不作の有明海の養殖ノリが好転? 一方で供給枚数が課題【佐賀県】 (23/02/28

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不作となっている今シーズンの有明海の養殖ノリ。シーズン後半のまとまった雨で海況の回復も見られ、黒いノリが採れるようになった一方、今後も供給面が課題となっています。

【ノリ漁業者 川崎賢朗さん】
「地獄から天国。こういう経験は、40年間ノリやっていてなかった」

県内最大のノリの産地である佐賀市南川副のノリ漁業者、川崎賢朗さん。
今シーズン、有明海で深刻なノリの色落ち被害が続いていましたが、状況が一変したといいます。

【ノリ漁業者 川崎賢朗さん】
「まとまった雨が降ってくれて、それからはみるみる回復状態で、今はどこの場所も黒いノリが採れている状況」

好転した主な要因は、ノリの育成に必要な栄養塩の回復です。一般的にノリの生育には、1リットル当たり7マイクログラムの栄養塩が必要とされています。
1月はじめの冷凍網ノリの張り込み時点では、佐賀県沖の平均は0.2マイクログラムと栄養がないに等しい状態でした。
ところが、1月半ばにまとまった雨が降ったおかげで、徐々に回復。プランクトンの減少も重なり、先週の21日には平均で8.1マイクログラムと海況は改善しています。
栄養塩の回復につれてノリも色が戻り、例年と遜色ない仕上がりに。色の違いは商品価値に大きく関わります。

【ノリ漁業者 川崎賢朗さん】
「半分あきらめて…半分以上だね。いつノリ網をあげようとまで考えていた。本当に恵みの雨。色的には十分。例年通り」

2月17日に行われた県の調査でも、色落ちが確認されたのは19地点中1カ所だけで、東部を中心に安定したノリの生育となっています。
一方、ノリの好転に品薄感も重なり、入札会では異常事態が起きています。

【川浪沙貴リポーター】
「きょうの出品枚数はおよそ1億9800万枚と今シーズンの冷凍網ノリの入札会では最も多くなっています。一方で、平年の6割ほどとなっていて、依然として品薄状態は続いています」

2月17日に開かれた冷凍網ノリの3回目の入札会。前回から8000万枚ほど増えましたが、枚数は平年にはまだまだ及ばず。
ところが、これまでの不作による品薄感から高値が続き、平均単価は23円67銭と、平年の2倍ほどに。販売額は、約46億8800万円で、昨シーズンの126.9%と、枚数が少ないのに金額が昨シーズンを上回る異常事態となっています。
この高値のおかげで金銭面のピンチを脱し、ある程度の目途が立つほどになった漁業者もいるといいます。

【ノリ漁業者 川崎賢朗さん】
「個人差はあるにしろ、目途は立っている。自分は雇用しているので、その人たちの生活も守らないといけないし。その点は確保できたので安心している」

しかし、県内では東部や中部を中心に枚数は増えた一方、大浦支所からは今シーズン一度も出品はないなど、西南部との地域差は広がっているほか、色落ち被害がひどかった時期にノリ網を撤去した漁業者もいます。
不安材料が残る中、県有明海漁協は販売枚数10億枚以上、販売額は180億円を超えたいとしています。

【県有明海漁協 深川辰已参事】
「栄養塩が回復していて、生産者も日本一の生産地としての供給責任もあるので頑張っている」

一方、ノリを扱う商社にとっては、この高値は大きな痛手。売値に反映できるか、むずかしい状況です。

【小淺商事 白羽洋社長】
「相変わらず採算が合っているわけではないので、そこを考えると皆さんどうなるんだろうという気持ちが強いと思う。原料手当てしたはいいけど、採算に合っていないし、きびしい」

商社が最も願っているのは、一大産地である有明海産のノリの増加。枚数が増えることで、必要な枚数を確保するのはもちろん、高値が落ち着いてほしいとしています。

【ノリ漁業者 川崎賢朗さん】
「この産業は生産者だけでも成り立たないし、供給する責任もあると思うので、それを果たしたい」

供給責任という言葉が出てきました。県有明海漁協によりますと、コンビニエンスストアのおにぎりや寿司店など、日本全体で使われるノリの枚数は、1年間に約80億枚なんです。ちなみに1枚のノリの大きさは、約20センチ四方です。やっぱり日本の食卓には、ノリは欠かせませんよね。ただ、ここまでの生産数は例年と比べ大きく落ち込んでいます。

全国の生産数にあたる養殖ノリの販売枚数は、1月末までの累計で約17億7100万枚、昨シーズンと比べ68%にとどまっています。
中でも、佐賀県は1月末時点で昨シーズンと比べ44.6%と大きく落ち込んでいました。ただ、直近の入札会では販売枚数が2倍近くに増えていて、今後の供給量の行方が注目されます。

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