【音楽ガチ分析】ラヴェル『道化師の朝の歌』~ メロディと伴奏で調が違う⁉ 美しすぎるメロディ&爆盛り不協和音で現代音楽を先駆ける

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モーリス・ラヴェル(Maurice Ravel)の組曲「鏡(Miroirs)」より『道化師の朝の歌(Alborada del gracioso)』を分析します。
質問・意見はコメントにて。

☆楽譜の動画→    • 【クラシック分析楽譜】ラヴェル『道化師の朝の歌』  


〈モーリス・ラヴェル(Maurice Ravel)〉
管弦楽の魔術師と評される、20世紀前半の作曲家。
フランスで当時としては先鋭的な音楽性を磨き、賛否両論を生む。
バスク人の血を引き、スペイン音楽に対して強い意識を持つ。


〈総評〉

【楽式】
・明瞭な3部形式。
・フーガやソナタを意識した展開。
 例:主題が様々な調で提示される (提示部的)
   属機能保続部が頻繁に登場する
   最後の主題回帰部にこれまでの音楽的素材の断片が散りばめられている (再現部・嬉遊部的)
   曲尾が属音保続→主和音保続による (結尾部的)
 →ラヴェルの古典音楽に対する造詣の深さがうかがえる。

【拍子・スケール】
・スペイン音楽に対する意識。
 →フラメンコ風の6拍子
 →カスタネットのカレティージャを思わせる装飾的な連符
・フリギア旋法が全体に用いられる。
・フリギア旋法のメロディが長/短旋法でリハモされ、ある種の複旋といえる。
 →部分的な調 (=伴奏によるその瞬間の調性)と、全体的な調 (=メロディが貫くフリギア旋法)。この複旋は、道化師の持つ2つの顔を描写したものと解釈可能。
・長短合成的な響きが全体に貫かれる。
 →フリギア旋法の第3音上変 (フリジアン・ドミナント・スケール) や、長短合成和音など

【メロディ・和声】
・2度でぶつかる音が大変多い。
 →解決しない非和声音による長短2度の打撃音。不気味でおどけた軽快なリズム感の要
 →短2度・短9度は、しばしば長7度に転回して響きの汚さを低減する。ヴォイシングの工夫
・和音には、ずれ音・装飾音が大変多い
 →属七の第7音を上変(もしくは主音を下変)させた 7thの音が特徴的。この音は属音に対する導音 (導属音)
 →上下両ずれ音も頻出
 →属和音第5音の変位も頻出。特に下変はフリギア終止にかかわる
 →厳しいずれ和音は、音数を少なくすることで汚い響きにならない工夫
・解決しない装飾音 (倚音・刺繍音など) が大変多い
 →もはやテンション・ノートとみなすべき。 マイナー9thやメジャー9thといった美しい和音が多用される
・完全5度の響きが重視される
 →7th・9thのテンションは、完全5度の音程で支えられがち
 →低音位に完全5度が置かれ、 厳しい和音を下から支える
 →空虚5度の和声も頻出
 →連続5度は自由に用いられる
・転回形が少なく、原形の多い和音
・導音の解決が執拗に避けられている
 →旋法性を強調するため
 →調性を曖昧にするため

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作曲家のトイドラ → https://tomita-haruki.studio.site/

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