第二部各論 第1章14節 境界性パーソナリティ症を解説します 

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00:00 OP
02:07 症状
06:26 鑑別と治療法
11:53 実際の治療

本日は「境界性パーソナリティ障害(Borderline personality disorder)について解説します。

ネットなど見ていると「ボーダー」というとちょっと差別的だったり、嫌な意味で使われたり、医療機関の中でもボーダー、ボーダーと言って、ちょっと意地悪なニュアンスで使われることがあります。
ですが別に「ボーダー」自体は差別的な意味ではありません。

この境界(ボーダー)というのは、神経症と精神病圏、統合失調症、うつ病、躁鬱病などの内因性疾患および心因性疾患、不安障害とかそういうものの境界にある、両方の要素を持ったものという意味で「境界性」と言います。
そういう意味のボーダーということです。

ですがボーダーボーダーと使われているうちに、差別的な意味がこもってしまったという感じです。
ネットで見る「メンヘラ」というのもおそらくこのイメージです。
メンヘラの由来は境界性パーソナリティ障害の人たちのことなんじゃないかなという気がします。

男女は基本的には1対1と言われていますが、実際に医療機関を受診する人は女性の方が多いです。
境界性パーソナリティ障害と自認するのも女性の方が多いかなと思います。

10代から20代の発症が多く、やはり若い人の病気だったりします。
30代40代、中年になるに従って症状が落ち着いていく傾向があります。

■境界性パーソナリティ障害の症状

どんな症状があるかというと、特徴的なのはこの5点です。

・不安定な人間関係
まず、不安定な人間関係というものがあります。
人間関係が安定せず、「見捨てられ不安」というのがあります。
見捨てられるんじゃないか、私は誰かに嫌われるんじゃないか、捨てられてしまうんじゃないかと思って、とても不安になり、なりふり構わぬ努力というのをします。

好かれるために自分の意見を隠す、自分の意見を曲げてでもその人についていく、とかそういうことをしますね。
彼のために、本当だったらハンバーガーが食べたいところをうどんに合わせるとか。洋服の趣味も変えるとか。そういう可愛らしいものから、なりふり構わぬ努力、「絶対捨てないで。借金も肩代わりするから」みたいなものまであります。

・理想化とこき下ろし
と言いつつ、操作性というのもあります。
一方で「あなた素晴らしい」と言って理想化したり、反対にこき下ろす。
「お前なんか最低だ」と言って両極端に人間の評価が振れるのも境界性パーソナリティ障害の特徴です。

すごく褒めてくれたと思って、「あなたのこと好きよ」と言ってくれるからつい近づいていくと、今度は「嫌いよ」と言われるので相手は振り回されます。
このアメとムチで相手を支配できるのか、相手も病みつきになってしまい、すごく助けてしまうというかすごく距離が近づいてしまって、共依存関係になってしまう、密着関係になったりします。

男女共に、男性だけで受診する、女性だけで受診するのではなくカップルで受診する時は、だいたい女性が境界性パーソナリティ障害で男性が振り回されているパターンです。

そのカップルの特徴をやんわりと伝えます。
「何かちょっと2人がくっつきすぎてるね」みたいにやんわりと伝えます。
「理想化とこき下ろしがひどいね」とかそんなこと言いませんが、やんわりと伝えても、益田はイヤな奴だとか言ったりします。
2人を引き裂こうとするとそういう感じになります。

うまく彼が現実に気づいてということもあれば、現実から離れていく、2人で崖から転がり落ちるような関係になってしまう、不幸が不幸を呼ぶようなことになってしまうこともあったりします。

・突然の深い悲しみ、怒り、空虚感
突然の深い悲しみや怒り、空虚感、現実感の無さ、現実が意味がないとか生きていても意味がないんじゃないかという空虚な感じがあったりします。

・感情コントロール困難、論理思考困難
自分の感情をコントロールすることが困難で、視野が狭くなっていて論理的な思考が困難です。

・自己破壊的行動(自傷、薬物、性行為)
苦しいので自分を攻撃するようなことをしてしまいます。
苦しくなった時に自分のことを攻撃すると、ちょっと頭がすっきりして冷静になります。
なのでそれを何度もやってしまう。

自傷をしてしまったり、違法薬物をしてしまったり、危ない性行為、誰とでもやってしまう、やってはいけない人と性行為をしてしまうとか、そういうこともあります。
その結果、自分から近づきながら性的な暴力を受けて、性的な虐待だとか、レイプだとか、痴漢の被害に遭うこともあります。

相手の男性から見たら、「いや、誘ったのは君だろ」みたいな感じで言うのですが、でも本人は無意識にやっていたりもするので、本人が言っていることもあながち嘘じゃない。双方の言い分はなんとなくわかるなという感じがします。

こういう人を境界性パーソナリティ障害、人格障害、とカテゴライズされていて一定数いますね。
人口の1、2%はいて、さまざまな問題を起こしているという感じです。

■鑑別と治療法

似たような病気としてどういうものがあるかというと、双極性障害です。アップダウンがあり、躁とうつを繰り返す。
他に月経前気分不快症(PMDD)、発達障害、境界知能。知的障害も含めてもいいかもしれません。
あとは解離(ヒステリー)、PTSD、その他人格障害も境界性パーソナリティ障害と似たような疾患かなと思います。

鑑別というのは、違う疾患だということもあれば合併していることもあるので注意が必要です。

治療法としては、基本的には境界性パーソナリティ障害に対する薬物治療というのは有効なものはありません。
対症療法的に抗てんかん薬とか、衝動性に対しては抗精神病薬を使ったりするのですが、なかなか治療コントロール困難です。
悲しみや怒り、うつ症状に対して抗うつ薬を使うこともありますが、かえって衝動性を高めることがあったりもします。

治療法に関しては「弁証法的行動療法(DBT)」が有名です。
ただ、DBTをしっかりやるという医療機関は少ないし、僕のところもやっていません。
なかなかできないんですよ。
治療構造としてそういうものを用意するのは難しいです。
カウンセリングというか、30分なら30分の枠を作ったりするのがなかなか難しい。

結構気ままというか、外来も定期的に通院することが難しい人も多かったりしますし、突然来て毎回来るようになったと思ったら突然来なくなることも結構あります。

ただ、来るときには弁証法的な精神療法のニュアンスを含めた外来治療、カウンセリング的な要素を外来中の中で含める必要があります。
こういうものを「力動的視点」を含めた治療をすると言ったりします。

心の動きですね。
あなたはこういうことを感じているんだねとか、そういう心の動きを解釈しながら理解してもらう。
そういう視点を含めながら治療をしていくという感じです。

ただ、モチベーションですよね。
患者さん自身がモチベーションを維持するのは結構難しいです。
境界性パーソナリティ障害は本当に治療に何年もかかります。
1年、2年では収まらず、5年、10年とかかっていく治療なのでなかなかモチベーションが高い状態を維持するというのは困難なことが多いかなと思います。

自分の心と向き合って、感情のコントロールを覚える、気持ちに気づく。
自分が考えている対人不安は自分の心を反映させたもので、相手が信用できない相手なのではなくて、この人は信用できるんだけど、あなたの不安が信用させなくなっているんだよとか、あなたが自己破壊的な行動を取っているから、信用できない人を周りに近づけているんだよとか、そういう理解を促すようなカウンセリングをしていくのですが、なかなかモチベーションが維持できなかったりします。

現実的な問題も結構多いです。
自傷行為をしてしまって傷のケアをしなければいけない。
違法薬物の依存、違法薬物の警察対応、性被害の問題、トラウマの問題、会社でのトラブルの問題、恋人の問題など、現実的な問題が実際あったりするので、こちらの方を話すことがメインだったりとか、こちらの方のアドバイスをすることが多かったりして、なかなか自分の心のところまで会話や話題が触れない。
そちらの方に話題が行こうとしないことも結構あるなと思います。

ただ、自分の心という抽象的な問題だけをやっていても、やはりうまくいきません。

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境界性パーソナリティ障害の対人関係
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   早稲田メンタルクリニック院長 益田裕介

【自己紹介】
益田裕介
防衛医大卒。陸上自衛隊、防衛医大病院、薫風会山田病院などを経て、2018年都内で開業。専門は仕事のうつ、大人の発達障害。といいつつ、「なんでも診る」ちょっと変人よりの町医者です。
趣味は少年ジャンプとお笑い。キャンプやスキーに行きたいです。
2020年6月5日より断酒継続中。

【参考】
厚労省みんなのメンタルヘルス https://www.mhlw.go.jp/kokoro/
カプラン 臨床精神医学テキスト第3 https://www.medsi.co.jp/products/deta...
倫理規定について https://note.com/mentalyoutubers/n/nb...

【コメントについて】
・コメントは承認制です。誰かのコメントに返信されているものは誤解される可能性もあり、基本的に承認されません
・コメントは益田が目を通していますが、手が回らず、質問にはお答えできません。ハートマークもつけてません。
・(のちのち)自分や他人を傷つける可能性のあるものは承認されません
・他の人への返信も原則禁止です。共感的なもの、相手に役立つものは一部、許可しています。短い時間で判断しているので「どうしてこれがダメなの?」みたいなものもあると思いますが、それはこちらのミスであることも多いです。ご了承ください。

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