Big Time Changes 聖飢魔Ⅱ SEIKIMA II

堂々たる表題曲。今回転調を自分に課した　と何かのインタビューで読んだ記憶があって、その通り
この教典での長官作曲のナンバーは全て転調します。何という非凡な才能。このナンバーはその頂点と云っていいでしょう。
特にリードギターの構成の凄さと来たら。
他のHR/HM系のギタリストでは先ず耳にする事がないであろうひと癖あるコード進行とスケールの
曲構成、そこに絡みつく強度の高いリードギターは燦然と輝くオンリーワンだと断言出来ます(早口
厄介ヲタク)。

このナンバーも「作詞ジャンキー・モンキー・ベイビーズ」の表記です。我らが丸沢さんです。
「腐った地球をふみつぶせ」「腐った時代を塗りつぶせ」と云うフレースを執拗に重ねます。
世界、地球規模の変革を起こせと実にパワフルな唄声で訴える内容です。

「俺らめっちゃ変わってこうぜ」とも取れる詞ですね。
ダミアン殿下の残したストックに一切頼らず、更には当時最もモチベーションの高かったジェイル
代官も失った彼ら自身、参謀を加えたこの五名でやっていかなくては！
と云った覚悟の意思表明として創られたのでしょう。’85年に地球デビューをド派手に飾った際、
「20世紀末1999年に我々は世界征服を完了する。そして新世紀を迎えるのだ。つまり、その後の布教活動は
不要と云う事だ。なのでその時解散する！」
と大きく宣言してしまった彼らです。デビューと同時に’99年いっぱいで解散する事を決めてしまっ
ていた訳です。つまりこの時点で残り12年の活動期間という事です。

「後12年、この五名でやってく為に色々変えてくから！ヨロシク！」

と云う宣言を表したこの楽曲は、正に今作の表題曲に相応しい出来と言えます。
PV（活動絵巻）も制作されました。地球を意のままに操る為政者（神？）の前に現出した閣下。
地球の命運をチェスで決するという、正に支配者の視点が演出された内容です。チェックメイトを
喰らい、追い詰められた為政者は最後、自棄（やけ）になってICBMを起動してしまうという、
これぞ世紀末と呼べる展開が描かれてます。

実に巨大なスケールであり、ノリの大きいヘヴィなサウンドであるこのナンバーにとても
相応しい仕上がりのPVです。是非観て戴きたい逸品ですよ。
（因みに為政者役は故人・ウガンダ⁼トラ氏が演じておられました）

それにしても本教典はフェードアウトで終わるモノが非常に多いですね。
流行ってたのかな？

作詞　ジャンキー・モンキー・ベイビーズ
作曲　エース清水長官