演技性パーソナリティ障害【「承認欲求」過剰などの不調、精神科医が19分でまとめ】

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0:05 はじめに(演技性パーソナリティ障害)
0:42 ①演技性パーソナリティ障害とは
1:34 ②演技性パーソナリティ障害の症状
3:53 ③演技性パーソナリティ障害の診断
4:51 ④演技性パーソナリティ障害のメカニズム
5:47 ⑤演技性パーソナリティ障害の鑑別疾患・併存症
7:22 ⑥演技性パーソナリティ障害で困難になる場面
8:24 ⑦現代と演技性パーソナリティ障害
9:44 ⑧演技性パーソナリティ障害の治療
15:34 ⑨家族等の関わり
17:50 まとめ

演技性パーソナリティ障害は、「承認欲求」の過剰などを背景に、言動が大げさになるパーソナリティ障害です。
一種現代のSNS社会などに適合する面もありますが、承認欲求が行き過ぎると自他に大きな影響が出る危険があります。
精神科医が約19分の動画にまとめています。
出演:春日雄一郎(精神科医、医療法人社団Heart Station理事長)

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↓↓内容の詳細は下記になります。

<はじめに:演技性パーソナリティ障害>
演技性パーソナリティ障害は、人の注意を引くため大げさにふるまうタイプのパーソナリティ障害。
現代のニーズに合う面も多く、「成功の原動力」もなりえる一方、特性が行き過ぎると自分や相手・周りに強い影響が出てしいます。
今回は、この「演技性パーソナリティ障害」について見ていきたいと思います。

(1)演技性パーソナリティ障害とは
この演技性パーソナリティ障害、「演技性」は「ちょっと大げさに言動してしまう」という、「パーソナリティ障害」は「個性の偏り」。背景は注目や承認を得たいことがあり、これも含めてまとめると「注目・承認を得るために大げさに言動をしてしまう個性の偏り」。

背景は、は注目や承認への渇望の強さです。
その結果、相手に大げさに振る舞う傾向があります。
その中で、「本来の自分」と「人前での自分」が相手に合わせすぎた結果分離することがあります。

(2)演技性パーソナリティ障害の症状(DSM-5の症状8つ)
①自分が注目の的になっていない状況では楽しくない
注目される・承認を強く求め、渇望します。「もっと私を見て」
②他者との交流が誘惑的・挑発的になる
恋愛以外にも様々な分野において距離が近くなります。「ちょっと私は遊んでみなよ」
③浅薄で素早く変化する情動の表出
新しいものに熱中するがすぐに飽きてしまう。「もう飽きちゃった」
④自分の関心を引くため、身体的外見を一貫して用いる
外見的で印象付けようとする。その準備は入念に労力をかける。そしてその評価・承認を求め、不本意だと強く反応します。
⑤過度に印象的だが、内容のない話し方をする
印象のある言い方だが、よく聞くと中身がない。「今日は快晴。まさにサニーですね」
⑥自己演劇化、芝居がかった態度・誇張した情動表現
表現が大げさで時に周りが引きます。「今日あったのも、きっと運命なんですね。」
⑦被暗示的(他者や環境の影響を受けやすい)
特に一種の「カリスマ的な人物」に影響を受けやすい。「この水晶玉で未来が見えるんですよ」
⑧対人関係を実際以上に親密なものと思っている
初対面などでも親友のようにふるまいます。「この人は今日初めて会ったんだけども、かけがえない親友です」

(3)演技性パーソナリティ障害の診断
DSM-5では基本的には、パーソナリティ障害の診断がまずあって、そこに演技性の特徴の診断がある、この2段階で診断します。

まずパーソナリティ障害の診断、これは認知・感情・対人面・衝動この4つのうち、2つ以上の分野において大きな偏りがある。
その上で、それが「幅広い場面で生じていて、かつ社会生活に大きな影響支障が出ている」。
「障害」とは自分か相手・周囲が強く困難を感じる状態。

そして、演技性の方の基準は、先の8つの基準のうち5つ以上を満たした時。

(4)演技性パーソナリティ障害のメカニズム
基本的には、素因があり、そこに経験が重なることで特徴が明確化します。
<関連する要素>
①幼少期の環境
愛情に飢えた・不承認の環境の背景が時に指摘されます。
②学校や社会経験
「不認証体験」や、「偶然強い承認を得た」成功体験の影響。
③発達障害の関連
特にADHDとの関連や、ADHDの二次障害としての発症など。

(5)演技性パーソナリティ障害の主な鑑別疾患と併存症
<鑑別疾患:合併する場合も多い>
①ADHD
衝動や感情の動きなど共通点多い。またADHDの2次障害での発症・合併もあり。
②躁うつ病(双極性障害)
気分の変動などの共通点あり、合併する場合も。
③他のパーソナリティ障害
パーソナリティ障害は2つ以上しばしば合併。症状の出方が多様になります。
<併存症>
①うつ病
不承認時か、「本来」と「人前」のずれのストレスが関与。
②社会不安障害
不承認の反応や、不承認へのおそれからの不安が背景。
③依存症
SNSなど承認への依存が目立ちます。

(6)演技性パーソナリティ障害で困難になる場面
①自分が困る
●承認を失う不安が強まる場合
●承認を維持するための浪費、ウソ、生活破綻
●不承認時、外の自分とのギャップ時のうつ等長期化
②周りが困る
●承認欲求の巻き込み反復での消耗
●相手のウソからの対人トラブル
●承認欲求に応じない場合の、強い怒り反応

(7)現代と演技性パーソナリティ障害
<SNSでの影響力の時代>
●SNSの普及から発信力・影響力が強い意味持つ時代に
●フォロワー数など「可視化」からの承認欲求との結びつき
●実際のビジネスにも「承認」が影響すること
<演技性パーソナリティ障害との関係>
●特性が武器になる場合も多いが
●行き過ぎると歯止め効かず、自他ともに危険
●そのため武器生かしつつも、リスクには注意が必要

(8)演技性パーソナリティ障害の治療
<どこまで治療等が必要か>
特性だけ→対応不要(むしろ長所にも)
障害レベル→介入必要
(障害→自他いずれかが強く困難になる状態)
<障害までなっている例>
●嘘を繰り返し対人トラブル反復
●承認維持のため浪費・生活破綻など
●不認証やギャップ著明時のうつ・引きこもり

治療や介入の方向性は、あくまで「障害」を「特性」に戻す範囲です。

<自分を知って観察する>
①承認欲求を知る
●承認欲求自体は悪ではないが暴走するとリスク大
●暴走しそうなら気づき、止める
●求めるより先に「相手を承認する」
②自分の感情を知る
●相手に合わせすぎ、自分の感情に鈍感になり、不調の原因にもなる
●自分がどう感じているか、振り返る時間の確保
●マインドフルネスも一案
③承認以外の「好きなこと」を知る
●承認は「ドパミン系」依存になりやすいことに注意
●対策はそれ以外の「楽しめる事」を持ちバランスをとる事
●今なければ、身近なことを含めて合う方法を探す
<地に足の着いた生活>
①「被暗示性」の利用
●相手・環境から影響を受けやすい
●悪い相手等なら悪い影響を、いい相手等ならいい影響を受ける
●そのため、環境・相手をどう選ぶかが大事
②環境の調整
●刺激を減らしリズム整った「地に足の着いた生活」が望まれる
●SNSは影響大ならやめる、続ける場合も節度を持って
●農業・地方など「環境を実際に変える」も選択肢?
③人間関係の調整
●交流範囲を広げすぎず、制御可能な範囲で
●関わる相手の影響強く、「落ち着ける」相手との交流を
●交際関係に関しても同様の基準が選択肢
<(合併時)ADHDの治療>
●ADHDを合併のこと多く、かつADHDの衝動が「承認欲求の暴走」に強く影響
→依存ないADHD薬の治療(アトモキセチン、グアンファシン)がADHD合併の場合は選択肢になる。

(9)家族等のかかわり
大きな方向性としては、「枠組みや距離の確保」、「断る時は慎重に」あとは「冷静に一貫性を持って関わる」、この3つ。
<枠組みや距離の確保>
●特に不安定時は巻き込み強まるため、その予防としての枠組みを
●距離が近くなり巻き込み生じるため、普段から距離の確保を
●一度近くなってからの介入困難のため、可なら安定時のうちあらかじめ枠組みを
<断る時は慎重に>
●断ると「不認証」と認知され、大きな心理的反応が起こる
●必要な場合は、サンドイッチ法なども活用、なるべく穏やかに「面子を立てる」
●予防としての枠組み、距離確保がやはり大事
<冷静に一貫性を持って対処する>
●巻き込まれて感情的に対応すると悪循環に陥る
●あおられてもぶれず「冷静に一貫性を持って対処する」
●本人は「被暗示性」あるため、冷静な対応は本人のクールダウンにもつながる

<まとめ>
今回は「演技性パーソナリティ障害」について見てきました。
「演技性パーソナリティ障害」は強い承認欲求を背景としまして、言動が大げさ、誇大的になってしまう傾向があるパーソナリティ障害になります。
今の時代とマッチしている面があって、その成功の原動力になる部分があり得るんですけれども、ただ行き過ぎてしまいますと自分にも相手・周囲にも強い影響が出てしまいますので、この承認欲求の暴走には本当に注意が必要になってきます。
対策としては、この欲求を影響が出る障害のレベル・暴走してしまうというレベルから、「特性」コントロールできるレベルに戻していくということになります。そのためには、自分の状態を知り・感じながら、落ち着いた環境や生活・交流というところを心がけていくことがまず大事かと思います。



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【解説者】
医療法人社団Heart Station 理事長 府中こころ診療所院長 春日雄一郎
精神科医(精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医)
2005年東京大学医学部卒業、NCNP病院、永寿会恩方病院等を経て、2014年に府中こころ診療所を開設、その後医療法人化し理事長に就任、2021年8月に分院「こころ診療所吉祥寺駅前」を開業。メンタルクリニックの現場で、心療内科・精神科の臨床に取り組み続けている。

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