【うつ病】体がだるいだけでもうつ病ですか？【精神科医が8分で回答】仮面うつ病｜自律神経失調症｜だるい

うつ病の中には、「仮面うつ病」という体の症状が主に目立ち精神面の症状が目立たないものがあります。この場合、「自律神経失調症」的な症状が目立ち、なかなかうつ病と認識しにくいことがあります。

ご質問「体がだるいだけでもうつ病ですか？」について、精神科医が8分で回答しています。
出演：春日雄一郎（精神科医、医療法人社団Heart　Station理事長）

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うつ病と体の症状：だるさだけでもうつ病の可能性がある

はじめに
うつ病は落ち込みなどの精神症状だけでなく、体の症状も伴う脳の不調です。主にセロトニンの不足が背景にあるとされ、休養、薬物療法、精神療法が治療の3本柱となります。

うつ病の主な症状
1. こころの症状：落ち込み、不安、意欲低下、集中力低下、記憶力低下
2. 体の症状：不眠、疲れやすさ、倦怠感、吐き気、めまいなど
3. 行動の変化：人を避ける、声が小さくなるなど

うつ病と体の症状
うつ病では、精神症状だけでなく様々な体の症状が現れることがあります。多くは自律神経症状で、自律神経失調症と似た症状が現れます。倦怠感、だるさ、食欲低下などうつ病特有の症状もありますが、吐き気やめまいなど一般的な症状も出ることがあります。

関連する症状や障害
1. 自律神経失調症
2. 身体表現性障害
3. 転換性障害（解離性障害の一種）

仮面うつ病について
仮面うつ病は、精神症状があまり目立たず、体の症状が主体となるうつ病の一種です。特徴として以下が挙げられます：

1. 自分がうつ病と自覚しにくい
2. 周りからうつ病と見えにくい

これらの特徴により、診断や治療が困難になる場合があります。

仮面うつ病の可能性を知ることの重要性
1. 自分の体調不良が長引く場合、仮面うつ病の可能性を考慮する
2. 周囲の人の慢性的な体調不良を単なる甘えと決めつけない
3. 診断を受けた場合は、必要な治療を地道に続ける

体の不調がうつ病とは限らない場合
慢性的な体調不良がすべてうつ病によるものではありません。以下のような体の病気が原因の場合もあります：

1. 甲状腺機能低下症
2. 糖尿病
3. 貧血

検査について
可能性の高い疾患は血液検査でわかることが多いため、甲状腺機能を含めた血液検査を検討することが推奨されます。ただし、まれな病気まですべてを検査することは現実的ではありません。検査の範囲は症状などを総合的に判断して決定する必要があります。

まとめ
うつ病は精神症状だけでなく、体の症状も現れることがあります。特に仮面うつ病の場合、体の症状が主に現れるため見逃されやすいので注意が必要です。一方で、すべての体の不調がうつ病によるものではないため、体の病気の可能性も考慮することが大切です。

こころ診療所グループ（医療法人社団Heart　Station）
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【監修者】
医療法人社団Heart　Station　理事長　府中こころ診療所院長　春日雄一郎
精神科医（精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医）
2005年東京大学医学部卒業、NCNP病院、永寿会恩方病院等を経て、2014年に府中こころ診療所を開設、その後医療法人化し理事長に就任、2021年8月に分院「こころ診療所吉祥寺駅前」を開業。メンタルクリニックの現場で、心療内科・精神科の臨床に取り組み続けている。