた喜びのほうが勝ってる。私がメッセンジャーとなって何歳でもチャレンジできるし、チャレンジする過程で成長もできるということを伝えたい。」

指導する陸上クラブの練習会。地元の中高生や社会人など30人ほどが参加しました。練習メニューは、ミニハードル走。足の接地に目を光らせます。
■佐藤政志さん
「なわとびジャンプして！そう！そこが一番はずむポイント！そこで地面をとらえる！」
■生徒たち
中3「『もうちょっとうまくできたら記録につながるよ』とか励ましとか言葉もかけてくれるのでいい。」
中2「僕のお父さんと同じ歳くらいなんですけど、かっこよさが違う！速くて尊敬してる。」
63歳「この歳になって勉強することがいっぱいあって楽しませてもらってる。」

この日、サプライズがありました。
■生徒
「世界マスターズがんばってください！」
■佐藤政志さん
「ありがとう、なんだこれ！かっこいい！すげ！」

クラブ生からの応援メッセージです。
■佐藤政志さん
「すごい！うれしい言葉がいっぱい！ひとつひとつぼくの応援メッセージですごく背中を押される感じ！決勝進出をめざして、決勝に残ったからにはメダルをめざし全力をだしきれるように走っていきたい。」

佐藤さんは、13日の日本時間午後8時から行われる50歳から54歳クラスの100m予選に登場します。

2024年8月13日放送時点の情報です。

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