生きる希望と死なない理由を教えてください。背景にある価値観などを、思想面から考える。

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<本の紹介>
2022/8/5
精神科医の本音 (SB新書) 益田 裕介
https://www.amazon.co.jp/dp/4815616221/
2022/8/22
精神科医がやっている聞き方・話し方 益田 裕介 https://www.amazon.co.jp/dp/4866801921/

00:00 OP
02:06 抽象的な話題
07:19 病気は不運の連続で起きる
10:16 生きる希望、死なない理由を見出すには

本日は「生きる希望と死なない理由」というテーマでお話します。

ネットやTwitterなどでは「生きる希望がないです」「死なない理由がありません」と語られたり吐き出されていることがあります。
実際、書籍や文学では生きる希望や死なない理由について書かれ、それをテーマとして書かれているものはたくさんあると思います。直接的に扱われていることも多いです。

実際に精神科の臨床でそれを直接的に扱うことはあるのかというと、そんなにないです。
多くはないです。
医師自身も「こういう理由があるから生きる必要があるんだよ」「こういう理由があるから死んではダメなんだよ」とはあまり言いません。
精神科医の立場としては、死にたいと思っているときには何か病的なものがあるのではないかと考え、その治療をしていきましょう、と言います。
どうして死にたいと思うのか、それは何か問題があるからではないか、今困っていることがあるんじゃないか、と考えていきます。

ただ、そういうことを動画で話すと「益田は落ち込んだことがないからだ」「精神科医はそういうことを考えられない人間なんだ」「押し付けなんだ」「本当に不幸な人の気持ちなんて分からないんだ」と返されることも多いです。
今回はそこら辺のことも踏み込んでお話します。

■抽象的な話題

そもそも生きる希望とは何か、死なない理由とは何か、というのは非常に哲学的で抽象的な話題です。
こういう話をしていくということは、治療的には正しくありません。
原則的には、具体的な障害や困りごとの解決が大事です。

眠れないから落ち込んでいる、眠れないから苦しい思いをしているのであれば、眠れない問題を除去する、抑うつであればうつの気分を除去する、パワハラがあるのならパワハラの解決、親子問題があれば親子問題の解決、虐待があれば虐待の解決を目指していくのが基本的な流れです。

どうしてかというと、哲学的な問題や抽象的な話をしていくということが医師の仕事ではないからです。
哲学的な話、抽象的な話というのは、現実的な問題や具体的な問題から目を背けるために、患者さんがそういう話題を振ることも多いです。

「そもそも生きる希望なんかないんです」「生きていることにみな等しく意味はないと思います」と言ったりします。
「それは勝手に作った常識ではないですか」と言ったりします。
実際のところは何か傷ついていたり恋愛の問題があったりして、彼氏がいても自分の気持ちをコントロールできずに大好きな人から嫌われてしまうとか何か原因があったりします。

実際の臨床の場面では、生きることには本質的には価値はないと言っている人も、何となく恋人ができたり幸せな人間関係ができたり、仕事が上手く行ったり誰かに認めてもらうということがあったりすると、本当の真意として生きる希望があるのかないのか、とまでは話すことはないです(話すこともありますが)が、何となく生きていけるし、無事回復してやっていく人が多いです。

病気の症状を取った後に、それでもなお障害が残る、働けない、生きがいがない、という風になってくると、それは医師の仕事ではなく福祉の仕事で、自助会などに相談してみたら、という形で医学の範疇ではないので別の分野にバトンを渡します。
これがスタンダードな医療だと思いますし、誠実な医師の行う仕事なのではないかと思います。

抽象的な話題や哲学的な話題をカウンセリングの中でしていったり、そういう話題が中心となる時期もあります。

患者さんの心が成熟するときに、抽象的な話題や哲学的な話題の時期を経ることによって、サナギから蝶になるときにサナギの中で一度身体がドロドロに溶けるような感じで、今まで生きてきた価値観をぶっ潰して変えてあげるためには、一回このドロドロを経験しなければなりません。
そういう意味において生きるとは何か、親子とは何か、死ぬとはどういうことか、仕事とはどういうことか、お金とは何か、嫉妬とは何かを語り合う場面もあります。

しかしそれは精神科の中の応用的な問題であって、基本は具体的な障害の解決であり、あまり抽象的な話になってくると「知性化」と言って、患者さんが目をくらましている場合が多いということになります。

医師自身も抽象的な話題は楽です。
ディベート、ディスカッションなので仕事した気にもなるし楽ですが、そういう共謀関係にならないことがとても重要だったりします。

と言いつつ、生きる希望や死なない理由は医療の問題ではないので自分で考えてください、ということになると、やはり患者さんは困ると思います。
僕も2022年3月24日から自助会を始めて、もうちょっと踏み込んで考えることが増えました。

精神科医やYouTubeで情報発信している僕がここまで踏み込んで良いのか、ということには賛否あると思います。
ただあまりにもやらないというのは不親切かなと思い、自分なりにこの話題を考えてみようと思います。

■病気は不運の連続で起きる

僕が精神科のインフルエンサーとして世間に伝えたいことは何かというと、大きく3つあります。

一つは、病気は不運の連続で起きるということ、福祉の力を借りて森の外で暮らしても良いといういつも言っていることです。

もう一つは主観と客観の問題です。
主観的に考えていますが、一度客観的なものに置き換えて現状を正確に把握し、その上で物事に対処していこうということです。

三つ目は脳の特性です。
人間が持っている脳の特性や群れの特性を理解していこうということです。
色々な人がいますから、こういう特性のある人がいる、発達障害の人がいる、人格障害の人がいてそれは甘えではなく多様性、バリエーションの一種なんだということを理解してください、ということです。

今回は一つ目(病気は不運の連続で起きる)の話になります。

病気とは、健康からの直接の移行ではありません。
甲状腺機能低下症や難治性のうつ病、統合失調症、躁うつ病など健康な状態から直接病気に移行することもありますが、基本的には遺伝子+環境ストレスの合わせ技でなるといわれているので、一度ストレスの溜まる状況に放り込まれます。
それを僕は「不運」と呼んでいます。

不運が積み重なった状況に落ちてしまいます。
生まれつきの問題だったり体質の問題だったり環境の問題だったり、虐待の問題であったり、色々なものがあります。
そういうものが積み重なってついに病気のところまで落ちてしまう、ということです。

病気の診断をして薬を処方することで、病気から「不運」の状況に戻ります。
それだと症状を取り除いたというだけで、本当の意味で「満足した」という状況にはなりません。

ここからは福祉の仕事、自助会の仕事、自分の仕事ということで、医師は不運から健康、不運から共存へ移行する手伝いはあまりしません。
カウンセリングをすることで手助け的なことはしますが、もっと強引に引っ張っていくことはしません。

障害がある程度残ってしまう、病気があるから働けない人の場合、病気と共存して、健康な人たちが集まっている森とは別のところで暮らしていかなければいけません。
そういうことを「森の外で暮らす」と他の動画で言っています。

■生きる希望、死なない理由を見出すには

では、みんなと違う場所で生きている人たちはどういう形で生きる希望や死なない理由を見出したら良いのでしょう。

多くの人から「お前は働けないじゃないか」「お前は病気だからダメなヤツなんじゃないか」「恥ずかしいヤツだ」と、言う方がおかしいのですが、言われてしまいます。
そういう人たちがどうやって自己肯定していくのかということがとても重要ですが、これを医師が言うことはありません。
あなたはこうだからこうだよ、とは言いません。

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一般の方向けに、わかりやすく、精神科診療に関するアレコレを幅広く解説しています。動画における、精神分析や哲学用語の使用法はあくまで益田独自のものであり、一般的(専門的)な定義とは異っているところもあります。僕がもっとも説明しやすいとたまたま感じる言葉を選んだだけなので、あまり学術的にとらないでいただけると嬉しいです。
   早稲田メンタルクリニック院長 益田裕介

【自己紹介】
益田裕介
防衛医大卒。陸上自衛隊、防衛医大病院、薫風会山田病院などを経て、2018年都内で開業。専門は仕事のうつ、大人の発達障害。といいつつ、「なんでも診る」ちょっと変人よりの町医者です。
趣味は少年ジャンプとお笑い。キャンプやスキーに行きたいです。
2020年6月5日より断酒継続中。

【参考】
厚労省みんなのメンタルヘルス https://www.mhlw.go.jp/kokoro/
カプラン 臨床精神医学テキスト第3 https://www.medsi.co.jp/products/deta...
倫理規定について https://note.com/mentalyoutubers/n/nb...

【コメントについて】
・コメントは承認制です。誰かのコメントに返信されているものは誤解される可能性もあり、基本的に承認されません
・コメントは益田が目を通していますが、手が回らず、質問にはお答えできません。ハートマークもつけてません。
・(のちのち)自分や他人を傷つける可能性のあるものは承認されません
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