【朗読】山本周五郎「初蕾」～オーディオブック～　朗読：京谷由香里

お互い惹かれ合いながらも、住む世界が違う2人。お民と半之助は夫婦になることなど叶わぬ夢と自らに言い聞かせながら逢瀬を重ねていたが、思わぬ事から半之助が人を斬ってしまい、行方知れずになる。残されたお民はやがて男の子を産む。　テレビドラマ化もされた作品です。
初出：博文館『講談雑誌』　1947（昭和22）年1月。

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◎主な登場人物
　お民　　（たみ　船問屋「山越」の船夫の娘、小料理茶屋「ふじむら」の売れっ子酌婦）
　梶井半之助　（学塾の助教をしていたが、讒誣（ざんぶ）により免職、お民の交際相手）
　島屋喜右衛門（廻船問屋「島喜」の主人、藩主のお勝手御用も努めている）
　梶井良左衛門（半之助の父、稲垣家の港奉行）
　はま女　　　（半之助の母）

（文中の表記、意味などについて）
　御師（おんし）　　特定の社寺に属し、信者のために祈祷 (きとう) を行い、
　　　参詣のために宿泊・案内などの世話をする下級の神職。伊勢神宮のものが有名
　境涯（きょうがい）　ひとそれぞれの立場、身の上
　致仕（ちし）　　　官職を退くこと。また、退官して隠居すること
　機縁（きえん）　　きっかけ、縁
　遊山（ゆさん）　　野山に遊びに行くこと
　無為（むい）　　　何もしないでぶらぶらしていること
　行李（こうり）　　竹や柳で編んだ箱型の物入れ
　襁褓（むつき）　　おむつ、おしめ
　讒誣（ざんぶ）　　事実ではないことを言いたてて他人をそしること
　敲く（たたく）　　（この作品での場合）学び練ること、研究すること
　規矩（きく）　　　考えや行動の基準とするもの。手本
　厭悪（えんお）　　嫌い憎むこと。ひどくいやに思うこと
　素読（そどく）　　文章の内容・意味はさておき、まず文字だけを音読すること。
　　　　　　　　　　漢文学習の初歩とされた
　昌平黌（しょうへいこう）　江戸幕府の学問所である昌平坂学問所のこと
　仰高門日講（ぎょうこうもんにっこう）　儒教経典の講義
　大学頭（だいがくのかみ）　江戸時代には昌平黌（昌平坂学問所）の長官のことを言う
　旧過（きゅうか）　　古い過ち
　儒臣（じゅしん）　　儒学をもって仕える臣下
　
♫ お好きな場面からお聴きいただけるように ♫
　（青字の数字をクリックしていただくと、その章から始まります）
　第一章　　 　　0:00　　　　
　第二章　　　　　8:31
　第三章 　 15:42
　第四章 　　 　 22:44
　第五章　　 　　 30:26
第六章　　　　 37:57
第七章　　　　 45:46
第八章　　 　 53:36
　第九章　　 1:00:56

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