Learn Japanese Through Story (5+):【忠臣蔵外伝】赤垣源蔵・徳利の別れ/The Final Farewell to his Brother

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Chūshingura (忠臣蔵, The Treasury of Loyal Retainers) is the title given to fictionalized accounts in Japanese literature, theater, and film that relate to the historical incident involving the forty-seven rōnin (masterless samurai) and their mission to avenge the death of their master, Asano Naganori.
The historical basis for the narrative begins in 1701. The ruling shōgun placed Asano, the lord of Akō, in charge of a reception of envoys from the Imperial Court in Kyoto. He also appointed the protocol official (kōke) Kira to instruct Asano in the ceremonies. On the day of the reception, at Edo Castle, Asano drew his short sword and attempted to kill Kira. His reasons are not known, but many purport that an insult may have provoked him. For this act, he was sentenced to commit ritual suicide, but Kira did not receive any punishment. The shogunate confiscated Asano's lands (the Akō Domain) and dismissed the samurai who had served him, making them rōnin.
Nearly two years later, Ōishi, who had been the chief retainer of Asano, led a group of forty-six of the rōnin, broke into Kira's mansion in Edo. They captured and executed Kira. They then turned themselves in to the authorities, and were sentenced to commit the ritual suicide, which they all did on the same day that year.

忠臣蔵外伝、赤垣源蔵の『徳利の別れ』を、#やさしい日本語 #SimpleJapanese でリライトしました。
講談では「徳利(とくり)」と読みます。仇討までがかなりコンパクトで、後半に話が続くのですが。
私は前半部分が好きなので、ほぼ前半のみにさせていただきました。
講談の「徳利の別れ」が好きな方、申し訳ありあません。

【参考動画】
   • 赤垣源蔵徳利の別れ  

ちなみに、この話は全て作り話で、赤垣に兄はおらず酒も飲まず、「赤垣」という名前自体も「赤埴」の読み間違いだそうです。

【音楽】 DOVA-syndrome様  https://dova-s.jp/
【イラスト】 イラストAC様  https://www.ac-illust.com/

スクリプトーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
塩山伊左衛門は淡路守の家臣で、奥さんと二人で江戸に住んでいました。元禄14年(1701)、赤穂藩がお取り潰しになりました。それで、赤穂の侍だった弟、赤垣源蔵が江戸へ来て、伊左衛門の家で居候を始めました。赤穂藩のお取り潰しは、誰が見ても不公平なものでした。それで、人々は旧赤穂藩士が、その原因をつくった吉良に仇討をするべきだと思っていました。伊左衛門とその妻も、源蔵を可哀そうに思って、しばらく何も言いませんでした。しかし源蔵は、新しい仕事も探しません。剣術の練習もしません。兄に金を借りて、毎日酒を飲んで、遊び歩いています。吉良に仇討など、すこしも考えていないようでした。兄夫婦は、だんだん不愉快になりました。ある日、源蔵は伊左衛門の金で新しい着物を買いました。それを見た奥さんが怒って、とうとう源蔵を家から追い出してしまいました。

翌元禄15年、12月。その日は朝から雨が降っていましたが、午後には雪になりました。
伊左衛門の家に、久しぶりに源蔵が来ました。源蔵は手土産に、酒が入った徳利を持っていました。
「タケ、兄さんはいるか。明日から遠くへ行くから、出発前の挨拶に来た」
タケは、伊左衛門の家でずっと働いているお手伝いさんです。
「まあまあ、お久しぶりです、源蔵様。あいにく旦那様は淡路守様のお屋敷です。囲碁の相手をしなければならないとか」
「そうか。この雪だから家にいると思ったが。しかたがない。兄さんが帰るまで、家の中で待っていてもいいか」
「そうですね。奥様に聞いてみます」
タケが伊左衛門の奥さんに知らせると、奥さんは嫌な顔をしました。
「私は気分が悪い。タケ、あなたが相手をしてちょうだい」
それで、タケは源蔵に言いました。
「中で待っていてもいいですが、奥様は体の調子が悪くて…」
「そうか。そんな時に来て、悪かったね。静かにしているよ」
源蔵は兄の部屋に入って、帰りを待ちました。夜になって、雪がやみました。しかし、伊左衛門はまだ戻りません。部屋には、伊左衛門の着物がありました。
「タケ」
「はい、源蔵様」
「お猪口を二つ…いや、湯呑を二つ、持ってきてくれないか」
タケは、変だと思いました。しかし、湯呑を二つ持ってきて、源蔵に渡しました。
源蔵は、二つの湯飲みに酒を注いで、一つを兄の着物の前に、もう一つを自分の前に置きました。
「今夜はよく降りますね、兄さん。私が赤穂の赤垣に養子に出た日も、雪が降っていた。私は、よく考えるんです。ずっと塩山の家族と暮らしていたら、どんな人生だったか…
兄さんは昔から勉強がよくできた。だから私は、勉強では勝てないと思って、剣術を頑張ったんです。兄さんが誇れる弟になりたかった。でも今日まで、こうして迷惑をかけてしまった。どうか許してください。さあ兄さん、飲んでください」
源蔵は、兄の着物に語りかけながら、一人で酒を飲みました。
タケがそれを見て、笑いました。
「嫌ですよ、源蔵様。どうして一人で話して、一人で飲んでいるんですか? 旦那様といっしょに飲むんでしょう? もう少し待ってください」
源蔵も笑いました。
「ん? おかしいな。酒が減っている。タケが飲んだのか」
「もう、源蔵様が自分で飲んだんでしょう? 旦那様が帰る前に酔っぱらわないでくださいよ」
「わかった、わかった」
伊左衛門は真夜中になっても帰りませんでした。
源蔵は兄の着物に語りつづけました。いろいろな思い出話をして、最近のことも話しました。
ひとしきり話して終わると、ちゃんと座って両手をついて、兄の着物に向かって深く頭を下げました。
「兄さん、最後に一目会いたかったが、もう時間がない。立派な兄を持って、私は幸せでした。どうかいつまでもお元気で、義姉さんといっしょに、幸せに暮らしてください。今まで本当に、ありがとうございました」
小さい声でそう言うと、源蔵は立ち上がりました。
「タケ。私は夜明け前に出発するから、もう帰らなければならない。兄さんに、よろしく伝えてくれ」
「わかりました」
「今まで世話になったな、タケ。義姉さんが私を嫌っていることは知っている。それでもタケは私に優しくしてくれた。嬉しかったよ。ありがとう」
「いいえ、こちらこそ。源蔵様も、お元気で」
源蔵は微笑んで、夜の雪道を一人、帰っていきました。

明け方近くになって、伊左衛門が家に帰りました。
「すっかり遅くなった。留守中、誰も来なかったか」
「ええ、誰も」
奥さんが答えましたから、タケが慌てて言いました。
「夕方、源蔵様が来ました。旦那様といっしょにお酒をと…。ついさっき、七つ刻まで待っていましたが」
「源蔵が? 久しぶりだな。ちょうどさっき、淡路守様が源蔵の話をしていた。旧赤穂藩士の剣豪といえば、堀部安兵衛と赤垣源蔵だ、とな。あれは私の弟だと自慢したかったよ。源蔵は元気だったか。また金を借りに来たか」
伊左衛門は上機嫌で言いました。タケは、源蔵が伊左衛門の着物に語りかけながら一人で酒を飲んでいたことを話しました。
「一人で? おまえ、相手をしなかったのか」
伊左衛門が奥さんに言うと、奥さんは嫌な顔をしました。
「私は体の調子が悪かったんです」
「おまえは源蔵が来るといつも病気になる。そんなに嫌いか。まあいい。しかし、私の着物に語りかけながら酒を飲んでいたとは、変だな。なにかあったか」
「遠くへ行くと言っていました。夜明け前に出発するとか」
タケが言うと、伊左衛門は喜びました。
「やっと次の仕官先を決めたか。それは良かった。いつまでも仇討もしない、仕官もしないじゃ、侍として情けないからな。ああ寒い。タケ、早く床の準備をしてくれ」
「はい、旦那様」
それからすぐに、みんな床に就きました。
夜が明けてから、急に外が騒がしくなりました。
「大変だ、大変だ! 赤穂の浪人が、吉良の屋敷に討ち入った!とうとう仇討を果たした」
誰かが大きい声で言いました。寝ていた伊左衛門は、急いで起きました。
「赤穂の浪人が、討ち入り? まさか源蔵… 。タケ、ちょっと様子を見てきてくれ」
タケが急いで泉岳寺の近くまで行って、様子を見てきました。
「旦那様。源蔵様も、討ち入りに参加していました」
「確かか」
「はい、この目で見ました」
「そうか。遠くへ行くとは、このことだったのか」

赤垣源蔵は、他の義士たちといっしょに幕府に捕らえられて、切腹を命じられました。享年35歳でした。

伊左衛門は部屋に入ると、自分の着物の前に座って、二つの湯飲みに酒を注ぎました。そして、その一つを弟が座っていたところに置きました。
「見事に私を騙してくれたな、源蔵。お前の気持ちも知らないで、叱って、悪かった。おまえは立派に武士の本懐を遂げた。誇りに思う」
外ではまた、雪が降りはじめていました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーおわり

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