心の病気とは何か? どうすれば治るのか? YouTubeの活用方法について 

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00:00 OP
02:09 精神疾患とは
06:23 「不運」はなかなか理解されない
10:42 治療とは
14:02 カウンセリングとは
17:38 カウンセリングには流派がある
20:26 YouTubeについて
22:58 イノベーションとは何か?

本日は、心の病気とは何か、心の病気が癒えるとはどういうことなのか、治療がうまくいくためにはどういう生活を送ればよいか、という話をします。

YouTubeや僕のやっているオンラインのサービスを使うことで治療効果が高まると僕は考えていますが、具体的にどのように使えば良いかを皆さんにご説明したいと思います。

このことはいろいろな動画でちょこちょこ喋っていますが、最近見始めた人もいると思いますし、バラバラに話しているのでいまいち世界観として理解できていない人もたくさんいると思います。
ですから今回は、精神科とはこういうカルチャーなのだということを説明したいと思います。

話の流れ:
・精神疾患を発症するとはどういうことか
・治療の流れ
・カウンセリングの治療効果
・イノベーションとは何か

YouTubeやイノベーションの話をしますが、僕は今までの精神科の先生を否定するつもりは全くありません。カウンセリングがダメだという話をしているわけではありません。

単純に今までできていたことをオンラインに置き換えたときに何かブラッシュアップできることもあるのではないか、治療効果を高めることがあるのではないかと思っています。
ですから敵対する立場ではありません。
うまく利用してもらえると治療効果を高めると思いますので、そのような話を最後にしたいと思います。

■精神疾患とは

精神疾患とは脳の病気であるということは、だんだん一般化していますし、それは遺伝的な問題とストレスの重ね合わせによって発症するのだということも一般的にはなっています。
ですが、まだまだ偏見は多いですし、精神科の病気は甘えなんだ、難しい、知りたくない、あるいは攻撃的に見ている人もいたりします。
家族にもそのような人は多いです。

人間というのは、悩みますし、傷つきますし、落ち込んだりします。
それは病気の人だけに起きることではなく、健康な人にも起きます。
ですからつい「僕らも悩むのだから、お前が悩んでいるからといって病気なわけではない」という単純なロジックになりがちです。
「僕も悩んでいる、でも病気ではない。お前も悩んでいる、ということは病気じゃない」というロジックに陥りがちなのです。
悩み方の程度が違うとか置かれている状況が違うと言うのですが、多くの人は視野が狭くなって自分のことに集中しがちで相手のことまで気が回らず、つい相手に対してそのような批判をしがちです。

自分がすごく落ち込んだことがある人は、同情してくれる人もいるのですが、その時の嫌な記憶を思い出したくないから避ける、逆にそれをバネにしたから攻撃的になる、「お前も頑張れ」とすごく暴力的になる人もいます。

不幸や悲しみ苦しみを受けて、「あの時、自分は傷ついていたな」「自分は嫌な思いをしてたな」ということを心の隅に抱えながら、目の前に自分と同じような経験をしている人、自分とは違うかもしれないけれど悩んでいる人がいたときに、「あの時」の記憶を思い出し、「自分もあの時嫌だったな」と思いながら、でも今目の前で困っている人を助けてあげたいと思える、それはすごく人間らしいのですが難しく、全ての人ができるわけではありません。
僕の勘ですが、6、7割の人しかできない技術なのではないかと思います。

多くの人は「健康的な社会」の中で戦っています。
健康的な社会の中で「リア充」を目指して戦っていきますが、負けて後退し、傷つき、またリア充を目指します。
リア充の中にいる人は、「入ってくるな」と言って押し出すような戦いをしたりします。

とは言いつつ、落ち込む時の落ち込み具合が違います。
僕は、不運が重なると「不運」の領域に行くという言い方をしています。
ストレスがすごく溜まると「不運」の領域に来ます。

残業時間が多い、パワハラに遭ってしまった、パワハラに遭う前に実は家庭環境が悪かった、夫婦仲が悪かった、虐待をされていた、そのような不運がいろいろ重なっていくと、「不運」の領域から抜け出せません。

バンカーのようになってしまって、「不運」から「健康的社会」に行こうとしても、質の違う壁があります。戻れません。
それでどんどんストレスを溜めてしまい、とうとう「病気」を発症してしまいます。

まとめると、病気というのは「遺伝子」+「ストレス」であるということです。
遺伝的な知的の問題+虐待→病気
遺伝的な発達障害の問題+パワハラ→病気
普通の人+強いストレス→病気
など、いろいろなパターンがあります。

■「不運」はなかなか理解されない

なぜ世の中は「不運」という状態が起きるのか、社会からはみ出してしまう人がいるのかというと、多様であり矛盾やジレンマを抱えているからです。

脳の中にもいろいろな要素があり、相反することが起きます。
感情や本能では食べたいと思っている、でも理性では食べるべきではないと思っている。
「今は勉強するんだからダメだ」「今、夜食を食べると太っちゃうからダメだ」と抑えます。

合理的な判断をするならば「食べない」という理性を重視しますし、「夜食を食べるのも人生の楽しみではないか」と感情に負けてしまうこともあります。刹那的なことに逃げることもあります。
毎回理性に従っているのもきついですし、毎回欲望に負けていたらなかなか進めません。

ですからバランスも大事なのですが、この矛盾を毎回解決していかなければいけません。
それが人間の持つ苦しみの1つです。

もう少し複雑なことを言うと、「親はこう言っている、でも自分はこうしたい、でも親の言うことを聞けない自分はダメなのではないか」そういう形で脳の中で矛盾が起きて自己嫌悪に陥ることもあります。

群の中にいれば、「誰々はこう来た、でも私はこう思う」と対立して負けてしまうこともあります。
裏をかかれることもあります。
そのような葛藤から来る問題もあったりします。

皆が違うことを考えていて違う価値を見出しています。
多くの人はうまくはまっているのですが、はまらない人が出てきて「不運」から逃れられないということも起きてしまいます。

この不運の要素がなかなか理解されません。
それはなぜかと言うと、サイコロを振ったときに6が連続で3回以上出ることは滅多に起きないように、それを言うと「嘘だろ」と言われるのです。
「いや、僕は6が5回連続で出ちゃったんだよ」と言うと、「そんなこと起きるわけないでしょ」とみんな信じてくれません。
ですが、起きるのです。

これだけ人口がいたらそのようなこともあり得ます。
でも人間は、目に見えるものや自分の肌で感じられるものしか信じられないということがあります。
愚かなのです。
合理的に考えることがなかなか難しいので、「嘘つけ」とか言います。
言われた方は「嘘ついてないのにな」と傷ついてしまいます。

「健康」から「病気」に急に来ることはあるのかというと、例えば胃がんは不運やストレスがなくても発症するときはします。
ですから精神科は特殊といえば特殊なのですが、それでも例えば「甲状腺機能低下症」「ステロイド精神病」などがあります。

甲状腺機能というのは元気を出すホルモンです。その臓器が弱ってしまったときはうつ病のような症状が出てしまいます。
ステロイドを飲んでいることで副作用でうつ病のようになってしまうこともあります。
最近ではコロナの後遺症もあります。
コロナを発症して、その後遺症としてうつ病のようになってしまう人もいます。

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一般の方向けに、わかりやすく、精神科診療に関するアレコレを幅広く解説しています。動画における、精神分析や哲学用語の使用法はあくまで益田独自のものであり、一般的(専門的)な定義とは異っているところもあります。僕がもっとも説明しやすいとたまたま感じる言葉を選んだだけなので、あまり学術的にとらないでいただけると嬉しいです。
   早稲田メンタルクリニック院長 益田裕介

【自己紹介】
益田裕介
防衛医大卒。陸上自衛隊、防衛医大病院、薫風会山田病院などを経て、2018年都内で開業。専門は仕事のうつ、大人の発達障害。といいつつ、「なんでも診る」ちょっと変人よりの町医者です。
趣味は少年ジャンプとお笑い。キャンプやスキーに行きたいです。
2020年6月5日より断酒継続中。

【参考】
厚労省みんなのメンタルヘルス https://www.mhlw.go.jp/kokoro/
カプラン 臨床精神医学テキスト第3 https://www.medsi.co.jp/products/deta...
倫理規定について https://note.com/mentalyoutubers/n/nb...

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