いい子でいる? 適切な自己開示

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00:00 OP
03:10 自己開示する強さが必要
06:53 芸能人の自己開示は?
10:31 パーソナリティファンクション
13:25 本日の宿題

本日は、適切な自己開示について解説します。
どれくらい自分を出せばいいですか、自分の本音をなかなか言えないんですけど、どうしたらいいですか、とよく聞かれるので、それについてお答えします。

主に若い人たちに向けた動画ということになるかなという気がします。
10代、20代、30代前半、男性というより、むしろ女性側に多いような話かなと思います。
話します。

何となく本音を語れない、いつもいい人でいないとキツい、いい人ぶってしまうんです、自己開示できないんですけど、どうしたらいいんですか、とよく聞かれます。
自己開示をしない理由がやはりあるんだよね。
自己開示してもいいことはないだろうな、と思うこともたくさんあって、その時の判断の連続は間違ってなくて、自己開示しなくて良かったんですよ、ということも多いです。
妥当なこともあるということです。

僕自身もそうです。
自己開示がなかなかできないし、やらなかったですね。
最近は医師を10何年やって、年齢も40になって、自分はそんなに優秀じゃないんだよ、医者だって弱いとこあるよと言えるようになってきましたけど、これが20年前、学生の時や研修医の時に同じこと言ったらやはり叩かれるわけです、今でも叩かれるぐらいですから。
自分にも弱いところがある、悩みがある、自分にも弱さがあるんだということを言ったりすると、信用されなかったり、がっかりされたりもするわけで。

そりゃそうだろうなという気がします。
弱さを開示できない社会ですよ、今は。
ホモソーシャルな社会というか、男性的な価値観の社会の中では、自分の弱さを開示できないので、開示することが有利じゃないんです。

だから強がってないといけないですよね、男だろうみたいな。
女の人も同じような感じです。
自分たちは優秀じゃなければいけないというか、男の人には負けないと言い続けていないと大人の仲間入りをさせてくれないので、そうだなという気はします。

ただやはり、うまく自分の弱みを出せた方が生きやすいし、親近感も持ってもらいやすいし、生きやすいので、じゃあどうしたらいいのかという話をします。

◾️自己開示する強さが必要

まず最初に元も子もないことを言うと、自己開示するには強さが必要なんです。
世間の常識では、あるがままを出せばいいんだよ、みんな受け入れてくれるよ、と言うんですけど、そういう優しい人ばかりじゃないので、弱みを見せつつも、それに対応していく強さを身につけなければいけないです。

例えば、コミュニケーションというのは自他の区別がついた状態での正直な意見の受け答え、受け渡しなんです。
正直に嘘をつかず、できるだけ意見を交わす、そして意見が違うときには交渉したり妥協したりし合う必要があって、これは日本人には苦手な人が多いです。
自他の区別がちゃんとついて、相手の意見をそこそこ、相手と自分の意見が違っていて妥協ポイントを探すということが苦手な人はめちゃくちゃ多いです。
自分も苦手なんじゃなくて、相手も苦手な人が多かったりすると。

家族関係の中で適切なコミュニケーションが取れなかったり、親から一方的に言われて妥協点の探り合いというトレーニングを受けてない人たちは、トラウマになっていたりして、より下手だったりします。

自分を開示して正直に意見を言う時に、毎回いい子でいると自分の意見が通らない。
それは苦しい、苦しいのは苦しい。
かと言って自分の意見を通そうとしたら交渉しなければいけなかったりするので、この手間、複雑さ、疲れなど心理的負担もあるので、それは大変だよということです。
大変さを受け入れた上でチャレンジしていく、慣れていく、交渉術を身につけていくということも重要だと思います。

若い人や女性であること、社会的に弱者であると、取り合ってもらえないことがあります。
交渉事なので、相手も自分の意見を押し付けたいから、一方的に潰されてしまうということは結構あるので。
でもまあそういうもんなんですよね。
その中でしたたかさを身につけていくというのも重要だなという風に思います。

例えばリョーハムさんによく言われるんです、ウチで働いてくれている発達障害の当事者のリョーハムさんですけど、益田ドクターは全然僕の話を聞いてくれませんね、とよく言うんです。
いや、そりゃさ、聞いてるけど、僕、上司だから、上司だからね、上司ですよ、社長ですよ。
だからやはり譲れないところがあるわけです。
合理的配慮はするけれども、ここだけはやってほしいというポイントがあって。
何でですか、と言って不満に思うことがあるみたいですね。
上司と部下の関係だというのがちょっとわかりにくいんだよね。
友達関係みたいにリョーハムさんはなりがちなんだろうなとは思うんですけど、これはよくあることです。

社会は複雑で、上下関係があったりするんだけど、色々な状況の中で、自分に有利な状況をどう引き出すのかという交渉という側面はどうしてもあるよということです。

◾️芸能人の自己開示は?

あと芸能人ですよね。
SNSを見ていると、何かうまいな、芸能人は弱さを出していても、みんなからいいね押してもらえるしいいな、こう思うと思うんです。
芸能人はそんなに交渉してるんですか、ということですけど。
芸能人の弱さの見せ方は僕もよく研究の材料としているんですけど、芸能人は独特なんです。

パーソナリティファンクションという能力が高くて、でも欲望にだけは弱いというのは芸能人の特徴だなと思うんです。
つまり、人格的機能、IQとはまた別の非認知能力と呼ばれる人格的な機能の能力が高いんです。
だから魅力的なんです。
魅力があるというのは優れているということなんです。

これは恐ろしいですよ。
優れている、もしくは子どもや赤ん坊のような可能性を秘めている、もしくは優れている、それが魅力なんです。
そこの動物としての本能に抗い難くて、僕らは。
とにかく魅力的な人たちの中には優秀さというのがあると。
芸能人の優秀さというのは、IQが高いというようなことではなくて、パーソナリティ・ファンクションが高いということです。
パーソナリティファンクションが高いんだけれども、欲望にだけ弱いというのがポイントかなと思います。

パーソナリティファンクションとは何かというと、自己機能能力と対人関係機能というものです。
自己機能というのは、自分はこういう人間であるということがよくわかってる。
自分はこういう人間だとわかっているのと、自分の目的がわかっているということです。

対人関係機能能力というのは、自分とは違うもの、異質なものに対して共感できる、リスペクトを持てるということです。
自分と気が合う人だけ仲良くするのではないんですよ。
自分と気が合わない人に対しても、それなり一定量の理解だったり、リスペクトを持てる。
嫌いな人は関わらないんじゃなくて、嫌いな人とも関われるという能力なんですけど、ここら辺がすごく高いですね。

にも関わらず、自分の欲望を抑制する力は弱いんですよね。
それが妙に人間味があったり、情けなかったり、それが人の心を惹きつけるだろうなと思います。

自分はそういう能力が高いにもかかわらず、欲望に弱い。
だから食べちゃう、いっぱい食べちゃう、いっぱい酒を飲んじゃう、ギャンブルをしちゃう、不倫をしちゃう、恋愛に弱い、そういう感じです。

他の能力は高いんだけれども、そこだけが弱い。
何となく欲望の体現というか、自分たちはいつも抑えてるじゃないですか、欲望を。
欲望を抑えてるんだけど、画面越しの人たちは欲望を解放しているので、彼らを見ることで自分たちの欲望を解放してあげてるというか、そういう要素はあるんだろうなと思います。

じゃあ芸能人は自己開示が上手くて人気はあるかもしれないけど、プライベートは良いかというと、破綻しています、欲望に弱いから。
破綻している人が多かったりします。

◾️パーソナリティファンクション

パーソナリティ機能とは何かというと、こういう自己機能や対人関係機能が基本で、あとは特徴として感情の安定性がどうか、ネガティブな感情になりにくいのか、反社会性(社会秩序を守れるのか)、自己中心的で反社会的な行動を取らないか/取るのか、欲望に強いのか/弱いのか、外向的なのか/内向的なのか、人間関係の付き合いを避けるのか、あと精神病性、いわゆるスピリチュアルや陰謀論を信じやすいのか/信じにくいのか、そういう要素で色付けされるんですけど、特にPF能力が高いんだけど、この抑制が弱いので見える。
こういう人なんだろうなと思います。

私は私、〇〇がしたい、あなたはあなた、あなたはこうしたいのね、協力しますか?戦いますか?それともわかり合えないから、もう私たちは関わらないにしますか?
こういうところがはっきりしていて、さっぱりしています。
自己開示されても妙に押し付けがましくなくて、ベッタリしなくて魅力的なんだろうなと思います。

★動画の文字起こしはこちらのnoteに【全文掲載】されています。
https://note.com/wasemenblog
(文字起こし自体がない動画もあります)

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