"エスタ"閉店カウントダウンがスタート…親しみやすい地下食品街・プリクラ…45年の歴史を振り返る (23/05/24

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歴史に幕を下ろすまで100日を切りました。

 5月24日からエスタに閉店までのカウントダウンボードが設置されました。

 井戸 和也 ディレクター:「いま、カウントダウンボードに閉店まで示す数字が灯されました」

 北海道新幹線の延伸に伴う札幌駅前の再開発で8月いっぱいで閉店するエスタ。

 5月24日午前10時、閉店までのカウントダウンボードや、メッセージを募るボードが設置されました。


 50代女性:「さみしいです。お惣菜も安くておいしいのがたくさん。上にも化粧品とかロフトがあるのでよく使っていました」

 札幌市の発展とともにあった半世紀近くにわたるエスタの歴史。

 点心札幌 籾山 誠進 取締役:「空きビルみたいな状態でスタートした」

 どん底の時期に出店した中華総菜店。

 起死回生の一手とは?

 30代女性:「プリクラにはまっていたのであそこにいこうとよく来ていました」

 平成から令和になっても女子高生を魅了するエスタの聖地。

 知られざる歴史に迫ります。

 歴史に幕を下ろすまで100日を切ったエスタ。

 誕生は45年前にさかのぼります。

 1978年に札幌駅前の複合商業施設として開業したエスタは、キーテナントに札幌そごうが入りオープン初日には約4万人が訪れる華々しい門出となりました。


 50代女性:「私は小さいころにお母さんに連れられて行って、美味しいものを食べた記憶がある。わくわくしてうれしくて」

 庶民的な雰囲気で親しまれた札幌そごう。

 1988年に地下鉄東豊線も開通しJR札幌駅からの通り道となったことで、ますます人を呼びこみました。

 当時のニュースでは10億円の宝石でできたケーキを展示するなど、まさにバブル経済を象徴するイベントも行っていました。

 しかし…。

 バブル崩壊とともに親会社の経営が悪化、札幌そごうは、2000年大晦日に惜しまれながらも閉店しました。

 点心札幌 籾山 誠進 取締役:「2000年12月にそごうがなくなり、2001年3月からごく一部の小さいところで営業を始めました」

 手ごろな価格と手作りにこだわった中華総菜で人気の点心札幌は、そごう閉店から3か月後に地下の食料品売り場に出店しました。



 点心札幌 籾山 誠進 取締役:「1階から9階が全く入っていない状態。空きビルみたいな状態でスタート」

 この年の7月に新たなキーテナントとしてビックカメラが出店し、徐々に客足は戻りました。

 さらに翌年の11月には…。

 当時のリポート:「約2か月ぶりに生まれ変わりました…」

 エスタ大食品街としてリニューアルオープン。

 1日2万4000人ほどが利用するJR札幌駅と東豊線をつなぐ通路を生かし、実演販売を多く配置しました。


 高級なデパ地下とは違い、手ごろな価格で「日常使いできる」エキチカとして生まれ変わったのです。

 50代女性:「仕事帰りにバスを乗るので、ほぼ毎日です。普通に総菜を買うときもあるし、野菜とか肉とか魚とか何でも買います」

 通学や通勤客が多く通るメインストリートに惣菜店を多く配置。

 さらに生鮮食料品も販売することで普段使いがしやすい食品街になりました。

 2003年には大丸札幌も開店するなど、札幌駅前の競争は激しくなっていきました。

 点心札幌 籾山 誠進 取締役:「ほかでやっていないことをやろうと日替わり弁当を始めました。デザートをつけたりお茶をつけたり、みそ汁をつけたりバージョンアップをして、できるだけ安くしてできるだけ温かい状態で作ろうと」

 点心札幌では、日替わり弁当を考案したり事前に蒸して焼き目をつけていた餃子を、生から焼くことで見た目も美味しさも増しました。


 さらに独自で開発した「カレーザンギ」が大ヒットして専門店を出すほどに人気となりました。

 点心札幌 籾山 誠進 取締役:「うちの会社としてもエスタの3店舗はドル箱。売り上げがなくなって閉店するわけではない。次のステップというか、明るい状態で終わらせたい。さみしいんじゃなくて、ハッピーで最終日を迎えられたらいい」

 一方、衣料品や雑貨など多くのテナントが入っているエスタには北海道の女性にとって思い出深い場所がありました。

 20代女性:「高校くらいから。札幌に来るのは一大イベントで、プリントシールを記念に撮って帰るのが友達とのルール」

 30代女性:「はまっていたので、あそこにいこうとよく来ていました」

 平成の初期に大ブームとなった、プリントシール機。


 当時は専用のシール帳に所狭しと貼っていたという人も多いのではないでしょうか? 

 あれから25年。

 スマホで自撮りが普通となった中、令和のプリ事情は?

 令和になっても多くの若者がプリントシール機に集まっていました。


 (Q:スマホで撮れるのになぜ?)

 20代女性:「思い出とかパソコンとか鏡に貼れる。スマホの裏に挟んだり」

 10代女性:「遊びに来たときに。あとはイベントがあったときに。普通にシンプルに顔が盛れる」

 10代女性:「インスタグラムに上げて、「今これをやっているよ」と」

 SNS時代ならではの機能もついていました。

 動画をちょい見せ「撮ったのプリントシールの中からプラス動画撮影。

 10代女性:「撮ったプリントシールの中からプラス動画撮影。インスタグラムのリール投稿とかストーリーで上げます」

 衣食住とすべてがそろいどの世代にも親しまれたエスタ。

 歴史の幕は8月31日の午後9時におろされます。

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