介護費用を軽減する【高額介護サービス費制度】とは

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高齢になり介護が必要になると、さまざまな費用が発生しますが、経済的な負担はバカになりませんよね。
例えば、公的介護保険サービスを利用する時の自己負担額は、原則1割負担になっていますが、前年の所得によっては2割負担もしくは3割負担になる人もいます。
さらに、公的介護保険サービスには、利用限度額、というものがありますから、無制限に使えるわけではありません。
介護度が進めば、利用限度額も高くなりますから、自己負担する金額も、高くなってしまうわけです。

そんな時、高額介護サービス費の制度を使うと、後から払戻を受けることができるんですね。
つまり、この1割負担、2割負担、3割負担の金額よりも、さらに介護費用を安くすることできる
ということになります。

そこで今回は、高額介護サービス費とはどんな制度なのか、具体的にいくら戻ってくるのか、手続きはどうすればいいのか、と言ったことについて解説したいと思います。

本日の内容ですが、下記の3点になります。

 1番目 高額介護サービス費とは
2番目 具体例でみる高額介護サービス費の計算方法
3番目 手続きの方法


1番目 高額介護サービス費とは

これは「公的介護保険サービスを利用した方の毎月の自己負担額(1割から3割)が一定の金額を超えた場合に、超えた分が後から払い戻される制度」ということになります。
なお、同じ世帯に公的介護サービスを利用する人が複数いる場合は、世帯として払った自己負担額の合計額が対象になります。

一定の金額は、住民税課税世帯と住民税非課税世帯と生活保護受給者の3つに分かれていて、さらに所得応じて負担限度額が決められています。


2番目 具体例でみる高額介護サービス費の計算方法

ここでは、具体的に払い戻される金額はいくらになるのか、3つのケースを見ながら一緒に金額を計算してみたいと思います。

1つ目のケースは以下の夫婦です。
この夫婦は、2人とも介護保険サービスを利用しており、毎月、それぞれが、自己負担している介護保険サービスの金額は夫が3万円で妻が2万円でした。
ですから世帯として負担している金額は、5万円ですね。
一方、この夫婦の負担限度額は、世帯として2万4600円でした。

以上を踏まえてこの夫婦が高額介護サービス費を利用した場合、いくら払い戻されるのか?ということですが
その計算式は、下記の通りです。

(利用者の合計負担額-世帯限度額)×個人の負担額÷利用者の合計負担額

金額を入れて計算すると、
夫への払い戻し額は、(5万円ー2万4600円)x3万円÷5万円=1万5240円
妻への払い戻し額は、(5万円ー2万4600円)x2万円÷5万円=1万160円
ということになり、これで払い戻しの金額が分かりました。

2つ目のケースは、以下の単身世帯の女性です。
この女性が利用する公的介護サービスの毎月の自己負担額は3万円で、負担限度額は1万5000円(個人)だったとします。
このケースの場合の計算方法は以下の通りです。
自己負担額-負担限度額

先ほどの式と比べると、拍子抜けするぐらい、シンプルですよね。
計算すると 3万円―1万5000円=1万5000円
ということで1万5,000円が返ってくるということになります。

3つ目のケースは下記の単身世帯の男性です。
この男性が利用する公的介護サービスの毎月の自己負担額は3万円で負担限度額は4万4400円だったとします。

計算すると、男性への払い戻し額は、3万円ー4万4400円=▲1万4400円
ということで計算結果がマイナスなので、このケースの場合は高額介護サービス費は支給されないということになります。


3番目  手続きの方法

手続きの方法ですが実は、高額介護サービス費制度の対象となった場合、市区町村から払い戻しの通知と申請書が郵送されるということになっているんですね。
なので、申請書が届いたら必要事項の記入と押印をしてお住まいの自治体の窓口に提出すればOKです。
なお申請書が郵送されるのは、介護サービスの利用から3カ月後になります。

お金は、申請が完了してから約2カ月後に振り込まれます。
その際「支給決定通知」が郵送で届くので、それを見れば振込の予定日の確認をすることができます。
通常は、月末に振り込まれる自治体が多いようです。

なお申請には期限があって、介護サービスを利用した翌月から2年以内となっています。
もしこの期限を過ぎてしまうと時効となり、申請ができなくなるのでご注意ください。
因みに申請手続きが必要なのは初回だけです。
なので一度申請すれば、後は継続的に払い戻しが行われるので、再度申請する必要はありません。

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