境界知能のしんどさ5つ【知的障害未満の知的困難のグレーゾーン、精神科医が9分で説明】

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0:05 (1)はじめに
0:31 (2)境界知能とは
2:14 (3)境界知能のしんどさ5つ
2:20 ①がんばってもついていけない
3:21 ②人から低く見られる
4:27 ③自己肯定感が下がる
5:21 ④二次障害のリスク
7:05 ⑤サポートを受けにくい
7:56 (4)まとめ

知的障害までいかない知的機能の困難が「境界知能」です。一見症状は軽めに見られがちですが、むしろ障害と認定されないことでの様々なしんどさもあります。
「境界知能のしんどさ5つ」につき、精神科医が要点を約9分の動画にまとめています。
出演:春日雄一郎(精神科医、医療法人社団Heart Station理事長)

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↓↓内容の詳細は下記になります。
(1)はじめに
今回は、「境界知能のしんどさ5つ」についてやっていきたいと思います。よろしくお願いします。
知的障害まではいかない考える力の苦手「境界知能」。
一見、知的障害よりは軽度に見える印象ですが、逆に障害ではないだからこそのことも含め、幅広い角度のしんどさがあります。
今回は「境界知能のしんどさ5つ」を見ていきます。

(2)境界知能とは
これは「知的障害未満の考えることの苦手」になります。
<境界知能とは>
境界知能は障害まではいかない脳の機能の困難です。
IQに関しては「70から84」、約13%の方が該当します。
障害までではないため、福祉的なサポートは困難です。
<知的障害との違い>
まずIQに関しては、境界知能は70から84、知的障害は69以下になります。
なる方の率は、境界知能が13%ほどになりまして、知的障害が2%ほどです。
そして、境界知能は「障害ではない」、知的障害は「障害」という違いがあります。
<発見のされ方>
境界知能は一見目立ちにくいため、いわゆる「不適応」うまくいかないことからの発見が多いです。
学生時代のトラブルや、努力しても学業不振が続いた場合などに見つかる場合があります。
そして、成人後、何か仕事を頑張ってうまくいかないという「不適応の連続」から見つかる場合があります。
<境界知能の主な困り事>
まずは勉強で頑張っても、なぜかついていきにくいという話。
2つ目が対人面に関して何か振り回されてしまったりついていきにくいこと。
そして日常生活で負荷がかかりやすいことがあります。
<境界知能の対策の方向性>
まずは「環境調整」負担がかかり過ぎない環境を整えることが大事です。
基本的には、生活・仕事とも「負荷を減らす」ことが基本になります。
そして、もし二次障害があれば、その治療をしていくことになります。

(3)境界知能のしんどさ5つ
「障害ではない」それゆえのしんどさもあります。
①がんばってもついていけない
「考えて表現する、その全体の苦手」です。
<がんばってもついていけない>
境界知能では、記憶・思考・表出全体に苦手があることが一般的です。
同じ努力量ではついていくことが困難であるというところ。
そして努力等で時にカバーできたとしてもやり過ぎて消耗・疲弊するリスクがあります。
<学校でついていけない例>
まずは授業について行きにくい。勉強してもなぜかついていきにくい場合があります。
あとは同年代との会話についていきにくいことがあります。
また、「宿題や課題をこなせない」ことでついていきにくい場合があります。
<社会でついていけない例>
例えば仕事が複雑になると、なかなか覚えられずついていけない場合があります。
そして、人間関係に振り回されたり、ついていけない場合が出てきます。
そして「日常生活」で余裕がなくなってしまう方もいます。
②人から低く見られる
苦手さを人に見透かされる場合があります。
<人から低く見られる>
境界知能では、「頑張ってもなかなかうまくいかない」というのが基本にあります。
すると、これは障害でなくて能力の問題と見なされ、馬鹿にされたり低く見られることがあります。
ただ、人によってはいわゆるムードメーカー的になる形でうまくいく場合もあります。
<学生で低く見られる場面の例>
まずはテストなどで努力しても、「いい点が出ない」場合。
あとは同年代の中で「会話の流れを止めてしまう」場合。
また「日常のセルフケア不足」、遅刻が多かったり、身だしなみの問題が出ることがあります。
<会社で低く見られる場面の例>
まずは「残業してもなかなか業績が出ない」こと。
そして何度注意されても、なかなか直らないこと。
そして「日常生活がいっぱいいっぱい」で、身だしなみ等に難点が出てしまう場合があります。
③自己肯定感が下がる
「失敗の連続から自己否定に」なることがあります。
<自己肯定感が下がる>
境界知能では、しばしば努力しても失敗することが続きます。
そして時に人から低く見られることも続きます。
これらが合わさって、自己肯定感が下がりやすい状況があります。
<自己肯定感が下がると>
まず「ストレスへの耐性悪化」ストレスに耐えにくくなります。
あとは「自己決定が困難に」なります。自信がなくなるので、自分で決めることが難しくなります。
そして、他者などに「依存的になる」ことがあります。
<注意:学習性無力感>
この学習性無力感は、「どうせやっても無駄だ」という無力感を学習してしまうことです。
すると、仕事の時やれることが仮にあったとしても、もうやろうとしなくなります。
その場合「能力差に経験の差が重なって」さらに差が広がってしまいます。
④二次障害のリスク
落ち込みのこともあれば、イライラのこともあります。
<二次障害のリスク>
ストレスや自己否定の双方から二次障害のリスクが上がります。
内側に落ち込みなどで出ることもあれば、外側に攻撃的言動などで向かうこともあります。
合併すると影響が大きいので、これを予防すること、もしなってしまったら改善することが大事です。
<二次障害の背景>
まずは生活や対人面での双方のストレス。
そして内側では自己否定や学習性無力感から、自分でストレスを作って二次障害の原因になります。
そして「ストレス対処力の困難」境界知能があるとストレス時の処理が苦手で、それもリスクになります。
<起こる症状の例>
内側に行くものとして、「うつ」や「対人不安」が出ることがあります。
外側に行くと、「攻撃的な言動」が目立つことがあります。
人によっては、「衝動行為」が目立つことがあって、この場合は特に対策が必要です。
<二次障害から境界機能がわかることも>
まずはうつや適応障害、特に繰り返す時に心療内科を受診します。
そして何か背景に発達障害などがないかを考えて、心理検査をする。
そうすると結果、「IQ70から84」の境界知能が判明する場合があります。
<二次障害の対策>
まずは「環境調整」無理がかからない環境を整えることが一番大事です。
2つ目が「薬物療法」うつや不安なら「抗うつ薬」を使うなど、薬の治療が一定の効果を出す場合があります。
3つ目が「ストレスマネジメント」できる範囲ではありますが、ストレスを逃がしたり発散したりすることをしていきます。
⑤サポートを受けにくい
「障害ではないため、福祉の導入が困難」です。
<サポートを受けにくい>
知的障害では各種福祉サービスを受ける事が制度上可能です。
一方で、境界知能では障害ではないため、そういった福祉的な導入が困難になります。
なので生活などにやりづらさがあっても、サポートを受けにくいことがあります。
<境界知能のみでは困難なものの例>
まずは障害者手帳。これは望まれる場面もありますが、あくまで境界知能の診断だけだと適応になりません。
続いて「障害者雇用」サポートが望まれる場合もありますが、境界知能単独では障害者雇用の適応にはなりません。
そして最大2年トレーニングする「就労移行支援」も同様に境界知能のみでは困難です。
ただしもしうつ病などの「二次障害」があるときは、主治医とご相談いただけたらと思います。

(4)まとめ
今回は「境界知能のしんどさ5つ」を見てきました。
境界知能は、知的障害未満の脳機能の困難になります。一見軽く見えますが、実際には以下5つのしんどさがあります。
①がんばってもついていけない
②人から低く見られる
③自己肯定感が下がる
④二次障害のリスク
⑤サポートを受けにくい
対策の柱は「環境調整」、無理のない環境をつくっていくことです。それによって二次障害の予防と治療をしっかりやっていくことが大事になります。

こころ診療所グループ(医療法人社団Heart Station)
府中こころ診療所(東京都府中市宮西町1-1-3三和ビル2階、☎042-319-7887)
こころ診療所吉祥寺駅前(東京都武蔵野市吉祥寺南町1-4-3ニューセンタービル6階、☎0422-26-5695)

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【解説者】
医療法人社団Heart Station 理事長 府中こころ診療所院長 春日雄一郎
精神科医(精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医)
2005年東京大学医学部卒業、NCNP病院、永寿会恩方病院等を経て、2014年に府中こころ診療所を開設、その後医療法人化し理事長に就任、2021年8月に分院「こころ診療所吉祥寺駅前」を開業。メンタルクリニックの現場で、心療内科・精神科の臨床に取り組み続けている。

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